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【SDGsパートナー インタビュー】 「スポーツチームと共にカーボンニュートラルの実現へ」〜株式会社エコスタイル〜

2021シーズンからスタートとしたモンテディオ山形SDGsコーナー。
こちらの連載では、SDGsコーナーを共創する”SDGsパートナー企業”の紹介をしています。
第3回は、大阪府に本社を構える株式会社エコスタイルの経営戦略推進部長の岸田 光司氏にインタビューを行いました。

ーー初めに、株式会社エコスタイルの事業内容について教えてください。

岸田)エコスタイルは太陽光発電所の施工・販売を行っている会社です。以前は住宅用の太陽光もやっておりましたが、2012年7月からは特に地面設置の太陽光発電所の施工・販売に力を入れ、北海道から九州まで全国の主要エリアに支店を構えています。
現在までに1万件以上の設置実績があり、山形県内にも自社の発電所をもっています。

ーーモンテディオ山形のスタジアムがある天童市にも発電所があるんですね。

岸田)はい、そうですね。そこで発電した電気は「FIT」という固定価格買取制度で、山形であれば東北電力(東北電力ネットワーク)に売電しています。そして、見かけ上は東北電力や新電力と契約している企業や一般家庭で使用されるという仕組みになります。

ーーもしかするとモンテディオのサポーターの方も、エコスタイルさんで発電した電気をつかっている可能性があるということですね。

岸田)そうですね、実際には当社の発電所の近くにお住いの天童市民の方が使われている部分もあると思いますね。大阪の会社と山形のクラブ、一見すると繋がりがないようにも感じますが、電気を通してつながっているかもしれません。

ーー太陽光発電は再生可能エネルギー、CO2を排出しないエネルギーとして非常に重要視されている領域です。エコスタイルさんは、SDGsが採択されるよりも前から太陽光の事業に力を入れられていますね。

岸田)そうですね。先ほども申し上げた通り、2012年7月から「FIT(固定価格買取制度)」が始まりました。それ以前も住宅用の太陽光の買取はあったのですが、2012年7月から住宅ではないものも買取制度が適用となり、そのタイミングで地面設置の太陽光発電所の施工・販売に力を入れました。
当社は、当時から「子どもたちの未来のエコ電力」という使命をもって事業をしていたので、制度やSDGsがというだけではなく、事業の根幹にエコという理念が組み込まれていました。

エコスタイル_3

ーー今や「脱炭素」、「カーボンニュートラル」という言葉は毎日のように耳にするようになってきました。一方でその本質を理解している方はまだまだ少ないように感じます。例えば、貴社が手掛ける太陽光が普及すると何がどう変化するのでしょうか?

岸田)世界がカーボンニュートラルや脱炭素に向かって進んでいるということは皆さんご理解されているかと思います。電気の話で言えば、今、日本で使われている電気のほとんどは火力発電所で発電したものです。火力発電というのは、当然のことながらCO2が排出されるので、電気を使う=CO2を出しながら発電している状況です。
この状況は問題だよね、ということで、今太陽光をはじめとした発電が重要視されています。火力を太陽光に置き換えることでCO2削減に結びつく。ざっくりと言えばこういうことになります。
もちろん再エネ(再生可能エネルギー)の電力というのは太陽光以外にも、バイオマスというものがあったり、風力があったり色々な方法が模索されています。
当社の特徴は、森林破壊をしない太陽光発電所開発にこだわりを持っているということです。約300坪の広さの土地に太陽光発電所を設置するのですが、森林を切り崩して開発を行うことはせず、環境負荷をかけないように耕作放棄地、遊休地を活用した形での普及を進めています。

ーー「カーボンニュートラル」。その意味は理解できましたが、具体的にどのくらいの発電が太陽光に置き換えれば国が掲げる目標を達成できるのでしょうか?またその目標を達成する上での課題についても教えてください。

岸田)現時点の太陽光発電の導入量は55.8GW(約60GW)ですが、2030年に約100GW、2050年に約200GWが必要と言われています。つまり、今を「1」とすれば、2030年で2倍、2050年で4倍にしなくてはいけません。決して簡単な目標ではなく、全員が意識して取り組みをしなくては達成できないラインだと捉えています。
「2050年カーボンニュートラル」というところから逆算していった時に、以前は2030年にはここまでやらなければいけないと言われていたラインよりも目標が高くなっています。もっと再生可能エネルギーに力を入れなくてはいけない中、導入実績が豊富で実現可能性の高い手段である太陽光発電が注目されています。
電源構成と言われる、日本で発電する電気の割合を原発・火力・再エネと区切った時に、どこまで火力を減らせるか(CO2削減)が焦点です。

一方で太陽光には課題もあります。太陽光は日中しか発電しませんし、また雨が降ればほとんど発電はできません。将来的には、24時間あるいは365日で使えるために蓄電やエネルギー変換をしていかなければなりません。蓄電池に貯めて使う以外に、水素や、揚水発電等といった太陽光で発電した電気を一時的に他のものに変えて貯めておいて、夜や雨の日に使うという形をとらないとなかなか太陽光だけで賄うのは難しいのが現実です。

ーー太陽光の重要性について理解することができました。今度、太陽光を増やしていく上では何がハードルになってくるのでしょうか?

