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「感動はするものか? させるものか?  どうやったら作れるものか?」


中国にいた頃の資料整理していたら ワタシが依頼されて大手企業でやったビジネス講話の原稿が出てきました。読み返してみると、コレぐらいのものでよくもあんだけお礼を頂いていたなとwww

でも日本で通用するところもまだあるなと思い、ちょいと古いけど掲載しますね

サービス業は、三通りの客がいます。
 1. 一見客(観光客やその時限りの客)
 2. 近所の客(地元客)
 3. 特定の客(会員やお得意さま、常連、特定の層)

 ま、3の多くは、リピーターになっている客ですね

難しいのは、2の「近所の客(地元客)向け」ですがねえ。ただ、間違いなく手強い客、難しいほうが長続きします。

ホテルの場合でいうなら
立地を除いて理想とするのは、
飲食部門では、2で賑わい、宿泊部門では、3で賑わうのが 
長続きする秘訣といえるのでしょう

そして 宿泊部門でも リピーターが多いホテルというのが 
理想のホテルだと考えられます。

さらに 設備やサービスは、当たり前として
何かしら次もそこに泊まろうという気になる気持ちを作る。
それは、些細なことであっても構いません。

小さなことであっても 他のところにはない「感激」や「感動」があれば、
新規客を呼び込むことが難しいホテルビジネスであればこそ、
他に客が流れないシステムになります。

「感動」や「感激」さえ与えることが出来れば、顧客は逃げません。その客層の顧客独占が出来ます。それには莫大な広告費も割引も要りません。

●「感動をつくる仕組み」を作る
感動は「エンターテイメント」になり仕組みにすることが出来ます。
ですが 感動するサービスの話をすると
「うちは出来ない、スタッフが面倒くさがるに決まっている」とか
「お客様の協力が得られるはずがない」と
最初から諦めている経営者が実際にはとても多く感じます。

東京ディズニーランドにしても、
ホテル「リッツカールトン」にしても、
感動するサービスをしくみにしているのがポイントです。
個人の力量に依存しているのではなく、自分達が提供しているサービス空間で提供する感動をきちんと仕組みにしています。

中国に住んでいた頃
結構、ここに気がつかない中国人経営者が多いと感じてました。
経営側自身がしっかりとしくみを作り、
感動するサービスのしくみ立てができるのであれば、
昨日採用したアルバイトの学生にでも感動するサービスは提供できるということになるのです。
ディズニーランドのスタッフは、もって生まれた天性の才能で仕事をしている訳ではありません。

●そんな事に慣れてない?しらけている?
こういう話をすると、必ず反論がでるのも中国です。
「それは海外(外資)だから出来る話、ここは中国だし、我々は中国人だ。」
「中国にはそういう慣習がなかったし、歴史もないから それをするのは 早すぎる。}
「 他に中国でやって成功したところがあるか?」
「中国人は、恥ずかしがり屋だし、白けているから手を叩いたり喜んだりしない、
 本心は、お決まりのサービスと思ってサービスなら受けなきゃ損だと思っているだけだ」
「中国人は本来、家族や知人同士、仲間内で楽しむ。そこに割込まれるのは好きではない。」
確かに、レストランやホテルで誕生日を祝うケーキが運ばれ、
スタッフが歌や拍手をすることがあります。
でも周囲は今ひとつ盛り上がっていない…。
その時ばかりで それがすむとすぐに元に戻ってしまう。
こんな場面を目にしたことのある人は少なくないと思います。
その原因は「スタッフ側の感動不足」にあります。
「誕生日の人にはケーキと歌のプレゼント」するというしくみを作っても、
余分な仕事がひとつ増えた程度の作業になっているのです。
スタッフに「まずはお前達が思いっきり楽しめ!自分の家族や友人を祝うように楽しんでこい」と伝えることなしに本当に感動するサービスができるはずがないのです。

