見出し画像

【SDGsパートナー インタビュー】 「脱炭素社会の実現に向けて、モンテディオ山形と共に感情の障壁をこえていく」〜イーレックスグループ〜

2021シーズンからスタートとしたモンテディオ山形SDGsコーナー。
こちらの連載では、SDGsコーナーを共創する”SDGsパートナー企業”の紹介をしています。第4回は、東京都に本社を構えるイーレックスグループの佐藤 光志朗氏(100%子会社 ティーダッシュ合同会社 所属)にインタビューを行いました。

ーーどのようなきっかけでモンテディオ山形のパートナーになったのでしょうか?

パートナー契約は親会社のイーレックスグループとして締結させていただきました。私たちイーレックスグループは、グループ全体で社会貢献に繋がる活動・事業を推進しているのですが、プロサッカーチームであるモンテディオ山形と提携することで、こうした活動をより多くの方に知っていただけるのではないかと考えています。
昨年開催された東京オリンピック・パラリンピックをみて、スポーツには数値では表せないパワーがあると感じました。ここ数年で日本国内でもSDGsが普及し、少しずつ人々の目も社会課題に向いてきていると思いますが、まだまだ身近に感じられない方も多くいます。スポーツはファンやお客様との距離が近く、非常に高いエンゲージメントを得られています。
これまでSDGsや社会貢献に関心を持ってこなかった方も、サッカーを通すことで関心をもっていただけます。サッカーと社会貢献はすごく親和性があり、私たちもパートナーとして共に取り組んでいきたいと思っています。

ーー具体的にはどのような取り組みができるとお考えでしょうか?

イーレックスグループとしては、再生可能エネルギーの普及を進めていきたいと考えています。この部分は、モンテディオ山形のパートナー企業様やファン・サポーターの方に再生可能エネルギーのご案内・啓蒙をしていくことをグループ会社であるエバーグリーンマーケティングが主導で連携していきます。
また、私が所属するティーダッシュでは「Your SDGs」という取り組みをしているので、モンテディオ山形が展開するSDGsブースやSNSを活用した連動企画などを中心に連携をしています。

ーー「YourSDGs」について詳しく教えていただけますか?

グループ全体としては、再生可能エネルギーを普及し、社会貢献を果たしていくという方針があります。私たちティーダッシュは、再生可能エネルギーの重要性はもちろん伝えていくのですが、もう少し幅広く電気を通して社会貢献ができる形ができないかと考えています。そこで誕生したのが、「YourSDGs」です。
具体的には、お客様の電気料金の一部を寄付させていただくサービスになるのですが、寄付先もお客様の興味関心でお選びいただくことができます。世界の貧困問題にアプローチをしているNPOの団体であったり、障がいを持った方々を支援する団体など複数の選択肢があります。
SDGsや社会貢献と言われてもどのようにアクションをしたら良いか分からない方もたくさんいます。そうした方々が、まずは応援という形で参加できるのが特徴です。

ーー普段の生活の中から社会貢献のアクションができ、且つ自分の関心のあることを応援できるのは良いですね。一方、お客様の負担に繋がるのでは?という懸念がありますが、その辺はいかがでしょうか?

お客様にお支払いいただく金額は変わりません。あくまで、電気料金の一部が寄付されるという仕組みです。電気料金は地域の電力会社様と同水準に設定しているので、「負担なく寄付ができる」というのを強みにしています。

ーー素晴らしい設計だと思います。実際にプランをご利用されているお客様の推移や反応はいかがでしょうか?

プランのご加入者は少しずつ増えています。プランのご加入者を増やすためには、地道な啓蒙が本当に大切だと思いますので、私たちがボランティアに参加してボランティア先の関係者の方にご紹介をしたり、まずは身近なところから興味を持っていただけるように動いています。

ーー今後一般の消費者の方にも興味をもって加入をしてもらうためにはどのようなことが必要だと思いますか?

