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【経絡経穴】手の太陰肺経(LU1-LU11)

【2022/01/17 更新】このアカウントは鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・言語聴覚士などの国家試験対策の覚え方のコツ・ノウハウ・ゴロ合わせなどをお伝えしています。

【経絡経穴概論】
 ⏩ 手の太陰肺経  について

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手の太陰肺経 → 手の陽明大腸経


【経絡経穴】手の太陰肺経一覧

【手の太陰肺経】
 ▶中 府ちゅうふ
 ▶雲 門うんもん
 ▶天 府てんぷ
 ▶俠 白きょうはく
 ▶尺 沢しゃくたく
 ▶孔 最こうさい
 ▶列 欠れっけつ
 ▶経 渠けいきょ
 ▶太 淵たいえん
 ▶魚 際ぎょさい
 ▶少 商しょうしょう


【経絡経穴】手の太陰肺経の流注

【手の太陰肺経の流注】
 手の太陰肺経は、「中焦」に起こり、下って大腸を絡い、かえりて噴門部をめぐり横隔膜を買いて「肺」に属する。
 肺から気管、喉頭をめぐって腋下に出て、上腕前外側. 肘窩「尺沢」、前腕前外側、手関節前面横紋外端の橈骨動脈拍動部「太淵」母指球外側を経て、母指外側端に終わる。
 前腕下部「列欠」より分かれた支脈が、示指外側端に至り、手の陽明大腸経につながる。


【手の太陰肺経】中府 LU1

中府の概要

中府(ちゅうふ)【要穴:肺の募穴】
取穴部位:前胸部 第1肋間と同じ高さ 鎖骨下窩の外側
 前正中線の外方6寸
筋肉:大胸筋・小胸筋
神経:内側外側胸筋神経・鎖骨上神経
血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈

雲門の下方1寸。鎖骨下窩に位置しているため中府は気胸のリスクは高くない。

第1肋骨 前正中線の外方6寸ということで肋骨上にあるため、横並びも覚える必要があります。

【第1肋間にある経穴一覧】
 ▶華 蓋かがい:任脈
 ▶彧 中いくちゅう:足の少陰腎経  前正中線から外方2寸
 ▶庫 房こぼう:足の陽明胃経  前正中線から外方4寸
 ▶中 府ちゅうふ:手の太陰肺経  雲門の下方1寸(外方6寸)

鎖骨下窩は別名、鎖骨胸筋三角と言われていて、三角筋と大胸筋と鎖骨の間できたくぼみを指します。


【手の太陰肺経】雲門 LU2

雲門の概要

雲門 (うんもん)【要穴:ー】
取穴部位:前胸部 鎖骨下窩の陥凹部 烏口突起の内方
 前正中線の外方6寸
筋肉:
神経:鎖骨上神経
血管:胸肩峰動脈・外側胸動脈
※深部に腋窩動脈が通る

国家試験にはあまり出てこないですが、雲門は烏口突起の触診でよく使います。

ご自身の鎖骨からたどり、烏口突起を見つける練習をしておくと、触診のときに役に立ちます。
マッチョとぽっちゃりの方は見つけるのが難しいので、注意しておきましょう。


【手の太陰肺経】天府 LU3

天府の概要

天府 (てんぷ)【要穴:ー】
取穴部位:上腕前外側 上腕二頭筋外側縁
 腋窩横紋前端の下方3寸
筋肉:上腕二頭筋・上腕筋
神経:筋皮神経(上外側上腕皮神経)
血管:上腕動脈の枝

腋窩横紋から膝窩横紋までが9寸あります。
3等分して、上から1つ目が天府です。

「府」というのは集まるという意味で、肺の気が集まる場所とも考えられます。


【手の太陰肺経】侠白 LU4

侠白の概要

侠白 (きょうはく)【要穴:ー】
取穴部位:上腕前外側 上腕二頭筋外側縁
 腋窩横紋前端の下方4寸
筋肉:上腕二頭筋・上腕筋
神経:筋皮神経(上外側上腕皮神経)
血管:上腕動脈の枝

イラストにも書きましたが、侠白の「侠」ははさむという意味。
そして「白」は五行色体表で「肺」と同じ属性です。
なので肺を挟む経穴という意味を持っています。
人によってはこの侠白、ワキを締めた状態で乳頭部と同じ高さになるとかならないとか…言われています。


【手の太陰肺経】尺沢 LU5

尺沢の概要

尺沢 (しゃくたく)【要穴:肺経の合水穴】
取穴部位:肘前部 肘窩横紋上 上腕二頭筋腱外方の陥凹部
筋肉:上腕二頭筋(腱)・上腕筋
神経:筋皮神経(外側前腕皮神経)
血管:橈側反回動脈(橈骨動脈の枝)

