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コロンビアのコーヒー産地より

パナマからヨットでダリエン地峡を抜けて、サンブラス諸島のヤニ島に寄り道し、コロンビア北部のネコクリに到着しました。メキシコで出会った同じように自転車旅をしてる犬連れのブラジル人、アラスカから下ってるカナダ人の2人の合計5人と1匹と自転車5台をパンパンに詰め込んだ船でした。コロンビア入りしてからは彼らとは別れ、各自好みの速度と手段で南下します。

コロンビアの北西部のコーヒーが有名な地域にあるカラフルな町ハルディンを訪ねました。アンデス山脈の山々に囲まれていて、尾根沿いの道を自転車で走っていると、見渡す限りのコーヒー畑が広がっています。

一見すると爽快で雄大な景色ですが、どこまでも続く畑を見ていてふと考えました。
ここで出来たコーヒー豆はどこにいくんだろう?
このコーヒー畑が出来る前は、どんな植物が生えていて、どんな景色だったんだろう?

地元の人に聞くと、その地域の豆は大体がスターバックスに流れるということだった。地元ではネスカフェのインスタントコーヒーを水に溶かして大量に砂糖を入れて飲むのが主流で、地産のコーヒーは観光地の洒落たカフェで使われるくらい。

日本でも喫茶店やカフェに行くとグアテマラ産やコロンビア産の豆をよく見るけれど、わざわざこんな地球の裏側から日本まで運ぶなんて不自然なのではないかと感じました。

豆を収穫している人から、その豆を使ったコーヒーが日本人の口に運ばれるまで、一体どのくらいの手間がかかり、いくつの業者が関わるんだろう?

高いところでは1000円近くする一杯のコーヒーのうち、一体いくらがこの地域の人たちに還元されるのだろう?フェアトレードのコーヒー豆ならまだしも、安いコーヒー豆なんかにはきっと誰かが損をしているカラクリがあるだろうと想像する。

例えそうじゃないにしても、豆の生産農家にとって生産量を増やさないと儲けにならないとしたら、この地域の畑はいつまでもどこまでも広がっていき、犠牲になった元々の動植物の量の割には地元の人は豊かになれず、いつかはコーヒー豆を作れる自然環境もなくなっていくかもしれない。

土地が死んだところで買取業者や輸出入業者は他の畑を探せば良いけれど、生産業者はそう簡単に引っ越すわけにもいかない。かといって生産農家にとって豆の買取価格が割に合わないとつっぱねてみたところで、買取業者にとっては無数にいる他の農家から買えば良いだけの話になり、末端の声は届きにくいと想像する。

フェアトレードコーヒーと売り出されてる事から、公平な取引にして搾取を無くそうとしている人たちもいる。でもフェアトレードコーヒーが売り出されるということは、不公平な取引がなされている証拠だろう。

コロンビアでの見渡す限りの広大なコーヒー畑と、日本のカフェでよく目にするコロンビア産のコーヒー。この2つだけが事実で後は全部妄想だけど、考える価値はある。あなたの今日飲んだコーヒーの産地はどこですか?

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