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Monthly MAL vol.6

こんにちは!まだまだ梅雨が続きますが、今回のMonthly MALは雨も湿気も吹き飛ばすような楽しい特集、みんな大好き「SPYXFAMILY」❤️の数値分析と、6/2に行ったMyAnimeList主催ウェビナー「MyAnimeList ~Web3時代へのコミュニティ作りのヒント~」のご報告をお届けします。

アニメ「SPY×FAMILY」数値分析

こんにちは、データ活用チームとしてMALにジョインしている、電通の清水です。
今月は少し趣向を変えて、1つの作品のデータにフォーカスしてみたいと思います。対象作品は日本でも大きな話題になっている「SPY×FAMILY」です。

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図1

図1はSPY×FAMILYのMALメンバー数の増加数(赤/主軸)と、累積(灰色/2軸)を示しています。アニメの放送が開始されたタイミングに大きな増加が起こっているのは一目瞭然ですが、灰色の累積メンバー数のデータを見ると、いくつかの期間に分けて考えることができます。

作品ページができた11/1から5月末まで、増加量の違いで大きく4つの期間が確認できます。

1.11/1~12/18(平均増加数736)
2.12/19~3/18(平均増加数1,178)
3.3/19~4/9(平均増加数4,930)
4.4/10~5/24(平均増加数9,695)

これらの転換点に何が起こっていたかを確認すると…

11/1→YOUTUBE動画「TVアニメ『SPY×FAMILY』第1弾PV/2022 ON AIR」公開
12/18→YOUTUBE動画「TVアニメ『SPY×FAMILY』第2弾PV/2022.04 ON AIR」公開
3/18 →YOUTUBE動画「【主題歌解禁】TVアニメ『SPY×FAMILY』本予告/2022.04.09 23:00~ ON AIR」公開
4/9→アニメ第1話放映

MAL上でのメンバー数のスピードが変わる節目は、見事にPV動画の公開/アニメの放映開始のタイミングと一致していました。日本ではテレビ東京での土曜日23時の放送が最速ですが、その1時間後には海外の主要なSVODで配信が始まるため、ほぼ時間のラグは存在しません。
日本のアニメが好きな人達が多く集まるMALですが、情報の伝達スピードに関しては、もはや国内と同等と考えてよさそうです。

次は外部のデータ、検索行動のデータを重ねてみていきたいと思います。

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図2

図2ではMALユーザーのマジョリティであるアメリカ合衆国のアニメファンの検索行動がうかがえる、英語版のwikipediaにおける「SPY×FAMILY」ページアクセス数(青/主軸)を重ねてみました。
※wikipediaへのアクセスは、コンテンツについて知りたいという欲求の高まりを表していると考えられます。
※情報ソース:https://pageviews.wmcloud.org/

MALユーザーの増加と同様に、PV公開のタイミングにはアクセス数も大きく跳ねているのがわかります。アニメ放送開始後は、一定周期、アニメ放送に合わせてアクセス数が跳ねており、最新話の配信直後に検索行動が活発になっていることがうかがえます。

ポイントは、ピークが第2話に来ている点です。
MALのユーザーはアニメ関与度が高く、1話から視聴するような人が多いと考えられますが、世の中全体の関心の高まりは、少し遅れてからやってくるのかもしれません。

さらに、ソーシャル上での話題量を合わせて見ていきます。

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図3

図3では、アメリカ合衆国における「SPY×FAMILY」に関するソーシャル上の投稿量(緑/主軸)を重ねています。
※データはTwitterが中心 
※調査方法:Meltwaterのソーシャルメディアモニタリング

MALのメンバー数や、wikipediaアクセスデータとは異なり、より細かく波が生じているのがわかります。また、一番大きな波はアニメの3話周辺、次いで5話周辺によっているのも特徴的です。3月の数字が低いことや、他の数字が徐々に下がっていくのに対し、数字を維持している点も違いがあります。

実際の投稿を見てみると、大手のレビュー系サイトの投稿や、二次創作イラストなどが多くアップロードされ、それに対するRTが促進されていたことが確認されました。ソーシャル投稿は、作品に対する感想のように即時投稿できるものだけではなく、レビューや二次創作など、投稿動機ができてから制作に時間のかかるものも多く、またその投稿に対するRTによってボリュームが大きくなるため、MALメンバー数やwikipediaアクセスデータに遅れて波が来るとも考えられます。

3つのデータを比較してみると「SPY×FAMILY」は5月末時点で既に安定した人気状態に到達しているといえるかもしれません。MALメンバーのようなコアなアニメファンを獲得し終え、新たに行動をする人は徐々に落ち着いていく一方で、ソーシャル上の記事や二次創作の供給が増え、話題量が高い水準で維持されている、そのように考えられます。こうしたソーシャル上の情報供給が増えることで、新規の視聴者を増やしていく土壌も整っているため、ライトファンを中心にまだまだ伸びていく可能性もあるかもしれません。

コンテンツホルダーの方々の視点に立つと、このデータから「PVの公開タイミングをずらすことでどんな数字の変化が期待できるのか?」ということが気になってくるのではないかと思います。放送前のMALのメンバー数からも、「SPY×FAMILY」は新規作品としては非常に多くの人の期待があったといえます。プロモーションの計画次第で、これをさらに伸ばすことはできるのか?3月にソーシャルの話題量をもっと増やし、アニメ1話の視聴を、話題をもっと大きくすることはできるのか?これらは複数の作品について分析することで、より確からしい解を得られるはずです。

より深い、カスタマイズされた分析をご要望の方は、ぜひMyAnimeListへご連絡下さい!

ウェビナー「MyAnimeList ~Web3時代へのコミュニティ作りのヒント~」ご報告

第5号のMonthy MALでアナウンスをしました本ウェビナーは定員100名で設定していたのですが、各所からご要望をいただき、結果160名を超えるみなさまに視聴いただきました。多くの方々に興味をお持ちいただけて、スタッフ一同大変感謝しております。そして当日観れなかった、ウェビナーがあるの知らなかった、内容が知りたいというリクエストをいただきましたので、今回は本ウェビナーの書き起こしを作成しました。少し長いですが、お時間あるときにごらんください。

ではみなさま、今回はこれにて!表紙のおねえさんのようにアニソン聴いて体を動かして、ジメジメした季節を乗り切りましょう。また来月!

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