「癌」に執着しているのは自分だけ

正直なところ「再発」「転移」というワードは常に頭の中に住んでいて、体のどこかが痛いと、いちいち「あっ、遠隔転移か?」「再発か?」とあれこれ思ってしまう自分にいい加減、嫌気が差してきた今日このごろ。

そんなこんなで本日9月30日は、術後2年目という自分にとっては大切な記念日なのだ。
別に誰かから祝ってもらえるわけでもなく、家族は私が2年前の今日、手術をしたことさえ忘れているので祝福をされることはない。
※ 家族は自分の母と夫。私は現在、子なし専業主婦。

むしろ頭が痛いとか首や肋骨が痛いとか、ベージニオの副作用で大下痢食らっていても
「またまた大袈裟な。病人ぶっちゃって…」
という感じだ。
母と夫には何度かこんな薬を飲んでいると説明したことはあるが興味ないようで、ベージニオという薬の存在も知らないし、10年間のホルモン治療ということも恐らくわかっていない。
半年ごとに腹に注射を打つとか言っても「へぇ~」で終わるし、この2人にわざわざ説明しても無駄だ。

肺に影があって、ベージニオが原因かもで…、主治医から電話があって…、と母に説明したが特別心配もされず、根本的に興味なし。

これまで、後期高齢者の母に自分の乳がんについて理解してもらおうとしていた私がバカだった。
四十代後半の娘が年老いた親にものごとを相談するということは不可能で、もっと大人にならなければならないと自覚する。

高額な治療費を支払ってくれている夫には一応治療内容を伝えようと定期的に説明はするが、毎回きちんと聞いてはくれるけど右から左へ抜けてるようで私がどんな薬を飲んでるかはわかっていない。
乳がん治療中の方のブログをあちこち拝見してると、自らネットか何かで奥さんの乳がんについて調べ理解しようとする旦那さんが世の中にはいるようだが、それは素晴らしいことだなと実感する。
もしかしたらそんなのは非常に稀な旦那さんかもだけど。

術後2年目という区切りの良い今日からは、乳がんについて家族に話すことは一切やめようと誓う。
ステージ4の一歩手前状態だったので、今後再発や転移の確率も高いだろうけど、もしそうなっても家族に言うつもりはない。

ただ、誰も相談相手がいない私はそうなった時、どこまで精神的に耐えられるかが疑問なのでこのnoteには書くつもりだ。
noteを始めたのは情報収集が目的ではあるが、精神的なよりどころを求めたというのもある。

しかし客観的に見ると「私は癌罹患者だ。」といつまでも執着しているのはもしかしたら自分だけかもしれない。
家族はもちろん、世間一般からも「もう主な治療は終わっただろう、普通の人と同じだよ。いつまでも甘えるな、大袈裟な…」という感じだろう。
世の中にはもっと大変な人がたくさんいる。
自分は恵まれていると感謝せねばならないのかもしれない。

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