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【過去問解説】第28回柔道整復師国家試験問題(午前)徹底解説

【2021/08/07 更新】このアカウントは柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・言語聴覚士などの国家試験対策の覚え方のコツ・ノウハウ・ゴロ合わせなどをお伝えしています。

【有料記事】
 ⏩ 柔道整復師 第28回国家試験問題(午前)
 についてを徹底解説

1年かけて、コツコツと解説してきた過去問の解説をまとめています。
1問1問を徹底的に本当に徹底的に解説しているので、派生問題が出てきてもかなりわかると思います。

またこれは柔道整復師の過去問ですが、鍼灸師・あん摩マッサージ師学生やその他医療従事者を目指す学生の方であれば参考になる問題も多く含まれていますので読んで損はしません。

このノートは国家試験 【午前の範囲】までをまとめています。
ただスマホでざーっと読んでいても頭には残りにくいので、ぜひ別途メモ帳に回答を書きながら、読み進めてみてください。

※問題文の画像は割愛しています。
 解説には掲載しています。

【Back Number】
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 ▶第28回柔道整復師国家試験問題(午後)徹底解説
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 ▶第30回柔道整復師国家試験問題(午前)徹底解説
 ▶第30回柔道整復師国家試験問題(午後)徹底解説

問題文の全文は公式サイトからご確認ください。
参考:https://www.zaijusei.com/doc/2020_28_gozen.pdf



第28回 柔道整復師国家試験問題(午前)

問題 1 自他共栄で正しいのはどれか。
1.特定の人の利益になるように働くこと。
2.他人を助けるにはまず自分が幸福になること。
3.自己の勢力が及ぶ限り大いなる効力を他に顕すこと。
4.多数の人と話し合い助け合いながら共同の目的を達成すること。

問題 2 柔道の礼法で正しいのはどれか。
1.立礼は上体を約60度曲げる。
2.礼の時間は一呼吸である。
3.座礼は臀部を踵から離す
4.正座から立つときは左足からたつ。

問題 3 典型的鎖骨骨折でみられないのはどれか。
1.屈曲転位
2.延長転位
3.側方転位
4.短縮転位

問題 4 典型的鎖骨骨折で誤っているのはどれか。
1.セイヤー絆創膏固定
2.ハンギングキャスト固定
3.8字帯固定
4.T字状副子固定

問題 5 上腕骨外科頚外転型骨折の後でよくみられるのははどれか。
1.骨化性筋炎
2.ズデック骨萎縮
3.関節拘縮
4.阻血性壊死

続きの問題文に関しては、公式サイトよりご確認ください。

引用元:https://www.zaijusei.com/doc/2020_28_gozen.pdf


問題1解説

問題 1 自他共栄で正しいのはどれか。
1.特定の人の利益になるように働くこと。
2.他人を助けるにはまず自分が幸福になること。
3.自己の勢力が及ぶ限り大いなる効力を他に顕すこと。
4.多数の人と話し合い助け合いながら共同の目的を達成すること。
答え:4

【解説】私が受験生の頃にはでたことのない問題です。柔道に関する項目

【自他共栄とは】
 ▶嘉納治五郎による言葉
 ▶互いに信頼・助け合うこと

 そういった精神を柔道で養い、自他ともに栄える世の中を作ろうという考えのこと。

このとき大切なポイントは自分も他人もどちらも犠牲にしないというところです。

選択肢では、1は一部の他人だけの利益になるということから誤りですし、2番もまず自分が…となっているので誤りです。
3番なんて自分中心で…という考えなのでもっとも離れています。

互いに信頼し、助け合うことができれば、自分も世の中の人も共に栄えることができます。そうした精神を柔道で養い、自他共に栄える世の中を作る

自他共栄とともに掲げられている言葉があります。
精力善用という言葉も軽く押さえておきましょう。

【精力善用とは】
 ▶「自他共栄」と共に嘉納治五郎が創始した講道館柔道の指針
 ▶力で相手をねじ伏せたり・威圧したことに使わない
 ▶世の中の役に立つことのために能力を使う。


「精力善用」とは、その力を使って相手をねじ伏せたり、威圧したりすることに使わず、世の中の役に立つことのために能力を使いなさいということを表しています。


問題2解説

問題 2 柔道の礼法で正しいのはどれか。
1.立礼は上体を約60度曲げる。
2.礼の時間は一呼吸である。
3.座礼は臀部を踵から離す
4.正座から立つときは左足からたつ。
答え:2

【解説】3年間柔道をやってきたかと思います。
卒業実技でも礼法は細かく指導されてきたのではないでしょうか。
ですが、文字にして出題されると本当にこれかな…と不安になりますね。

【立礼のルール】
 ▶気をつけの姿勢を取る
 ▶踵はつける・足先は約60度・正面を直視する・指は揃える
 ▶上体を静かに約30度曲げる
 ▶両手の指先が膝頭の上握りこぶし約一握りくらいのところまで滑り下ろす
 ▶約1呼吸(約4秒)で上体を起こし、元の姿勢へ

この段階で気づいたと思いますが、足先は約60度に開き、上体は約30度に曲げます。ここを逆にして出題しています。
実際60度折り曲げると少しやりすぎですよね。
座礼のほうが細かいので分割して覚えていきます。

