カミーノ・デ・サンティアゴ Day33
最近は少し 天気の悪い日が続いている
太陽はやっぱり嬉しいけれど、曇りや雨の日は霧が出たり、虹が出たり。新鮮な感動を与えてくれる。
霧に包まれた村や山道は忘れられない景色になった。
数日前、到着したアルベルゲで、サニーと、以前も何度か会ったアンドリューとオルガと再会した。
少し寒かったその日。
到着したアルベルゲからは長野の冬を思い出す懐かしい香り
暖炉に火が入れられていた。
お茶の時間には手作りのレモンケーキと紅茶が配られ ここのレモンケーキが特別に美味しかった。
標高の高い場所にあるこの村は、夜は霧に包まれ 雨上がりの朝は驚くほど美しい朝焼けを見せてくれた
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少しだけ険しい山を越え、ポンフェラーダという少し大きな町へ向かった
道中、前回の日記に登場した、先日出会ったまこさんから連絡がきた。
今日、バスでポンフェラーダに来ているとのこと
タイミングが合えばバルに行きましょう とお誘いがあった。夕方にはまた、バスで帰るらしい。
またこんなにすぐ会えるなんて。
まこさんとの待ち合わせ場所は到着したアルベルゲから徒歩30分だったけれど、会いたかったので急ぎ足で向かった。
夜はその日も宿が一緒だったサニーとアンドリューと、老舗のバルへ。
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翌日、次の小さな村を目指した
もうすぐ到着しそう というタイミングで、アンドリューとサニーから連絡が来た。
アンドリューは町で滞在する宿を決め、サニーはこれから2つルートがある内の1つ、山の方の道を行き、山の上の宿を目指すことにしたらしい。
私はどこに行きたいんだろうか。
私はまた、みんなに会いたい。
なんだか、みんな自分が行きたい場所に行っているのに私は自分で決められなくて 会いたい人がいる場所が目的になっている自分が情けなく感じ、少し、落ち込んだ
翌日の予報が雨だったので、もう少し道のりを進めたく、私もサニーがいる山の上を目指すことにした。町からあと3時間。
道中、険しい山道を歩きながら、私は1人だったら自分で選んでこの道に来たんだろうか なんて考えた
誰かとメニューを選ぶ時も何でもいいことが多くて、私の意思はどこにあるんだろうか なんて思った。
まこさんに会いに行った時もそうだけど、会いたい人がいれば私はいくらでも頑張れるけど、やっぱり何事も人ありきなのだ
それが自分なんだから仕方ない なんて静かな道で、忙しない思考を繰り返してたら、誰もいない山道に傘が落ちているのを発見した。
拾って広げてみて思わず笑ってしまった。
サニーのトレードマーク、名前の欄に太陽のマークが書いてあった
なんだか、今日この道を選んでよかったんだと思えた。
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今日はよく歩いた。山の上の宿に到着した。
宿には、お客さんはサニーしかいなかった。
そして、サニーが傘をなくしたんだと落ち込んでたので、驚かそうと傘を見せた。
びっくりしているサニーを見て 2人で大笑い。
今日ここに来てよかった。
山の上の宿は私たちだけで、夫妻が営む小さな宿は、自家製のワインに自家製の栗のリキュール テーブルの上に並ぶものは全てこの村で採れたものだった。
とても美味しい夕食だった
サニーは事前にリサーチするのが好きで、店も宿も選ぶのがとても上手だ。
一方私はほぼ調べものはせず その時感じたままに何も決めずに進んでいる
やりたいことや好きなものはあるけれど、大体のことは何でもいいことも多くて、相手が決めていたらそれに合わせることも多い
その人と過ごす時間が重要で、面白いかどうかがいつも自分を動かしている
日本にいたって海外にいたって心を見つめることには変わりないけれど、沢山感じる感情の中で心豊かに生きれたらいいなと思う
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朝起きてびっくり。アンドリューが早朝町を出て、雨の降る中私たちのいる山の上の宿に朝食を食べに来た。
朝から驚きの再会をして、今日は雨だからゆっくり 10kmちょっと歩いて、今夜の宿で皆で待ち合わせをすることにした。
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宿に着いた。とても小さな集落だ
サニーとアンドリューと夕食の席で落ち合った。
アンドリューはアメリカ出身。サニーは海外に暮らしてたこともあり、英語はペラペラだ
よく翻訳機を使ったり話を止めてしまい謝る私に、アンドリューが謝らないで、そして翻訳機は今日から禁止ね!と温かいジョークを言ってくれた。
もっと英語が話せたら相手のことがわかるのに 言いたいことを言えるのに、と、もどかしい気持ちになることが沢山ある
みんなが話してる中入れなくて、悲しくなることもある
フィーリングは大事だけど、今からでも地道に頑張ろうと思う日々です。
日々成長、日々前進。
徳之島のコーヒー園の宮出さんが言ってた言葉が今の私の心境にぴったり
明日も進んでいこうと思います。
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雨の日に見つけた美しいものたち
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