また、この手のサービスがうまく行かない原因は、経営者の感動不足からも来ています。
スタッフや客がシラけていると考える前に経営者自身が日常生活に白けていないでしょうか。
シラけていないといえば、代表格はディズニーランド。
空間全体がシステム化された感動サービスに包まれており、何よりサービスを提供するスタッフ(従業員、ディズニーではスタッフのことをキャストというそうです。キャストとは、出演者のことですよね)が楽しそうです。
日頃は仕事に疲れたお父さんもここでは手拍子、足拍子。要はしかけの問題です。
難しいことでもなんでもないのです。

ただ、上海ディズニーは、TDRに比べ、もう一つ感動がないという話も聞きますが、、、 それもスタッフ側、中国の管理側の感動不足かもしれませんね

●ビジネスに感動ストーリーを作り、伝説にする
感動サービスを売るのが上手な企業に言えることは
“それを伝説にして伝えるのが巧い”ことがあげられます。

例えば、リッツカールトンで感動的なサービスが提供されたとしましょう。
それをリッツカールトンやホームページや自社のさまざまな媒体で紹介し、
できるだけお客様の目に触れさせる工夫をしている。
その媒体を見たお客様は「自分もそんな感動サービスを受けてみたい」と思うし、その伝説を積極的にさまざまな場面で話すであろう。
もちろんその伝説に恥じないサービスを提供している裏づけがあってこそ活きる方法ではあるのですが、リッツカールトンの伝説はいつの間にか語り継がれるのです。
(それも実は、仕掛けや仕組みがあるからですが。。。。)
お客様から感謝の声が届いたら社内の掲示板に張るだけでなく、積極的にホームページや無料誌、店頭などパブリシティで紹介することをとても大切にしているようです。
何故なら 効果的で何よりカンタンなのですから。

●言い訳しないで、まずはやってみる
ここまで“非日常的なサービス”を提供することの効果を述べても
殆どの場合、経営者や管理者が腰を上げる事は多くありません。
そしてその殆どの場合、できない理由を並べます。
だからこそ少数の“それを実行した”経営者が勝ち組になるとも言えます。
できない言い訳、やらない言い訳は、自分を慰めるにはとても効果のある薬だと思います。薬が好きなら今後もその特効薬を使い続ければいいのです。何を選択するのかは結局のところ経営者が決めるものなのですから。
ただ、ちょっとした工夫をすること…が 必要です。
感動体験をサービスに加えたい事業者なら、感動を手伝いすることはまだまだたくさんあります。
ただ、その種子を経営者が全部見つけることも全部を手伝うことも出来ません。
”非日常的で顧客が感動させられてしまうサービス”は、現場のスタッフが 顧客と接している間に種を見つけ、仕掛けるものです。見つけようというモチベーションやそれを顧客に仕掛けてやろうというやる気がなければ成立しません。また、いつでも誰でも感動させるわけにもいきません。
虎視眈々とまでは、言いませんが お客様を喜ばせようと常に考えていなければ出来ません。
ですから 当然、そういうスタッフを育成しなければなりません。
それには、まず 
第1にお客様を喜ばせることを良い事として許す事
第2に喜ばせたスタッフを褒めること、皆で賛える事
第3にその積み重ねがスタッフの報い(給料や職位として)になる事
この仕組みを社内に持つことから始めなければ、
サービス業は、感動をつくれないと考えます。
客から代金をいただく以上、給料をもらっている以上、
働く側には、サービスをする義務もありますが、
サービスをする権利もあると思っています。

中国では、ビジネスに関してのアドバイザーもしていたので、中国の経営者たちによくこんな話をしていました。

従業員たちが 自ら進んで お客様にサービスをしたくなる環境も作ってあげないとならない時代ですよね。と

日本じゃ、言われて久しいですよね

ただ帰国して1年半になりますけど、日本でもまだ、そうなってない店がまだ多いなと感じましたので。。。


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