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短歌

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短歌作品のまとめ
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#詩のようなもの

短歌一首「冬されば」

令和四年十二月一日  昨日より降り始めた雪は、音もなく降り積む。ついこの間まで夜の伴とし…

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短歌一首「冬や来ませる」

令和四年十一月二十九日  朝の日が昇るのもだいぶ遅れてくるようになった。家を出る時刻は変…

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短歌三首「冷え性の手」

何事もない空ばかり書き連らねけふも一条雲が綺麗だ 縁があればまた珈琲でも飲みませう丁度あ…

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短歌三首「秋も往にき」

秋の暮、冬のけはひを感ずる夜半に亡き人を偲びて詠める歌三首 吾が恋ふる峰も黄葉と照れ染ま…

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短歌連作三首「秋をふたぐ」

秋風がそろそろ冬を連れてきて 紅葉やひとつ道で果てるか 褪せてゆく紅葉思ひ出 止め処なく …

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短歌連作「どうか笑つて」

愉しげに酒飲み笑つたあの時に君は隣で見てゐたのかな 最果てに死があることを知りながら道を…

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短歌四首「名月を夜歩き」

黒々と色絶ゆる夜も中秋の 月の華咲く虫も涕す 月明り雲にすすきに降り積り 夜露か星か野にきらめきぬ 目の醒めた夜はひとりで道ばたの 転がる缶を立てて月見す からからと転がす缶の音だけが きらめく星をアテレコしてた

短歌連作「夏、濃く匂ふ」

白浪のやうに浮き立つ五月雲 児らの聲立つ夏や近づく 恋ふる人夢なら覚めね月影に 風と雲ゆけ…

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短歌連作「春を看取る」

万朶の芽いつ春来るとたづねては 耳朶に雪消の風や吹き抜く 別れ告ぐ花束さへも生花なり 時は…

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