恋愛小説 なぎさ 第4話

ボーッとした頭を抱えながら、オレは家を飛び出した。
守?
••オレに子どもなんて、いるわけないのに。
なんでそんなこと言うんだろ。
あの女は誰なんだろう?

バン!
急に大きな音がして、目の前が真っ暗になった。
何も聞こえない。
な、なんだ?

•••うっすら光が目の前にさす。
遠い記憶。

ああ、そうか。
これは夢なんだ。

夢の中で夢を見ていた。
なにがなんだかわからない、そんな感覚。

もう、どうにかなりそうだ。
そんなとき、声が聞こえた。
•••起きて。
起きて。早く起きて。

ううん••。
もう、仕事遅れるよ?凪。

おはようー。•••今何時?
もう7時だよ。
あ、やばい!今日は会議だったんだ。ごめん、ありがと!
もう•••あ、私今日遅番だから、何か食べといてね。
そうなんだ。大変だね、美咲。

•••美咲?

どうしたの?ボーッとして!もう、本当に遅れるよ!

あ、ああ。••そ、そうだね。起きるよ、美咲。

•••今、ぜんぶ思い出した。

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