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#173 RIZIN.46 裏話

RIZIN.46(2024年4月29日、有明アリーナ)の裏話を集めたnoteです。

RIZIN.46から過日経ち、大会前後のいろいろな話が漏れ伝わってきましたので、まとめてみました。

過去のRIZIN裏話はこちら。


ポスター意匠

大会ポスターのイメージは映画「羊たちの沈黙」で、それがコピーの「狂気」にもかかっています。

大会ポスター
羊たちの沈黙

大会ポスターに加えて、鈴木千裕vs.金原正徳のタイトルポスターとして、公式ポスターと、アーティストRYOKKE DRAWが描いた2種類、そして、日韓対抗戦のポスターも作成されました。

タイトルポスター
作:RYOKKE DRAW
日韓対抗戦ポスター

RYOKKE DRAWのタイトルポスターで、鈴木千裕の拳に蝶が乗っているポーズはPRIDE GP 2004 開幕戦のオマージュになっています。

PRIDE GP 2004 開幕戦ポスター

フェザー級タイトルマッチ

RIZIN.46のメインイベント、フェザー級タイトルマッチ鈴木千裕vs.金原正徳。

RIZIN最年長チャレンジャーとなる金原正徳にとっては15年ぶりのタイトルマッチ。

戦極の消滅、格闘技冬の時代を共に過ごしてきた同志である小見川道大が、タイトルマッチに花を添えるべくしたためた青色のダブルスーツで試合前会見に登壇した金原正徳は、過去に戦ってきた戦友たちの思いも背負って戦う心境を披露しました。

試合には敗れたものの会場で試合を見ていた子供に、「良いことばかりじゃない、負けを教えるのも教育だと思うし、それでも明日からも頑張る姿っていう、良くも悪くもおやじの背中を見せられたかなと思います」と父親としての役割をまっとうし、子供にもその想いは通じたようでした。

新・闘魂三銃士誕生

榊原信行RIZIN CEOから「新・闘魂三銃士」に任命され、日韓対抗戦に出場した、中島太一、神龍誠、倉本一真の3選手。

2勝1敗で日韓対抗戦に勝ち越したものの、あらためてキム・スーチョルの強さを際立たせる結果になった感が拭えません。

今後、新・闘魂三銃士にはRIZIN初期に活躍したRIZIN三銃士に負けず劣らない活躍に期待したいです。

テオドラス・オークストリス
 PFLと契約
ワジム・ネムコフ
 ベラトールライトヘビー級王者
イリー・プロハースカ
 UFCライトヘビー級王者

RIZIN三銃士のその後の活躍

大学院生になっていたキム・スーチョル

2023年はRoad FCのグローバル・トーナメントに集中するため、日本で戦うことがなかったキム・スーチョル。

2022年の大晦日以来、1年4か月ぶりに日本で試合を行いましたが、その間、なんと32歳にして大学院に進学し、週2日、片道4時間かけて体育学を学ぶため、車で通っているとのこと。

大学院には、あの手この手でニンテンドースイッチを買ってくれないで有名な奥さんが、看護師の博士号を出産のため断念せざるを得ず、自分の分も勉強してほしいとの思いもあり、大学院への進学を後押ししたのでした。

鬼嫁イメージの奥さんですが、ポケットに1,000円すらない貧しい時からずっとサポートし、20歳から苦楽をともにしてきてくれた最高の女性だと、キム・スーチョルは語ります。

キム・スーチョルの入場

花道を全力ダッシュして入場するキム・スーチョル。

ダッシュして入場する理由は、負けたらどうしよう、恐怖心といった後ろ向きな考えを打ち消すのと、人に注目されるのが苦手なことから全力疾走で入場しているとのこと。

ちなみに、今試合の花道からリングサイドに到着するまでに要した時間は約7秒でした(アベマスタッフ調べ)。

篠原辰樹のように、派手な入場パフォーマンスは華もありますが、全力ダッシュするだけで負けず劣らず、会場を沸かせるキム・スーチョルの入場も一見の価値ありです。

BKFC、日本初上陸

グローブどころか、バンテージもせず、文字どおりベア(素手)のナックル(拳)で殴り合う「ベア・ナックル・ファイティング・チャンピオンシップ(BKFC)」。

今年2月、篠原辰樹が榊原信行CEOとマイアミでベアナックルファイトを観戦した際、「ヤバい、オレここで試合したい」と、興奮しながら発言したことが契機となり、日本人初のベアナックルファイターが誕生しました。

当初、北米でのデビューが計画されていたものの、鈴木博昭vs.YA-MANが中止となったこともあり、穴埋めを兼ねてRIZINで試合が実現しました。

試合での骨折や裂傷などケガのリスクが高く、医療体制を整えておかなければならないこと、バイオレンス性が強いこと、追随する日本人ファイターがいないことなど、課題が山積していて、日本でベアナックルファイトが定着するかは不透明です。

あとがき

近年稀に見る攻防の少なさで罵声を浴びた“ブラックパンサー”ベイノアvs.井上雄策。

裏を返せば、それだけ注目度が高く、ベイノアの1年に及ぶ海外武者修行の成果への期待の現れだったのではないでしょうか。

ノーガードの撃ち合いを「ドンフライ高山」と比喩するように、つまらない試合を「ベイノア井上」と比喩する日が来るかも知れません。

ただここで、タダでは転ばないのが、地獄のプロモーター榊原信行。
榊原社長に呼び出されましたで、二人を呼び出すことで注目を集め、禊試合としてジョニー・ケースvs.“ブラックパンサー”ベイノアを組むことで、話題を作るあたりはさすがとしか言いようがありません。

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