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PwC「次世代モビリティにおける勝者の条件 MaaS時代の王道とは」を読んで

PwC の作成した、MaaS に関するレポートを読みました!
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/automotive-insight/vol9.html

モビリティの今昔

モビリティの捉え方は変化しており、『都市計画』や『街づくり』を含む概念になってきています。

mobility とは
 ・動きやすさ。流動性。
 ・交通分野では、人が社会的活動のために空間的に移動する能力を指す。

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モビリティサービスのモデル(型)

MaaS は大きく、以下の3つのモデル(型)に分類できます。
それぞれについて、解決すべき課題や目的が異なります。

なお、以前記事に書いた、フィンランドの「Whim」は、都市型MaaS です。

MaaS のモデル(型)
 ・都市型
 ・観光型
 ・地方型(Rural MaaS)

モビリティサービスのキーメカニズム

MaaS の実現には、多くのステークホルダーの協力が必要です。MaaS のメカニズムを成り立たせるために、以下のようなメカニズムが必要となります。

MaaS 実現のキーメカニズム
 ・所有データの共有
   顧客データ(氏名、運転免許証、クレジットカード情報、GPS 情報)
   移動データ(出発地、到着地、移動手段、移動時間、支払い料金)
 ・API の公開
   時刻表や運行経路の提供機能
   予約や決済の機能
 ・ダイナミックプライシング(稼働率向上、収入増加につながる)
 ・新たな与信の仕組み(信用証明による利用者増加につながる)

価値の源泉の変化

価値の源泉は、移動そのもの(移動時間の短縮など)に加え、移動中の体験(移動の快適化、観光列車など)があります。加えて現在、移動後の「コト」を重視するようにシフトしています。

そのため、移動手段そのものの付加価値を向上させるだけでなく、周辺サービスの価値を向上するためにモビリティを活用する(快適な観光を実現するためにシームレスな移動を提供するなど)という発想の転換が求められます。

不動産業界における、鉄道会社が進める地方創生と、不動産の価値向上
 ・シームレスな移動サービスにより、郊外への移住が進む
 ・渋滞や排気ガスなどの環境問題の解決により、地価が上昇する

価値の源泉の変化に対応するためには、人々のライフスタイル・デザインを描き、実現することが重要となります。

ライフスタイル・デザインを描き実現することの狙い
 × 購買効率の最大化
 ○ なにに対価を払っているのかを意識させず、あらゆるサービスをシームレスに提供すること≒「選ばせないこと」

次世代モビリティに対する取り組みの方向性

本レポートにて、「エコシステム(生態系)」という単語が多々、見受けられます。次世代モビリティの取り組みにおいては、一人で戦うのではなく、有機的に仲間づくりをしていくこと、迅速に意思決定を行うことが重要となります。

国内プレーヤーには、本質を見極め、生業を定義し、従来の強みが生かせる間に、次世代のエコシステム形成に関与、主導する姿勢が求められる。

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