尺沢という名前から、尺骨側にあるのではと考えてしまいがちですが、解剖学的肢位では橈骨側です。

また、肘の肘窩横紋の横並びも覚えておきましょう。
尺沢と同じ並びは尺沢・曲池・曲沢。似たような名前で間違えやすいので注意。


【手の太陰肺経】孔最 LU6

孔最の概要

 孔最 (こうさい)【要穴:肺経の郄穴】
取穴部位:前腕前外側 尺沢と太淵を結ぶ線上 手関節掌側横紋の上方7寸
筋肉:腕橈骨筋・円回内筋
神経:橈骨神経・正中神経(外側前腕皮神経)
血管:橈骨動脈

孔最は、太淵と尺沢の間、半分よりも1寸上にとります。
太淵(手関節横紋)と尺沢(肘窩横紋)までは12寸ですので、半分で6寸。
1寸上で7寸です。

【肘窩~手関節横紋】
 12寸

腕撓骨筋は橈骨神経・円回内筋は正中神経支配ですので、孔最にある筋肉の支配神経は?と聞かれたらこの2つが正解になります。



【手の太陰肺経】列欠 LU7

列欠の概要

 列欠 (れっけつ)【要穴:肺経の絡穴・四総穴・八脈交会穴】
取穴部位:前腕橈側 長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間
 手関節掌側横紋の上方1寸5分
筋肉:腕橈骨筋(腱)長母指外転筋(腱)・短母指伸筋(腱)
神経:橈骨神経(外側前腕皮神経)
血管:橈骨動脈

列欠は絡穴・四総穴・八脈交会穴の3つの要穴を持っていて、臨床的にもとても大事な経穴です。

列欠の取穴方法について復習しておきましょう。

【列欠の取穴方法】
 ▶太淵から1.5寸上を目印にする
 ▶母指を外転・伸展させる
 ※長母指外転筋と短母指伸筋を緊張させる。
 ▶上でできた溝が列欠



【手の太陰肺経】経渠 LU8

経渠の概要

経渠 (けいきょ)【要穴:肺経の経金穴】
取穴部位:前腕前外側 橈骨下端の橈側で外側に最も突出した部位と橈骨動脈の間 手関節掌側横紋の上方1寸
筋肉:腕橈骨筋(腱)・長母指外転筋(腱)
神経:橈骨神経(外側前腕皮神経)
血管:橈骨動脈

橈骨下端の外側で最も高くなっている所…それって「橈骨茎状突起」じゃないかって思うじゃないですか?

実は、橈骨茎状突起というのは舟状骨の手前にある部分を刺すため適切な表現ではありません。

橈骨茎状突起と舟状骨の間は「太淵」です。

経渠の「渠」っていうのは溝っていう意味を表します。
何が溝かって言うと、橈骨と撓側手根屈筋の間の溝、そしてそこに流れる撓骨動脈からきています。

経渠の「経」はもうわかりますが、経金穴の「経」です。



【手の太陰肺経】太淵 LU9

太淵の概要

太淵(たいえん)【要穴:肺の原穴・肺経の兪土穴・八会穴の脈会】
取穴部位:手関節前外側 橈骨茎状突起と舟状骨の間
 長母指外転筋腱の尺側陥凹部
筋肉:腕橈骨筋(腱)・長母指外転筋(腱)
神経:(外側前腕皮神経)
血管:橈骨動脈

脈診でも使われている撓骨動脈拍動部上にある太淵という経穴はたびたび出てくるのですぐに覚えられるかと思います。

また手関節横紋上に並ぶ経穴についても覚えておきましょう。
手関節掌側横紋:太淵・大陵・神門

ゴロ合わせ:だいたい神

同時に太淵は八会穴の1つです。
一気に覚えるのが大変な方はこちらは後回しで大丈夫です。


【手の太陰肺経】魚際 LU10

魚際の概要

魚際(ぎょさい)【要穴:肺の滎火穴】
取穴部位:手掌 第1中手骨中点の橈側 赤白内際
筋肉:短母指外転筋 母指対立筋
神経:正中神経(橈骨神経浅枝)
血管:母指主動脈の枝

母指球部が魚の腹(際)に似ているという強引な名称のつけられ方。

そして赤白肉際せきはくにくさいは手の背面と表面の間。
具体的な位置は人によって異なります。


【手の太陰肺経】少商 LU11

少商の概要

少商(しょうしょう)【要穴:肺経の井木穴】
取穴部位:母指末節骨橈側爪甲角の近位外方1分
筋肉:
神経:(橈骨神経浅枝)
血管:母指橈側動脈・母指主動脈の枝

母指の爪のキワキワが少商です。
外方と書いてあると、どっちかわかりにくですよね。
解剖学的に外方なので撓側になります。



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