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短歌五首「とある夏の暮れ」

かなかなと誰にむかつて啼いてるの
都会にそびえる一本の木で

煌々と居酒屋ともる裏路地を
異界のごとく遠目にみる子

公園のベンチ だれかが忘れてる
サッカーボール 夜風キックオフ

宵闇のせまる神社で子どもらの
声する影はひとつもなくて

電柱のかげ仆れてる道ぢうに
延びるチョークのこどもの世界

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