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恋がしたくないわけじゃない 第5話 飲み会は全力で

「翔馬君の初めての契約達成に乾杯!

みんな、今日は無礼講よ。

アルコール付きのコースにしたから、ガンガン飲んでね。

メニューにない物は別料金だから、そこだけ気をつけて!

とりあえずここは、2時間で予約しているからみんなそのつもりでね!」

タベルナに移動した麻希達は、生ビールを注文し先ずは乾杯だ。

「プハァーッ。染みるわぁ。

仕事後の生ビールって何て美味しいのかしらね。

しかも、まだお昼よ…

ガンガン飲むわよ。

すいません!

生ビールをピッチャーでお願いします!!」

ビールが大好きな沙奈は、翔馬を口説くのをスッカリ忘れたように生ビールに夢中だ。

あっちゃー沙奈ちゃんたら、ビール飲んだらヒトが変わっちゃったわ…

いつもの可愛らしい沙奈ちゃんがいなくなったわね…

麻希は、ハウスワインの白を頼んで生牡蠣を楽しんでいる。

主役の翔馬は、チーフの拓海とアシスタントの花菜と盛り上がっているようだ。

沙奈は…同じくビール党の健太とローストビーフを奪い合いながら、ピッチャーのビールを注ぎ合っている。

沙奈は、翔馬君よりも健太の方が合いそうよね。

翔馬君には、おっとりした花菜の方がお似合いかも?

お気に入りの渡り蟹のクリームパスタを食べながら社員を観察する麻希。

いつもは男勝りでバリバリ仕事をこなしている麻希だが、恋バナ好きな乙女な1面もあるのだ。

これは…

2次会のお店を予約して、もうちょっとみんなの観察をしたいところだけどねぇ。

侑也さんと少しでも会いたいのよね。

どうしようかしら?

Jelly fishって何時から営業だったかしら?

麻希は、ゆっくりと白ワインを楽しみながらスマホでJelly fishを検索してみる。

ランチタイムからやっているのね。

侑也さんとカウンターで飲みながら、ボックス席で飲んでるみんなを観察するのもいいわよね!

「みんな飲んでる?

まだ飲み足りないんじゃない?

時間がある人達で2次会に行かない?

Jelly fishで飲み直す人はこの指とまれ!」

麻希の声に反応して1番先に、人差し指を掴んだのは…

主役の翔馬だ。

「Jelly fishって行った事なくて気になってたんです。

テーブルごとに水槽があって雰囲気あるお店って聞いてたんだけど…

男ひとりで行くには敷居が高い感じがしちゃって」

「あら?

そんなことないわよ、マスターも気さくだしカウンターでのんびり食事をして好きなお酒を頂くとすっごくパワーがみなぎるんだから!」

Jelly fishは、麻希の行きつけのダイニングバーなのだ。

翔馬以外のみんなも2次会に参加する気満々なので、麻希はマスターに電話で予約を入れた。

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