22「詩」春の音
春の花を摘んで束ねてみる。一本の花の茎が伸び細い線になって 空に届く。
花弁に耳を当てる と聞こえてくる音がある。
小さかった頃 泥んこになって遊び疲れた夕方 私を迎えにくる あの時のお母さんの声のような
生まれ落ちた時から平等ではないのだ と気づいた時 ラジオから流れてきた横笛のような
自分が嫌いで 自分から逃げ出したくなった時に
届いた 一通の友からの手紙のような
一晩中泣き明かした時 いつもと変わらない夜明けが すべての人にやってくることを 知ったような
懐かしい音が聞こえてくる
※※※
平日の朝、仕事に行く家族を見送った後朝食の片付けをしながらNHK FMラジオ番組「古楽の楽しみ」を聴くのが日課です。
今日は5月の曲を特集。
5月生まれの私は美しい楽曲に祝福されたような気持ちになりました。
産んでくれた母や育ててくれた家族、出会ってくれた人たちに感謝でいっぱいになります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?