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自由詩

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今まで書いた詩を雑にまとめています。
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#小説

「ちいさな国産み」

傘から雨水がたれて落ちる 電車のゆかに揺れ動く 水たまりは僕の世界 むかしふたりが国を産ん…

11

「秋夜」

秋の嵐は夏を殺した。 火照つた頬を冷やし 夏の残りを吹き消してゆく。 綿毛の失せたタンポポ…

4

「夏の宵道」

夏模様の浴衣が風にゆれてた 提灯の光に照らされて綺麗だ まるで消えることのない花火のやうで…

5

「悲しみはどこまで」

雨が降る来る 悲しみを越えられるか 側溝を流れる雨だつた水 我が悲しみを連れ去るか 燈火の…

3

「何事もない空」

ただ何事もなく 陽は小石に輝つてゐる ひとつの時代を映すやうに 晩方狂つた酒呑人に 蹴散ら…

6

「夏の終わりの雨」

窓を打つ雨に意識盗まれ ひび割れた水滴に視界は盗まれ 手だけは鍵盤のうえで遊んでいた そう…

10