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書きかけの小説

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頭の中にぼんやりと浮かんでいるだけの状態で書いた習作や、書きたまっていない小説の保管箱。もし、これ続きが読みたい、というのがあればリクエスト下さい。善処(絶対に書くとは言えないと… もっと読む
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2020年9月の記事一覧

聖痕の守護者 第14話 飼いネズミ?

聖痕の守護者 第14話 飼いネズミ?

 ジャスティスとその従属部隊が襲撃された地点から、川の上流に向かって十キロメートルほど進んだ場所。そこが元々、ジャスティスが目指していた場所だ。沢山の木々が生い茂る山の中に忽然と現れる建造物。かなり古びた外観の建物がいくつも並んでいるその場所は、かつてこの一帯を支配地としていた山岳民族、ロマヌス人に蛮族と呼ばれている先住民が暮らしていた場所だ。
 ロマヌス人が大陸南部から中央に進出してきた頃に放棄

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聖痕の守護者 第13話 余計なお世話

聖痕の守護者 第13話 余計なお世話

 ジャスティスの新しい任務地はロムルス王国とアイネス王国の国境にある山岳地帯。大陸北部アネクメネの山岳地帯と比べてしまうと遙かにスケールは小さいが、それでもいくつもの山々が連なるその地は広大といえる場所だ。
 その深い山の中をジャスティスと従属部隊は進んでいるが、その行程は決して順調とは言えない。ロムルス王国とアイネス王国を隔てるその場所で、きちんと整備されている街道は一カ所のみ。当然、魔人が拠点

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聖痕の守護者 第12話 マルキアス王子の野心

聖痕の守護者 第12話 マルキアス王子の野心

 聖剣士ディオスの屋敷は聖光兵団の頂点に立つ守護戦士のそれに相応しい立派なものだ。三階建ての母屋は家族五人で暮らすにも十分過ぎるほどの大きさ。さらに仕える使用人たちの為の屋敷も母屋とは別に建てられている。
 それでも尚、余裕のある敷地。綺麗に整備された中庭には、四季それぞれに彩りを楽しめる植物が植えられており、その広大さは百人規模のパーティーを開くことも出来るほど。子供三人が鍛錬する場所としては広

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