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【人が怖い実話11】傘を○本溜めた住人

以下の写真を見てほしい。

街でたまたま見かけた、消防法違反の公告である。
建物の屋外に火災の予防に危険なものや消防活動の支障をきたすものがある場合、消防署から整理または除去の命令がされるようだ。

写真の公告に記載されているのは、マンションの屋外階段に傘が1042本置いてあるから除去しろという命令だ。

集める(?)ほうも凄いが、数えた人も凄い。

「消防の活動に支障になる」ほどだから、おそらく階段の踏み板や踊り場に大量の傘が放置してあるのだろう。
壊れた傘だと余計に嵩張るし、金属部がぐにゃりと曲がっていたり突き出てたりすると危険極まりない。
現場は傘の地獄絵図が想像される。


(余談だが、以前に私のマンションで火災(ボヤ)発生したことがある。そのときは大勢の消防隊員が非常階段を行き来し、そこにホース等の消防器具も設置していた。何もない非常階段でさえ、火災時は大混雑する。まして傘が千本も置いてある状態なら迅速な消防活動は困難であろう)


で、見に行ってみた
「屋外階段に傘が存置されている」ので、あわよくば敷地外からでも少し見えるのでは、と考えたためだ。
公告が出されてから約1年経過しているため、すでに傘は除去されているかもしれない。
それでもなお、この<傘物件>を見に行ってみたいという衝動をどうしても抑えられなかった。

結論から言えば、現地で屋外階段がよく分からず、残念ながら傘を確認することはできなかった。
その建物は周囲を高層ビルに囲まれており、正面からしか眺めることができない。おそらく死角の位置に屋外階段があるのだろう。

建物内に入って調べれば分かるかもしれないが、そこまではできない。

だが、傘の件がどうでもよくなるぐらい、建物の外観に圧倒されてしまった。
建物の上から3分の2くらいが緑色の葉にくまなく覆われており、何階建てかも判別が困難な状態である。おそらく4〜5階建だろう。

まるで、マンションの形をした『スーモ』(リクルート社不動産サイトのマスコットキャラクター)だ。

建築デザインとして葉を利用しているのではなく、蔓延っている、侵食されているような印象を受けた。

ちなみに、超都心の立地である。

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