岸田)まずは、太陽光発電所を設置する用地、さきほど耕作放棄地というお話もさせていただきましたが、用地問題と送配電線の増強などの整備面はハードルになってくるかと思います。
太陽光発電所が設置できる遊休地がある場所は、都心から離れていることが多いです。一方でたくさん電気を消費するのは都心になってくるので、遠く離れたところで発電したものを都心に送電することを強化するというのは必要になってきます。
用地問題の一つに住民の方の理解というのもあります。今はネガティブイメージも緩和されてきましたが、近隣に太陽光発電所があることで「電磁波」や「音」などの心配をされる方も一定数いらっしゃいます。
実際には音もほとんど出ませんし、電磁波も家電と同じくらいの量なのですが、まだまだそういったことを伝えきれていないというのは課題ですね。

ーー地域住民の方に理解していただくためにどのようなアプローチが必要だとお考えですか?

岸田)地域と共生していくということですよね。そういったことは我々の課題であり、モンテディオ山形さんとパートナーを締結した理由にもなってきます。地域のシンボルであるプロサッカークラブを通して、正しい情報、正しい選択肢(施工する会社等)をお伝えできれば良いなと思っています。

カーボンニュートラル、地球温暖化によって異常気象も多発しています。もはや、他人事ではありません。
その解決策の一つに太陽光発電の普及があるということを知っていただけたら嬉しく思います。
また、こうしてパートナーとして参画させていただいているので、モンテディオ山形のサポーターの方から気軽に質問をいただける関係をつくれたらと思っています。

ーー実際に太陽光を設置したい場合はどのようなステップになるのでしょうか?

岸田)地主様からエコスタイルが土地を買い取らせていただいて太陽光発電所を設置させていただきます。地主様が自ら太陽光発電所を設置するわけではないので、もしサポーターの方で、使わない、耕作放棄地等があれば我々にご相談いただければと思います。条件があえば買取をさせていただきます。

ーー個人で太陽光を設置するのはハードルがあるように感じるのですべてをお任せできるのは良いですね。

岸田)「FIT」制度がある時は、地主様自ら発電所を設置(保有)して電力会社(一般送配電事業者)に売電するスキームも可能だったのですが、今はその制度が実質的にはないので発電所を設置する地主様自らが電気の売電先を探す工程が発生してしまいます。これは少し現実的ではないので…
我々はその売電先を探すところを含めて対応できますので、地主様から取得させて頂く土地に発電所を設置することができるというわけです。

エコスタイル太陽光発電所例

ーー興味がある方は是非エコスタイルさんに聞いてみてください。CSR活動の一環で太陽光発電システムの寄贈を幼稚園にもされていますよね?


岸田)我々エコスタイルの使命として、「子供たちの未来にエコ電力」を掲げています。今から30年後の2050年。まさに今のお子様たちが未来を背負う年代に入る時です。
そんな方々に、幼少期に太陽光発電(再生可能エネルギー)を身近に感じていただきたいという想いがあり、幼稚園の屋根に設置する小規模な太陽光発電システムを寄贈しております。この太陽光発電システムで発電した再生可能エネルギーの電気はその幼稚園内で使っていただきます(自家消費といいます)。お子様だけではなく、先生や親御さんも含めて、設置することをきっかけとして環境問題や再生可能エネルギーについて考えていただく機会を作れることはとても大切ですし、事業を通じたCSR活動という意味でも持続可能な取り組みではないかと考えいます。

ーー事業とCSRが紐付いてることは非常に重要ですね。その他にモンテディオ山形とも関係するところだと、東北復興応援プロジェクトもされていらっしゃいますね。

岸田)東北復興応援プロジェクトは、東北地方の復興応援と共に、再生可能エネルギー普及活動の一環として、エコスタイルが東北地方の幼稚園だけでなく公益的施設に太陽光発電システムを無償設置する取り組みです。
その後、太陽光発電システムを設置した施設とエコスタイル及びNPO等の団体とが連携・協働して環境活動を行うことで、地域環境活動の活性化を図っています。

ーー最後に、モンテディオ山形とどんなことを一緒にしていきたいかお伺いできますか?

岸田)やはり、太陽光発電所を身近に感じていただけるようにアプローチをしていきたいですね。プロサッカーチームであるモンテディオ山形さんを通じてサポーターの方たちとのつながりを少しずつ持っていければ良いなと思っています。
あとは、モンテディオ山形さんのSDGsの取り組みにより多くの企業様や団体様が連携をされていると思います。我々としても、山形県をはじめ東北の方々と、太陽光を通じて連携を強化していけたら良いのかなと思っています。先ほどからお話をしている太陽光の発電所は地主様から取得する土地だけではなく、企業様施設の屋根などへも設置しています。
山形県内の企業様もカーボンニュートラルへの取り組みは加速されていると思いますので、工場の空きスペースに地面設置、オンサイト設置(屋根への設置)など、お気軽にご相談をいただければ、まずはご相談ベースでお話しさせていただきます。

ーー貴重なお話ありがとうございました。

モンテディオ山形 担当より
「脱炭素」「カーボンニュートラル」は世界中の国が目指す共通の目標です。
一方で、普段の生活の中で自分ごと化することが難しいテーマの一つでもあります。
今回のエコスタイルさんの記事を読んで、一人でも多くの方が脱炭素やカーボンニュートラルに興味を持ち、今日からの新しいアクションに繋がれば嬉しく思います。

※インタビューは、2021年12月初旬にオンラインにて実施


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