そうですね。王道のアプローチは、「こういうプランがあります」というCMやWEB広告を打って知っていただくことが多いのですが、単純な広告訴求だけで伝えきるのは難しいとも思っています。
今まで電気というのは安さだけが競争軸でした。
「安いから切り替えましょう」という価格訴求です。それは、電気には色がないといいますか、差別化するのが難しい商材だからなんですよね。価格以外にどのようにして付加価値を出していくのか。非常に難しいテーマでした。
そんな中で、イーレックスグループが着眼したのが、「SDGs」や「クリーン電気」といった部分です。
安いという理由が判断基準の業界で、環境や脱炭素を訴えていく。当然のことながら「共感」をしてもらわないと選ばれません。
感情の障壁をこえていく必要があり、そのためにTwitterで丁寧にコミュニケーションをとったり、モンテディオ山形や他の団体さんとのコラボレーションを実施しています。直接的なPRにならず、あくまでSDGsの活動を普及したいという軸をぶらさないように努めております。

ーーハードルが高いチャレンジだからこそ私たちスポーツチームと協力して可能性を模索していきたいですね。

昨年ご協力をいただいてモンテディオ山形のSDGsブースの横でYourSDGsブースとして出展したのですが、たくさんのサポーターの方にお越しいただきました。今後は、SNSやリアル場を通して様々なコラボを実現していきたいですし、そうした活動の中でお客様の声を聞き、プロダクトやコミュニケーションの改善につなげたいと考えています。

ーー少し話は変わりますが、先日(3月)首都圏で「電力逼迫による停電」の可能性があるというニュースがありました。あたり前にあると思っていた「電気」が、突然使えなくなるかもしれない。電気について考えるきっかけになったのではないでしょうか

この前(3月)の電力逼迫の問題もそうですし、それこそ再生可能エネルギーの分野にも関係してくるのですが、電気を使う側が本当に必要な分だけの電気を使って、余分な電気は使わないという意識・行動が必要だと思います。節電を推進していただくことで、電気の発電量(火力発電量)を下げることができ、排出される二酸化炭素の量も減ります。
二酸化炭素を抑える動きは業界でも加速しています。私たちティーダッシュでも、2022年の4月から「グリーンプラン」という新しいプランを導入するのですが、そのプランは非化石証書と呼ばれる環境価値を形にしたものを使って二酸化炭素の排出を実質ゼロにするというプランです。負担なく寄付ができ、さらに使用する電気は二酸化炭素を排出しません。
グリーンプランでは、一般のご家庭でいうとおよそスギの木130本分の二酸化炭素が削減されます。今回新プラン導入にあたり、寄付や環境貢献をより強く実感いただけるよう、モニター企画を実施します。毎月お客様にお支払いいただく電気代と同額を、お客様が応援したい人にティーダッシュが寄付するという企画です。近日中にTwitterでご協力いただける方を募集します。

ーー素晴らしい取り組みだと思います。一方で、「脱炭素に向けたアクションを一緒にしましょう!」と伝えても、まだまだ一般の方にはピンと来ないのではないかとも思っています。大切なのは自分自身にどのような影響をもたらすのか?というところに尽きるのではないでしょうか。

そうですね。私もYourSDGsを通して情報を発信するにあたって、SDGsのことを勉強をするようになりましたし、実際に活動にも参加してみました。近所のゴミを拾ったり、電車の飲みかけの缶を捨てたりと、最初は意識的に機会をつくり、日常生活でも意識的にプチSDGs活動に取り組みました。そうした活動を通して、今までだったら見て見ぬ振りをしていたことに気がつきはじめ、同時にそういう活動をしている自分をかっこよいなと思えるようになりました。この考え方が変わったのは大きかったです。
自分への影響という点で言えることは、社会貢献は自分の自信につながるということです。社会貢献を意識した行動をすることで、自己肯定感が高まるなというのは感じています。

ーー他者や社会のためにやっていたけど、巡り巡って自分の方が幸せになっているということですね。
最後に今後の事業展開や想いを教えてください。

今までは安いだけで、環境に配慮したようなプランがなかったんですね。この4月に初めてグリーンプランが導入され、これでようやく自信を持って皆さんにコースを紹介できます。脱炭素などの意識はまだまだ一般消費者へは伝わっていないかもしれませんが、企業側は今そういうニーズがすごく高まっていますよね。投資家やファイナンスの観点など、様々な理由があるのでしょうけど、必ずこの流れは個人にもいくと思いますし、そうしないといけないと思います。
そのために、私たちのプランもそうですし、発信する内容もそういうところに合わせていきたいと思います。
寄付プランもモニター募集企画も、元々誰かや何かを応援したい気持ちはあったけど、アクションに移せなかった方に対して、簡単にはじめられるという意味で背中を押すような形になれば良いなと思っています。
モンテディオ山形を応援しているファン・サポーターの方々は、すでにそういう応援する気持ちを持っている。一緒に取り組みをさせていただくことで、よいシナジーを生み、サッカーもサッカー外のところにも応援の文化を広げていきたいです。