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取材した奇談

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心霊的・不可思議現象以外の、珍しい話、奇妙な話、人が怖い話などで、かつ取材した話です。
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2020年5月の記事一覧

【人が怖い実話12】陸上競技の闇

陸上競技の関係者から聴いた裏話をまとめる。 〇 駅伝の強豪の私立高校は、全国各地の中学生を勧誘して入学させる。その場合は推薦入学となり、学費は完全免除、つまりタダである。 ある東日本の私立高校(駅伝以外も強い超有名高)のスカウトが、西日本の女子中学生(全国大会上位の常連)を勧誘すべく、本人・ご両親と交渉しに自宅に赴いた。 その際、交渉の材料として現金200万円を持参したそうだ。ちなみにこの勧誘は失敗し、その中学生は地元の公立高校に進学した。 〇 高校のスポーツ推薦入

【人が怖い実話11】傘を○本溜めた住人

以下の写真を見てほしい。 街でたまたま見かけた、消防法違反の公告である。 建物の屋外に火災の予防に危険なものや消防活動の支障をきたすものがある場合、消防署から整理または除去の命令がされるようだ。 写真の公告に記載されているのは、マンションの屋外階段に傘が1042本置いてあるから除去しろという命令だ。 集める(?)ほうも凄いが、数えた人も凄い。 「消防の活動に支障になる」ほどだから、おそらく階段の踏み板や踊り場に大量の傘が放置してあるのだろう。 壊れた傘だと余計

【人が怖い実話10】ヤクザを殺したカタギの男

1952年(昭和27年)、私の父方の祖父が47歳のときに体験した話。 その祖父は私が幼い頃に亡くなったため、ほとんど記憶にない。本エピソードは父親からの伝聞録となる。祖父は島根の田舎で酒屋を営んでおり、その地域では顔が広かったらしい。 ・・・ それは、夏祭りの日だった。 「かくまってごせ(かくまってくれ)」 知人の農家の男性Aさんが、青ざめた顔で祖父の酒屋に駆け込んできた。とりあえず祖父はAさんを店の奥の居住スペースに連れていき、事情を聴く。 当時、島根の東部には

【人が怖い実話9】元日本記録保持者の男

40代の男性A君から伺った話。 彼とは怪談収集目的で出会ったわけではなく、もともとの知人である。本話は、彼が酒の席で零したエピソードだ。 A君は公立高校時代にあるスポーツに打ち込んでおり、Xという男性教諭から指導を受けていた。 小柄だが色黒で精悍な面構えのX氏は当時30代で、その競技の元日本記録保持者だ。Wikipediaにも掲載されている。地元の高校生競技者にとっては神のような存在であった。 あるとき、遠征のためA君はX氏、別の高校の教諭Y氏と3人で遠方に移動したこ