見出し画像

古い価値観による弊害

「もう20年以上、カナダ観光ツアーって行程が変わってないわよ」

現役の添乗員さんがこう言っていた。

「もう古いのよ。古すぎ!」

とも言っていた。

「モントリオールなんて、旧市街を2時間くらいでさっと周ったら終わり。で、急いで次のところに移動するのよ」

そうなんだ。
日本からわざわざ長時間飛行機に乗ってきたのにね。


別の人が話してくれた。

「モントリオールのガイドブックってなかなか見つからないの。あっても、ほんの数ページ紹介されている程度だし」

そうなんだ。
それじゃあ、市内観光しづらいよね。

***

カナダ旅行パンフレットはもちろんのこと、数ページしかないガイドブックでも紹介されている必見の観光スポットノートルダム大聖堂。金色とブルーの祭壇が見事で、北米の中でもトップクラス。

画像1


そのノートルダム大聖堂を出てからすぐ横の細い石畳をセントローレンス川方面に下っていくと、かつてメイン通りだったセントポール通りに出る。
ここで左折するとお土産物屋さんや観光客向けのレストラン、その先に次の観光スポットであるジャック・カルティエ広場や市庁舎がある。ガイドブックにもそう書いてあるだろう。

だけど、私だったら迷うことなくここで右折する。

セントポール西通りには、お洒落なギャラリー、こじんまりとしたかわいいホテル、心地いいカフェやレストラン、地元デザイナーによるブティックが並んでいる。歩くだけで楽しい。写真もたくさん撮りたくなる。

そして、この西通りから左側に見える考古学博物館Pointe-à-Callièreがある
場所が、モントリオールの歴史と同時にカナダの歴史が幕を開けたという
重要な地点。

画像4


アメリカの映画会社が、予算の都合でヨーロッパ風な映像を撮影したい時に使うのもこの一帯。あなたが気づいていないだけで、何かの映画で見ている景色かもしれない。

画像3


昔の銀行窓口を使って営業している大人気カフェCrew Collective & Cafe。
観光客だけでなくモントリオール住民も気軽に利用している。

画像4

モントリオールの旧市街は、かつて金融街だったこともあり重厚感ある建物の多くがここに集まっている。カナダの首都オタワを除いた他の都市では
このような豪華な歴史的建物はなかなか見られない。


モントリオール旧市街はわずか2時間で周れるようなところではない。
たったの数ページで紹介できるようなところでもない。

それに

モントリオールの本当の魅力が感じられるのは旧市街ではない。

ここであなたに問いたい。

その街の魅力を紹介しない観光ツアーやガイドブックはこの先も必要?



最後まで読んでいただきありがとうございます!



サポートしていただきありがとうございます。そのお気持ちが投稿を続けるモチベーションになります。大事に使わせていただきます。 コメントはいつでもお気軽にどうぞ!