行先をめぐる私たちの戦争
「米子行きの航空券が安い!!」
という一声で、米子ってどこかもよくわからないままチケットを取ることにした数ヶ月前。
「どうやら米子って鳥取らしい。」
「でもなんか、地図見るとほぼ島根だよ?」
なんて言いながら、楽しく旅行の計画を立てていた私たちだったが、
「ほぼ島根だし、出雲大社近いから行ってみたい!」
という彼と、
「せっかく鳥取に行くんだから、鳥取砂丘は見逃したくない!」
という私の間で、譲れない戦いが勃発。
なんせ、一泊二日しか日程が取れなかったのである。
実際、米子から砂丘までは車で2時間くらいかかる。
免許を持っていない私に対して彼は、「運転するのは俺じゃん。月々弓ちゃんは何にもしない。」なんてぶーたれちゃって、「何もしてなくない。私は休みが取りづらい〇〇のために、毎回旅行の時は私が有給休暇取って合わせてるんじゃん!もういいよ!砂丘行かなくて。」なんて私は不貞腐れた。挙句、「もう旅行やめよっか」「やだ!旅行は行く!」云々...
恥ずかしながらそんな醜い戦いをして、雰囲気は最悪。嫌〜なムードで彼は寝た。私は、喧嘩をしたり、嫌な雰囲気になったらちゃんと解決してから寝たいし、解決しないと眠れないタイプだけど、彼はとりあえず寝て頭をスッキリさせたいタイプで、朝起きるといつも通りのテンションにすっかり戻っている。(私は翌朝も引きずっているのが常)
そのまま数日間、旅行の話はあがらず、淡々とした日々を送っていたとき、突然彼がダイニングテーブルを挟んだ向かい側に座り、プレゼンを始めた。
「米子鬼太郎空港から鳥取県に入って、出雲大社に行って、米子近辺に戻ってきて一泊、翌日は鳥取砂丘に行って、鳥取砂丘コナン空港から帰る、ど?」
アニヲタカップル風欲張りルートを提示してくれた彼と、こうして私は無事に停戦協定を結んだ。
そのせいで、長時間の運転を強いられることとなってしまったあの日の敵よ。ありがとう。
今回の旅。車内でのカラオケ大会は2日間盛大に開催され、晴天にも恵まれ、今年の夏も良き思い出ができたことは言うまでもなし。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?