M-1グランプリによせて

「ことばは人を笑顔にできる」ことを強く感じられるから、私はお笑いが好きです。

特に、「会話」で場の笑いを掻っ攫う芸人さんが好き。漫才の極みだと思う。ことば選び、間のとり方、テンポ、すべてが揃って、聞いているだけで心地いい。すごい。尊敬してしまう。

フリップ芸も好き。ことばと絵が組み合わさって、会話のやりとりを聞いたときと異なる種類の笑い。ぱっと見てわかるのもいい。絵の味が、その人らしい面白さを生み出すのもいい。

シュールな笑いも好き(枕草子構文になってきた)。一体何を見ているんだ……?と、癖になって引き込まれてしまう感じ。ロジックなんて全くわからないのだけど、お腹がよじれるくらい笑ってしまうネタ。流れ星☆の「肘神様」とか、大好きだったなあ。友達とコピーまでしてました。

みんなの前では笑いを届けるエンターテイナーは、見えないところで悩み苦しみ葛藤し努力し、自分たちの笑いに命をかけている。好きなものをずっと好きでいること、好きなことで誰かを笑顔にすること、何かに命をかけて生きること。そういう人たちが生きていてくれることは、すごく、救いだと思う。自分もそうありたいから、あり続けたいから。

笑いは受取り手あってのものだから、努力が必ずしも報われるわけではない。売れたら売れたで、僻みや妬みを浴びなければならない。私たちには見せない傷もたくさんあるのだろう。それでも、たったひとりでも、その笑いで救われる人がいる、ありがとうと思う人がいる。だからどうかそのまま、これからも、あなただけの笑いを届けてほしい、私はひとりの人間として、それを受け取りたい。

各々いろいろな考えがあって、これから世の中がどうなっていくのか、わからないけれど。

みんな、好きなものを好きと言えて、大切なことを大切にできて、それを互いが尊重しあえる世界だったらいいなあ、と思いました。

ありがとう。お疲れさまでした。


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