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短歌

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短歌作品のまとめ
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#文学

短歌二首「マスク」

思ひ出はたしかに笑ひ合つたのに君の笑顔は白紙のまんま 幾たびも笑へど笑へど伝はらず眼だけ…

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短歌一首「手帖」

仕事中些末なことも書き出して いつしか三日の日記も超えたよ https://twitter.com/moon_gras

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短歌一首「冬されば」

令和四年十二月一日  昨日より降り始めた雪は、音もなく降り積む。ついこの間まで夜の伴とし…

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短歌一首「冬や来ませる」

令和四年十一月二十九日  朝の日が昇るのもだいぶ遅れてくるようになった。家を出る時刻は変…

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短歌三首「秋も往にき」

秋の暮、冬のけはひを感ずる夜半に亡き人を偲びて詠める歌三首 吾が恋ふる峰も黄葉と照れ染ま…

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短歌連作「どうか笑つて」

愉しげに酒飲み笑つたあの時に君は隣で見てゐたのかな 最果てに死があることを知りながら道を…

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短歌七首「各駅停車」

さよならと言って電車にすべりこむ ホーム上にはまだ人がいて すすみゆく車輛のなかで吊り革の とき刻むのを左右目で追う 最前車のすみから奥を見つめてる 最後車の向こうみえたら死のうと 知っている人が途中で降りてゆく とうとうアンタも見てしまったのか ふと横の流れる夕陽みつけたら 涙がでたよまだ生きたいな 「降ります」と言わずにいったおまえはさ 一体いくらの切符を持ってた? 老人に席をゆずって立っていた 青年も降りる寂びたホームへ

短歌五首「とある夏の暮れ」

かなかなと誰にむかつて啼いてるの 都会にそびえる一本の木で 煌々と居酒屋ともる裏路地を …

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短歌連作「夏、濃く匂ふ」

白浪のやうに浮き立つ五月雲 児らの聲立つ夏や近づく 恋ふる人夢なら覚めね月影に 風と雲ゆけ…

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短歌連作「春を看取る」

万朶の芽いつ春来るとたづねては 耳朶に雪消の風や吹き抜く 別れ告ぐ花束さへも生花なり 時は…

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