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取材した奇談

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心霊的・不可思議現象以外の、珍しい話、奇妙な話、人が怖い話などで、かつ取材した話です。
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2020年6月の記事一覧

【人が怖い実話17】地下鉄の男(フランス)

『バリ島のホテル(インドネシア)』(実話怪談7)の体験をされた健介さんの話。今度はフランス旅行中の出来事だ。 夜11時ごろにパリ市内の地下鉄でひとり、ホームでベンチに座って電車を待っていた。ホームには彼しかいなかった。反対側のホームも男性がひとり見えるくらいで、がらんとしていた。 「突然、反対側のホームにいる男が大声で何やら喚きだしたんだ。中年の男で、フランス語だったと思う。ちょうど自分の一直線上に立って、こっち向かって話しかけてる感じ」 言葉が解らない。周囲には誰もい

【人が怖い実話15】防犯カメラを買いに来た女

「あのぅ。防犯カメラを探してるんだけど」 元家電量販店勤務の男性Sさんが販売員としてカメラ売り場を担当していたとき、60〜70代くらいの女性客が細い声をかけてきた。 彼女は一軒家でひとり暮らしをしているが、自宅の金品が紛失することが多いそうだ。最初は気の所為と思っていたが、紛失の頻度が尋常でないという。そこで空き巣を疑い、防犯カメラを求めて来店したようだった。 「確かに、泥棒かも知れませんね」 「でしょう。警察の人にドアの鍵交換してもらったから、大丈夫だと思ってたんだけ

【人が怖い実話14】電車内で

60代女性Cさんは、10年ほど前に神奈川県の某私鉄駅付近にあるカルチャースクールに通っていた。 ある日の受講帰り。 帰宅のため、いつものようにスクール仲間とお喋りに興じながら、その駅に向かう。これもスクールに通う楽しみの1つだ。ホームで電車を待っている間も、雑談は止まらない。 駅の近くに高校があり、帰途につく学生も目につく時間帯だった。 電車がホームに到着し、仲間と乗車する。 座席はあらかた埋まっていたため、車内で立って歓談していた。 そのときだ。 Cさんは背中に強烈な

【人が怖い実話13】オンラインゲームのプレイヤー

私は3年前から、「陰陽師」というスマホアプリに夢中である。妖怪を育成するゲームだ。 最近はこちらの活動が忙しくたまにしかログインしてないが、多いときは1日8時間くらいインしていた。30時間ぶっ通しでプレイし続ける猛者もいるので、私など大したことない。 なぜ「陰陽師」を始めたかといえば、妖怪が好きだからだ。 子供のころ、水木しげる先生の妖怪本が好きで、親にねだっていた。「こないだ妖怪の本買ったでしょ(怒)」「いや、こないだのは日本編で、これは世界編で全然違うから(懇願)」