【座礼のルール:ステップ①正座】
 ▶直立の姿勢から左足を約1足長半引く。
 ▶身体は垂直を保ったまま
 ▶左膝を左足先があった位置に下ろす。
 ▶両膝の間隔は大体握りこぶし2握りとする。
 ▶両膝のつ先を伸ばし、両側の親指と親指を重ねる
 ▶ここでようやく臀部を下ろす

数字はおさえておきましょう。柔道の時間適当にやっていたら間違えて覚えるかもしれません…握りこぶし2握りです。

【座礼のルール:ステップ②座礼】
 ▶両肘を開くことなく、両手を両膝の前で握りこぶし2握りのところに置く
 ▶人差し指と人差し指の間が6cmの間隔で自然に向き合う
 ▶前額が両手の上、約30cmの距離に至るまで上体を静かに曲げる
 ▶動作後、上体を起こしもとの正座に戻る

選択肢のような踵についての言及ありません。
また何秒で戻るという言及もありません。
数値が出てきたのでおさえておきましょう。6cmと30cmですね

【座礼のルール:ステップ③立ち上がり】
 ▶両足先を立てる
 ▶右膝を立て、右足を右膝頭があった位置にすすめる。
 ▶体重を右足に移す
 ▶立ち上がり左足を右足に揃え、直立の姿勢になる。 

「左坐右起」というふうに覚えたら良いらしいですが、この言葉を覚えているなら間違えないだろ!って思います。

一説によると刀の鞘が当たらないようにとかなんとかだったと思います(ちょう曖昧)

もっと簡単に覚えるなら右足が利き足の人が多いので重心が乗りやすいように右足に体重をかけて起きるとおぼえてもいいですね。


問題3解説

問題 3 典型的鎖骨骨折でみられないのはどれか。
1.屈曲転位
2.延長転位
3.側方転位
4.短縮転位
答え:2

【解説】

典型的な鎖骨骨折は、近位骨片は胸鎖乳突筋の作用によって上方・やや後方転位を起こします。(側方転位・屈曲転位)
遠位骨片は上肢の重みで下垂・大小胸筋によって短縮転位します。
ということで延長転位は起こさないため選択肢2が正解です。


問題4解説

問題 4 典型的鎖骨骨折で誤っているのはどれか。
1.セイヤー絆創膏固定
2.ハンギングキャスト固定
3.8字帯固定
4.T字状副子固定
答え:2

【解説】鎖骨骨折の固定法は全て丸暗記でお願いします。

先程と同様の鎖骨骨折の問題です。
鎖骨骨折は肩甲骨の固定が困難なため、多くの固定法が考案されています。

【鎖骨骨折時の固定法】
 ▶8字帯固定法
 ▶デゾー包帯固定法
 ▶セイヤー固定法
 ▶厚紙副子固定法
 ▶T字状木製板固定法
 ▶バンド固定法
 ▶ギプス固定法
 ▶リング固定法

【鎖骨骨折固定法のゴロ合わせ】
 八時でっせ!厚切りパンティー

 八時(8字帯固定法)で(デゾー包帯固定法)っせ(セイヤー固定法)!厚(厚紙副子固定法)切(ギプス固定法)り(リング固定法)パン(バンド固定法)ティー(T字状木製板固定法)

【解剖学】鎖骨について

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【鎖骨と関節と靭帯】
 ▶鎖骨と胸骨を結ぶ胸鎖関節。
 ▶鎖骨と肩峰を結ぶ肩鎖関節。
 ▶鎖骨と烏口突起とを結ぶ烏口鎖骨靭帯。

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烏口鎖骨靭帯は菱形靭帯と円錐靭帯の2つで結ばれています。

2本あることがのちのち重要になっていきます。
今は2つに分かれているんだなー程度でOKです。

ちなみに烏口突起・肩峰を結ぶ烏口肩峰靭帯というものがありますが、これは鎖骨にはくっついていないので、鎖骨骨折には影響しません。
※ここも重要なところです。

【鎖骨骨折について】
鎖骨骨折の発生頻度は高く、その多くは介達外力による。

【鎖骨骨折の特徴】
 ▶発生頻度が高い
 ▶介達外力が多い
 ▶小児の場合は不全骨折が多い
 ▶少年期までは自家矯正で改善されやすい
 ▶成人・高齢者は転位が高度となる。

小児が不全骨折が多いのは、鎖骨に限らずどの骨でも同じです。
自家矯正に対しても同じです。

小児の骨の特徴については下記にまとめています。

【鎖骨骨折の発生機序】
 ▶転倒して肩部をついた場合(最多)
 ▶肩関節外転位・肘関節伸展位で手掌をついた場合




問題 5解説

問題 5 上腕骨外科頚外転型骨折の後でよくみられるのははどれか。
1.骨化性筋炎
2.ズデック骨萎縮
3.関節拘縮
4.阻血性壊死
答え:3

【解説】上腕骨外科頚外転型骨折の合併症・続発症・後遺症は以下の通りです。

【上腕骨外科頚骨折の合併・続発・後遺】
 ▶肩関節脱臼
 ▶血管損傷:腋窩動脈
 ▶神経損傷:腋窩神経
 ▶機能障害:関節拘縮

とくに想像した通りの合併症しか現れません。
ちなみに腋窩神経が損傷したら、三角筋の動作と三角筋付近の感覚異常の両方が現れます。


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