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インスタグラムに更新するたびに、たくさんのいいねと「憧れです」のコメントが届く部屋。 シ…
「真っ白なものは、汚したくなる」なんてよくある意味深げな言葉に頷いて、潜めた欲望を露わに…
浴槽の中で泳がせる指先。 小さな爪にちょんと乗せられた紅いペディキュアが金魚の背びれみた…
ぴったりと合わさらないそれが好きだった。 ぽってりとしたかわいいあの子の唇が私に被さると…
情緒のある夜に流される。 唐突にドラマチックに泣いてみたくなって座り込むフローリングの硬…
生温い風に少しだけ湿り気が出てきたら、一刻と夜が迫っている報せだ。 それでも初夏の夕時は…
あいつさ、今度彼女と結婚するらしいよ。 背が高くて面長ですっと切れ長の目をしていて、涼やかなブルーがよく似合う人だった。 その薄い唇にうっかりとわたしの口紅をつけてしまったらきっと厚みを増してその人は違う人になってしまう。 彼の指すその人の顔は3年ほど前の面影を残したまま脳裏に浮かぶ。 缶チューハイから滴り落ちる雫が太腿を冷たく濡らした。 わたしが揺れているのか、或いはわたしがこの世界を両脚で蹴っ飛ばして揺らしているのか。ブランコは昼間には子どもの玩具であるのに 夜になる
最初に物語を書き始めたのは、確か小学生の時だった。でも、何か表現したいことがあってとか…
作・朗読 「オルゴール」moon 音楽と声で語る物語。世界観。 朗読を始めたのはこの作品のため…
膝を擦りむくと誰かが大丈夫?と言ってくれる。 擦りむいた傷口から血が出てると誰かが慌てて…
わたしがコツコツと階段を降りる音にひとつ下の階段の誰かの声が含まれていることを知った。 …
今日は中秋の名月だ。 わたしの家では、毎年お月見の日にはベランダに台を用意して、ススキと…
月明かりが綺麗な夜、好きな人に「月が綺麗ですね」と微笑まれたら、きっと頬を染めてしまうだ…
甘くてふわふわな感性で、何かを書こうとしてみた。それなのに、甘さは脳でじんわりと広がって、いつのまにか苦みに変わってしまう。 わたしだけなの?。 真っ白でふわふわなクリームが降り積もった目の前のショートケーキ。 ケーキは芸術作品だというのは本当だ。 ひとつとして全く同じものは無くてそれぞれ個性をもっている。 それゆえに、可愛いを固めた鎧を纏って出来ているように見える反面、ひとひらの風がはらりと吹くなら、たちまち崩れてしまいそうな儚さを持ち合わせている。 いくら眺めていて