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出口の見えない夜、ループするイマジネーション。


絶望。幸せになれる気がしない未来。不満。溢れる夜。
闇夜に寝室を抜け出してキッチンに行き、包丁を胸に静かに突き刺す。絶対に実行できるはずのない自分の弱さを強く確信しながら、そんなイマジネーションを繰り返し繰り返し頭に浮かべてしまう。一晩に何度もループするそのイメージ。そんな夜は、自分は透明人間で、世界の誰からも見えていない、ちっぽけで、取るに足らない存在に思えてくる。いてもいなくても変わらないんじゃないかって。眠いのに眠れなくて、体力も精神力もすり減って、もっと苛立って、もっと消えたくなる。でも、やっぱり、それを現実にさせる勇気は毛頭ない自分がいることを確認して安堵もする。でもイライラする。私はこんなに苦しいのに、何も気づいていない鈍感力の権化は隣で寝息をたてている。自分で自分の機嫌を取れなくなっている自分を客観視して、腹が立つ。どうしていいかわからなくて、涙が出る。

翌朝、眠くて眠くて倒れそうなのに、完璧主義気味の私は、サボることを許さない。お弁当を作る。仕事に行く。仕事瞑想に入って邪念を飛ばす。イライラを束の間手放す。特にハッピーなわけでもないけれど、アンハッピーなわけでもない普通の私になる。またなんてことない日常が続く。そしてまた衝突する。苦しい。逃げたい。不安。夜な夜な脳内で自分の胸に包丁を突き刺す。自己嫌悪。繰り返す。繰り返す。繰り返す。繰り返す。



どうしていいかわからない私は、このイメージが無事に成仏されることを祈っている今をここに書き残す。

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