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28「詩」春の風

何も書いてない一枚の紙片が
春の風に飛んでいきました
大切な言葉を
伝えるために用意した紙片だったのです
私のなかで
伝えたかった言葉が置き去りにされています

ひとりぼっちになった言葉が
バランスを崩したまま
取り残されています

そんなことは知るよしもなく
春の風は
楽しそうに鼻歌歌って
満面の笑みで
一気に暖かくなった野原を
ふわりと踊るように吹いていくのです

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