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なまえのない感情たち

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今までの小品たちを集めました。 ひっそりと読んでください
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ミニマム賞味期限

インスタグラムに更新するたびに、たくさんのいいねと「憧れです」のコメントが届く部屋。 シ…

moon
2年前
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「真っ白なものは、汚したくなる」なんてよくある意味深げな言葉に頷いて、潜めた欲望を露わに…

moon
3年前
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金魚

浴槽の中で泳がせる指先。 小さな爪にちょんと乗せられた紅いペディキュアが金魚の背びれみた…

moon
3年前
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揺らぎ

ぴったりと合わさらないそれが好きだった。 ぽってりとしたかわいいあの子の唇が私に被さると…

moon
3年前
41

渇き

情緒のある夜に流される。 唐突にドラマチックに泣いてみたくなって座り込むフローリングの硬…

moon
3年前
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慰む

生温い風に少しだけ湿り気が出てきたら、一刻と夜が迫っている報せだ。 それでも初夏の夕時は…

moon
4年前
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仮面

あいつさ、今度彼女と結婚するらしいよ。 背が高くて面長ですっと切れ長の目をしていて、涼やかなブルーがよく似合う人だった。 その薄い唇にうっかりとわたしの口紅をつけてしまったらきっと厚みを増してその人は違う人になってしまう。 彼の指すその人の顔は3年ほど前の面影を残したまま脳裏に浮かぶ。 缶チューハイから滴り落ちる雫が太腿を冷たく濡らした。 わたしが揺れているのか、或いはわたしがこの世界を両脚で蹴っ飛ばして揺らしているのか。ブランコは昼間には子どもの玩具であるのに 夜になる

名前のない感情を書く理由#わたしの執筆スタンス

最初に物語を書き始めたのは、確か小学生の時だった。でも、何か表現したいことがあってとか…

moon
4年前
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オルゴール

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作・朗読 「オルゴール」moon 音楽と声で語る物語。世界観。 朗読を始めたのはこの作品のため…

moon
4年前
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暗闇に溶ける

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作者・朗読 moon 「暗闇に溶ける」の世界観を音声で表現してみたくて、初めて朗読noteに挑戦…

moon
4年前
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海水を飲む

膝を擦りむくと誰かが大丈夫?と言ってくれる。 擦りむいた傷口から血が出てると誰かが慌てて…

moon
4年前
21

わたし多分好きだった。

わたし、多分好きだった。 気付くのはいつだって終わってからだ。 パッと目を引かれた綺麗な服…

moon
4年前
23

わたしがコツコツと階段を降りる音にひとつ下の階段の誰かの声が含まれていることを知った。 …

moon
4年前
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罪 #幸せをテーマに書いてみよう

ぼくは罪を犯しました。 今、きみが泣いているのはぼくのせいなのです。 かわいそうに。きみは不幸にも毎日涙を流して暮らしています。 幸せとは、何も知らないことだときみは言っていました。 何でも知りたい、どれだけでも欲しいという、欲望にまみれた周囲の人間を軽蔑しながら生きてきたぼくです。 恋なんて知らなければ、目が会うだけでぼくの体温をカッと上げるきみの一挙一動にぼくの心臓は揺れない。 愛なんて知らなければ、誰かの温もりに触れることなく毎日が過ぎていっても、ぼくは透明人間になっ