私に一目惚れって冗談ですよね?5
母上から花嫁修業は一応終わりにしましょうと言われホッとしたエリーですが…
「明後日にミハイル王子が貴女に会いに来ますからね!
花嫁修業の成果を発揮しなさいよ?
この国で一番高貴で美しい王女に化けなさいよ?わかったわね?」
「はい!母上!立派に王女らしく振る舞いますよ?お任せ下さい!」
エリー大丈夫ですかね?
付け焼き刃の貴婦人ですから…
素が出ないようにしないとね。
ミハイル王子は気にしないかもしれないけど…
◇◇◇◇◇◇
ミハイル王子が来るのはお昼なのに…
エリザベスは早朝からお風呂に入れられ、全身磨かれた後…
マッサージを受け…
侍女達によって見違えるような美女に変身していた。
いつもと違うエリーを見て国王が思わず…
「エリーがこんなに綺麗になって…嫁にやりたくない…まだ婚約はさせたくない…」と号泣して、王妃に宥められていたらしい。
当のエリーは早くミハイル様に会って話して、お断りしてしまいたいんだけど…とミハイルに会う前から気持ちは決まっているようだ。
◇◇◇◇
「ミハイル様がお着きになりました!」
ミハイルは国王に挨拶をした後にエリザベスが待つ中庭にやってきた。
これから二人は、王妃自慢の薔薇が咲き乱れる美しい中庭でお茶を飲みながらお話をするのだ。
わぁ…緊張してきた…
何話せばいいのかしら?
エリザベスは珍しく緊張しているようだ。
「エリザベス様、お久しぶりです。私の事を覚えていらっしゃいますか?」
「ミハイル様ですよね?私達何処でお会いしたのでしょうか?」
「もうかなり昔で私もその頃と雰囲気も変わりましたので…分からなくても仕方ないです。幼少期にこちらの親族のところに預けられていたのです。ある日、森で迷子になって転んで怪我をしたのですが…その時に怪我を魔法で直してくれて森の外まで連れて帰ってくれたのがエリザベス様なのです」
「そうなんですか。私…毎日のように森で遊んでいたので、よく迷子を見つけていたので…一人ひとりを覚えていないのです」
「そうですか…
私にとっては忘れられない想い出であなたこそが初恋のヒトなのですよ。
あなたに再会するのを楽しみにしておりました」
「今日はガッカリなさったのでは?」
「そんなわけないです!私と結婚を前提におつきあいしてもらえませんか?ずっとあなたを探していたのです」
「ミハイル様…
私…今日は王女らしくしておりますが、普段は白衣に眼鏡で薬草を煎じてポーション作りをしているのですが…それでも結婚したいと思われますか?」
「私は…どんなあなたでも受け入れるつもりです。この言葉にウソはないと誓います」
「ミハイル様…後悔しませんか?」
「私はこれからあなたと共に生きていきたいのです!」
ミハイルの真剣な態度と心からの言葉にエリザベスはどう答えるのか…
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