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【はじめての東洋医学】読んで聞いて覚える「三焦(上焦・中焦・下焦)」の考え方

【2023/07/07 更新】このアカウントは鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・言語聴覚士などの国家試験対策の覚え方のコツ・ノウハウ・ゴロ合わせなどをお伝えしています。

【東洋医学概論】鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師
 ⏩ 三焦について

三焦って発音的にさん⤴しょう⤵だと思うんですが、ついついさん→しょう→って言う発音をしてしまいます。

うなぎにかけるアレの発音ですね。
あの山椒ってうなぎ意外に何に使うんですかね。

ということで今日は三焦について説明をしていきます。

例えば、東洋医学でいう肝って西洋医学の肝臓とほぼ同じなので理解しやすいですが、三焦って物理的なものではなく無形です。

気も形がないので、形がないものが形がないものを通る。
全力でイマジネーションしていきましょう。


【東洋医学概論】三焦とは?

三焦の概念は2つある。ひとつは気と津液の通路としての三焦で、もうひとつ は身体を上焦・中焦・下焦に分けてとらえる三焦である。

【三焦の概念】
 ▶気と津液の通路
 ▶上焦・中焦・下焦に分けてとらえる三焦

まずこの形のない三焦は気が移動する道筋です。
(津液も移動しています。)

もうひとつは体を3分割して考えるときに用いられる三焦です。

似ているようでぜんぜん違うので勘違いしないようにしておきましょう。


【三焦の働き】気と津液の通路としての三焦

組織・器官以外の間隙すべてが三焦であると認識されており、「名あって形なし」といわれる。

簡単な問題だとこの「名あって形なし」と呼ばれるのはどれか。とかいう問題も作れます。

三焦の役割は、気と津液の通路として、それらを正常に流通させることにあります。

気の移動を「気機」と言いました。
この「気機」には特徴的な動き方がありました。

「昇降出入(しょうこうしゅつにゅう)」ですね。

そして人体を動かす根本的な気を元気(原気)といいます。
これは腎から生み出され、三焦を通って全身に広がります。


三焦の生理作用について

気の通路となり、 諸気を主宰し、気化や気機に関与する

これも先程と同様「諸気を主宰する(しょきをしゅさいする)」のはどれか。という問題が作れますね。

どういう意味かというと五臓にはそれぞれ働きがあり、「肝の疏泄」「肺の宣発・粛降」という働きをもっています。
それらの働きを三焦が調整するため主宰している。

あれですよ。闇の組織のトップって姿があるようで絶対正体を明かさないじゃないですか?あんな感じです。

三焦という言葉はあるのに、姿は見えず、裏で肝や肺を操っているわけですよ(違う)


津液の通路となり、その流通と排泄に関与する

津液の流通と排池は、肺·脾・腎・胃・小腸・大腸・膀胱など多くの 臓腑の共同作用により三焦を通路としておこなわれています。

各臓腑をつなげて水の受け渡しをしているって感じですね。

めちゃめちゃイメージしやすいのは、西洋医学で腎臓でろ過された原尿を尿管を通って膀胱に行き、尿道を取って排出する。

この時の尿管とか尿道がイメージしやすいですね。
ただし、三焦は裏ボスなので姿は見えません。

まあ、あとは細胞内液や細胞外液、間質液・リンパみたいなところもよく似ているかなと思います。


三焦の気化作用について

水穀の精微から化生する津液は三焦を通り、腎の原気の作用をうけると汗に変化します。

これを衛気の作用で体外に排出していきます。

このように三焦によって津液が汗などの違う生理物質に変わる(化生する)過程のこと「三焦の気化作用」と言います。


【三焦】体を3つに分ける上焦・中焦・下焦について

上焦・中焦・下焦に分けてとらえる三焦は、臓腑を部位別にとらえた概念である

三焦は3つにわれています。

【三焦】
 ▶上焦
 ▶中焦
 ▶下焦

西洋医学なら、ここからここまでなになにって名前が決まっていますが、東洋医学では必ずしも明確な境界線があるわけではありません。

少し話はズレますが、経穴などのツボでも同じことが言えたりします。
人によって若干経穴の位置や大きさは異なります。
経穴よっては500円玉ぐらい大きい経穴もあるとかないとか…

話を戻して次からはこの上焦・中焦・下焦について簡単に説明をしていきます。

上焦:隔からを上を上焦と呼ぶ。心と肺が属する。
中焦:隔から臍までを中焦と呼ぶ。脾と胃が属する。
下焦:臍から下を下焦と呼ぶ。肝・腎・小腸・大腸・膀胱が属する。

ちなみに横隔膜のことを東洋医学では「隔(かく)」と言います。
おへそのことを「臍(さい)」

それぞれ機能がありそれを形容したことばがあります。
国家試験には出たことないですが、覚えておくと良いかもしれません。

上焦如霧、中焦如漚、下焦如瀆。

上焦:上焦は霧(きり)の如し
中焦:中焦は漚(おう)の如し
下焦:下焦は瀆(とく)の如し

動かざること山の如し!風林火山みたいですね。
中二病心をくすぐられるかんじです。

ではそれぞれの機能をもうすこしだけ詳しく解説していきます。


【三焦】上焦について

上焦の機能は心と肺の機能である。
生理物質を全身に輸布することにより、 組織・器官を滋養・温煦する。

これらの機能を形容して「霧」と言っているのですが、全然良くわかりません。霧って冷たくない?湿気させて滋養するのはなんとなくわかりますが…

「心肺の気血を輸布する作用を霧に喩える。」だそうです。

温煦作用は!?


【三焦】中焦について

中焦の機能は脾と胃の機能である。飲食物(水穀)を消化・吸収し生理物質を化生する。

「漚」という漢字には長く浸すという意味があります。
食べ物なんかを胃液に浸し、消化からの吸収としているため、漚の如しと言われているみたいですね。


【三焦】 下焦について

下焦の機能は肝・腎・小腸・大腸・膀胱の機能である。
水穀および水液の清濁を分別して不要なものは体外へと排泄する。

下焦は臓腑が多めです。肝が中焦に入りそうな気がすると思いますので間違えないようにしておきましょう。

「瀆」には汚す・汚れるなんかの意味があります。
いるものといらないものを分けて不要なものを体外へ排泄する。というところがきっと瀆の如しなんだと思います。

ちなみに犢鼻っていう経穴(ツボ)を知っているひともいると思いますが、これとは漢字が違いますので筆記なんかで注意が必要ですね。

そこまで出す先生はなかなかツワモノですが…


三焦の病理について

外邪が侵襲して三焦の流通が妨げられると、原気が各臓腑に運ばれず、各臓腑の機能が失調する。また、各臓腑の機能が失調することにより気機が乱れ、三焦の通りが悪くなると、気化に影響を及ぼし、無汗・多汗などが起こる
三焦の流通が妨げられると、津液が停留して痰湿となり、浮腫や尿量の減少などが起こる。

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