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97「詩」待つ

言葉が
降りてこない
重い雲が頭上を取り巻いて
頭の中に入り込んできてるので
思いが厳重に囲われてしまって
言葉まで辿り着けないでいる

声が
出せない
喉の奥深くもやもやした
納得のいかないものが張り付いているのに
声帯を固く縛り付けてしまう
モノがある

もがいた先に
何もないかもしれない

不安ばかりが部屋の中に溢れ出す

それでも
もがいた先に
一輪の花が咲いているかもしれない

溢れ出した不安を掻き分けて
不安が流れ出す火口のような
でも
ドス黒い吹き出し口を見つけようとする

歯磨きのチューブを踏みつけたように
ねっとり
生暖かい不安が火口からどんどん溢れ出す

もしかしたら本当に
もがいた先に
一輪の花は
咲いているのかもしれない

伝えるすべを失くしたまま

それでも
降りてくる言葉を待ち続ける
それでも
喉のほんの小さな隙間から声がでるのを

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