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「探究する気持ちが持続可能な社会を創造する推進力になる」|モンテディオ山形SDGsコーナー体験記

徐々に肌寒い日が増え、NDソフトスタジアム山形のある山形県総合運動公園内の紅葉も見頃を迎えた10月23日のザスパクサツ群馬戦。時折、雨が降る中で行われたSDGsコーナーのユニバーサルスポーツ体験は、山本学園高等学校(山形市)の2年生が企画した「ブラインドサッカー」でした。

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視覚情報をシャットダウンすることで得られる気づきとは?

山本学園高等学校は、前身となる竹田裁縫女学校の発足から数え今年で創立100周年を迎える歴史ある学校です。来年2022年4月からは「惺山(せいざん)高等学校」に改名を予定しています。今年は、モンテディオ山形のスタッフが高校に伺い、SDGsの授業を行うなどの交流を行っていますが、その中で、2年生の有志が、SDGsブースでの企画を進めてきました。
紹介したブラインドサッカーは、パラリンピックでも注目された競技で、ゴールキーパー以外のプレイヤーがアイマスクをつけて行うサッカーです。担当した高校生たちは、自分たちで競技のことを調べ理解し、体験会のやり方を話し合ってきたそうです。

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今回は、体験会の参加者にも実際にアイマスクをしてもらい、音の出るブラインドサッカー専用のボールを使い、音による空間の把握や蹴る練習をした後、実際にゴールにシュートを打ってもらいました。視覚情報が遮断されることで、不安になる方も多かったようですが、高校生たちのサポートもあり、ほとんどの方が思っている方向にボールを蹴ることができていました。
参加した親子に感想を聞いたところ「何も見えないと不安になりますが、アドバイスしてくれる方や、音を出してサポートをしてくれる方がいることで安心しました。周囲の助けにより、可能性が広がることを感じました」と、今回の体験を通してさまざまな発見があったようです。
体験会をサポートしたのは、2012年に東北で初めて結成されたブラインドサッカーチーム「コルジャ仙台」。代表の浦澤真人さんは「今日はたくさんの方に訪れていただきました。特に、世代問わず幅広く体験してくださって驚きました。自分たちで体験会をすることはよくありますが、高校生が企画した体験会にアドバイスをしながら手伝うという形は今回が初めて。生徒のみなさんも主体的に考えて行動してくれていて嬉しいですね。山形にはブラインドサッカーチームはありませんが、今日のような活動から認知度を高め、障がいへの理解にも繋がっていけば」と期待します。

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障がいの壁を超え、誰一人取り残さない観戦スタイルを目指して

また、この日は、ユニバーサルスポーツパートナーのQDレーザ様と、視覚に障がいのある方の観戦体験イベントも行いました。同社が開発した、網膜投影型レーザアイウェア「RETISSA Display II(レティッサ・ディスプレイ・ツー)」を活用し観戦していただくものです。「RETISSA Display II」は、メガネに内蔵された超小型プロジェクタで装用者の網膜上に直接映像を映し出すという、レーザ網膜走査技術を採用した頭部装着ディスプレイ。
参加された方は「普段、観戦する際は、ほぼ何も見えない状態ですが、このメガネを通すとスタジアムと空の境がわかるようになりました。これだけでも、試合の臨場感が全然違います」と喜んでいました。視覚に障がいのある方が試合を観戦する場合、主に実況や歓声などでスポーツの感動や興奮を味わうことしかできませんでしたが、少しでも視覚から楽しんでいただけたならば幸いです。

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いつも訪れる身近な場所で、カーボンニュートラルを考える

SDGsブースでは、山形大学理学部で、科学の専門的な内容や社会的意義を、人々にわかりやすく伝えることを目的としたプログラム「サイエンスコミュニケーター」で学ぶ3年生が、カーボンニュートラルのワークショップも実施しました。
カーボンニュートラルとは、環境問題に関する活動用語で、「何かを製造したり活動を行なったりした際に排出される二酸化炭素」と「吸収される二酸化炭素」を同じ量にすることで、国が目標にも掲げています。今回のワークショップは、NDソフトスタジアム山形がある、山形県総合運動公園内に生育している樹木の二酸化炭素吸収量と、使用電力などにより排出される二酸化炭素量を比較する内容。参加者は、学生スタッフに教わりながら、樹木の幹の太さから二酸化炭素吸収量の計算をしたり、消費電力量に関するクイズに答えたりしながら、学びを進めていました。
山形市から参加した中学2年生は「サッカーが好きで応援に来ていますが、以前は手話を教えてもらったこともあったし、いつもいろいろなユニバーサルスポーツを体験できるし、とても楽しいです。今日の内容も、学校で学ぶ内容とは違い、面白かったです」と感想を話してくれました。

SDGsを軸に、山本学園高等学校の高校生も、山形大学理学部の大学生も、主体的に活動をしています。そしてモンテディオ山形がハブとなり、その思いが中学生にも伝わっていく。10〜20代前半の若い世代が、自分ごととして課題を探究し、前向きに課題解決に取り組む姿に、持続可能な社会への期待が膨らみます。

最後に
参加者:603人、来場者(4,428人)に対する割合:13.62%

山本学園高等学校の高校生たちの一生懸命な呼び込みで、たくさんの方が参加してくれました。また、山形大学理学部学生のブースでも、ドライアイスやスライムが目を引き、足を止めている子どもたちが多かったです。NDソフトスタジアム山形は、モンテディオ山形の応援はもちろんですが、スタジアムグルメや音楽イベントなどさまざまな領域で楽しめる空間になっています。そして、その一つにSDGsブースが認識されるようになってきました。3〜4分立ち寄っていただくだけでも、さまざまな気づきがあると思いますので、ぜひ気軽に訪れていただければと思います。

モンテディオ山形SDGsコーナー体験記 vol.16 10月23日 vsザスパクサツ群馬

ライター
松田 陽

●SDGsパートナー

株式会社エコスタイル
株式会社Kanatta
株式会社チェンジ・ザ・ワールド
豊島株式会社
株式会社ポチくる
株式会社笑子
イーレックス株式会社
株式会社ミズサワセミコンダクタ
山形朝日株式会社
株式会社京都スペーサー
株式会社カオナビ
株式会社ソフィア
株式会社スマートチェックアウト

●ユニバーサルスポーツパートナー

株式会社庄内クリエート工業
株式会社QDレーザ
株式会社ライフエッグ
株式会社Innovation IFA Consulting

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