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【有名スポット】山形県鶴岡市の高館山展望塔に昇る

2024年某日、山形県鶴岡市の高館山に行ってきた。目的はただひとつ、有名な展望塔に昇るためである。

展望塔の場所はこちら(Googleマップより)

高館山の歴史は古く、1530年代から1622年頃までは山城が築かれていたというから驚きである。後述するが展望塔からの眺望は素晴らしいので当時の大名たちも楽しんでいたに違いない。

車同士の行き違いができない狭い山道を昇ると、それは急に現れた。

展望塔の全景

近くで見ると、思ったよりハイカラな見た目をしている

塔の入口は待合スペースらしきものが

入口の写真を簡単に撮って、さっそく昇っていく

有名な螺旋階段
壁面には地上からの高さが書いている
頂上に到着すると親切に海抜も併記している

す、すご〜〜〜!!!
(こんな絶景が観られるとは知らなかった)

鳥海山と庄内空港と日本海
月山と庄内平野

景色を眺めるのに夢中だったので、眺望の写真はこれくらい。
天気が澄んでいると佐渡島や粟島、飛島も見られるらしいがこの日は見えず。けれども予想外の眺望に感動したので大変満足だった。

螺旋階段の終わり(始まり)
天井や手すりの劣化も進んでいるのであまり触れずに…
比較的、窓ガラスは綺麗だった

景色を十分見たので螺旋階段を降りていく

四角い窓越しに撮るとキャンバスみたい
窓はアクリル板だった

階段の写真を撮らなかったが、比較的綺麗なコンクリート地で近年になって補修されたようだ。しかも見たところ清掃が定期的に行われているようである。ただただ頭が下がる。

さっきまであそこにいた

さて、展望台から降りてきて気になったのはこの展望塔がいつ作られたのかである。ネットで調べてみても年代が出てこない。
入口まわりを探しても礎石はなかった。。

が、展望塔の外側を右手から回ってみると銘版を見つけた。

見つけた銘版
外壁のモルタル吹付けがいい味を出している

銘版にはこう書いてあった。

鶴岡市展望塔
昭和37年8月竣工
鈴木式鉄筋コンクリート作望樓(望楼)
施工者
鈴木工業事務所

この展望塔は昭和37年(1962年)に作られた望楼で、今年で築62年を迎えるようだ。

望楼とは遠くを見渡すためのやぐらのことである。
他に物見やぐら(ものみやぐら)とも呼ばれる。

気になったので施工会社や住所を調べたが、会社名も出てこず、銘版の住所にも高層ビルが建っておりこの「鈴木工業事務所」がどんな会社なのか、今も存在するのかは分からなかった。

ただ調べてみると「鈴木式鉄筋コンクリート作望楼」(なんと特徴的な名前だろう)は昭和30年代に消防署の物見やぐらとして相次いで作られていたことが分かった。

この高館山展望塔も作られたのは昭和37年。
…ということは、この展望塔の起源も元は消防署の物見やぐらで、双眼鏡を持った消防常備員が3交代で見回りしてたのか?とか考えてしまったが、造られた理由や当時の様子は分からなかった。

ただ、消防署の鈴木式望楼の内部は梯子が掛けられているようだ(和歌山市に現存)。立派な螺旋階段が作られたこちらの望楼は初めから観光用望楼として造られたのだろう。消防用望楼を観光展望台として建設するとは、当時としては斬新なアイデアだったに違いない。

当時の道路事情も鑑みれば、大変な建設工事だっただろう

現在では色々と言われている展望塔だが、一番上の展望台に昇れば、360度の息を呑む絶景の回廊が現れる。先人たちの苦労も忍びながら行ってみてはいかがだろうか。


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