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【Essay】紙一重だった分岐点の話(2011/04/04)

初回掲載:2011/04/04 改稿:2019/05/21

自分を大事にできない君に、私はなにができるだろう。
あの時、なにができただろう…… 通り過ぎた日々をいくら思っても、あの頃のあなたと私はもういない。

* * * * * * * * * * * *

言葉なんて要らない――

「上辺だけの台詞に何の意味があるの?」

もう誰も信じられない――

「信じるから裏切られて、利用されるの」

そう言った君に、私は「そうだね」って呟いただけ。

今は何を言っても無駄な気がして言葉を噤む。

必要なのは――時間。それはどれ程の量だろうか。

たくさん泣いて、少しだけ吹っ切れて……

何もかもを諦めて、投げやりになって自棄になる。

自分を大事にできない……

そんなあなたに、私はなにができるだろう。

言葉で気持ちを伝えても、空回りしそうだったから……

あなたをギュッと抱きしめる。

そうして少しだけ、ほんの少しだけでも穏やかになれたなら……

もう一度その心に、語りかけてもいいですか?

 *

今でも時おり思い出す。

白昼夢、あざやかに。

気持ちは目には見えなくて、表現の仕方は人それぞれで……

言葉が通じるからこそ、分かり合えないこともある。

傷付け合うことも多いけど。それでもね……

やっぱり、諦めないで……。人と人との繋がりを。

初めから切り捨てたりはしないで欲しいと思う。

変わらぬ愛なんて無いかもしれない。

永遠なんて約束は虚無かもしれない。

だけど僕は、君を思い続けると誓うよ。

もしも異性だったなら、もっと違うカタチで……

君の支えになれたのかなぁ?

人間って、とても不自由な生き物だよね。

あなたと私は紙一重の境遇だった。

だけど私は今、こちら側にいて……

あなたは未だ、あちら側にいて……

私に出来ることは何だろう?

私がすべきことって、なに?

思っているだけじゃ意味がないと知っているのに何もせず……

ただ「いつだって味方だよ」って呼びかけることしかできない。

遠く離れたあの土地で、あなたは今なにをしているのかな……

ごめんね、私だけ先に抜け出して……

ごめんね、ずっと隣にいられなくて。

そこは苦しいね。

そこは暗くて淋しいね。

抜け出そうと無我夢中になって、

焦れば焦るほど深みにハマってしまう……

知ってるよ。一度は通った道だもの。

苦しみ、浮き沈みを繰り返し、

溺れて、流されていた場所だから。

何度も壁にぶつかって、そのたびに壊れていった――

なにが光なんだろう?

なにが糸口なんだろう?

同情や憐れみ、抜け出した優越感がもたらしている感情なのか……

それすら今は、わからなくなってしまっている。

私とあなたは似てたけど、あなたと私は同じじゃない。

突き詰める度に浮き彫りにされる事実。

ほんの僅かな差。それがひどく残酷だと思った――


* * * * * * * * * * * *

あとがき

失われた日々に名前はつかないけれど、
たった一つ、宿れるものを誇れたら……
芽生えて育むうちに、輝けるのでしょうか。
どんな光と水が、命を生むのでしょうか……


ココロの吐き溜めな、掃き溜め倉庫(時代遅れなガラケー)サイトから……面倒でも諦めずにコツコツと引っ越した甲斐がありました!! と、言えるように頑張ります(´;ω;`)ウゥゥ