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【INTERVIEW / SWE】「勉強時間が短い自慢」が本質的!好奇心とデータで突き詰めるMonoxerの可能性

2023年4月にモノグサに入社し、エンジニアとして活躍する大橋さん。モノグサに入社するまでのキャリア、モノグサに転職した理由、大橋さんが感じるモノグサでの働きがいや、モノグサが実現する未来について詳しくお話しいただきました。


興味は幼少期から、数学とデータに興味を持ちエンジニアの道へ

――モノグサ入社までの経歴を教えてください。学生時代はどのような経験をされたのでしょうか?

大橋:昔から数学が得意だったので、大学では理系の学部に進学することに決め、最終的に東京大学理科一類に進みました。大学で様々な講義を受講する中で、情報系のものもありました。当時、情報系の講義や学科は今ほど人気がなかったのですが、私は違和感なく取り組むことができて、「あ、自分に向いているな」と思ったんです。そこから、情報系を軸にしていくことに決めました。大学院にも進学しそちらの分野を学んでいきました。

様々な授業を受けましたが、中にはかなり特殊な実験もありましたね。CPU実験というものなのですが、その名の通り、CPUを作るんです。ソフトウェアではなく、ハードウェアの方を作る授業でした。実はその時、モノグサCTOの畔柳さんとも出会いました。

当時、私が学部3年生で畔柳さんは修士1年生、TA(ティーチング・アシスタント)という教育補助業務を行う立場として関わってくださっていたのです。TAを担うのは大学の中でも優秀な方なので、後輩の立場からすると皆さん強く印象に残っているのですが、学生も多いので、個人としてそれほどお話しできたわけではありません。畔柳さんのチームがかつてCPU実験でとても優秀な記録を出していたので、とりわけ有名でした。

――学生時代からモノグサにつながるご縁があったのですね。ちなみに、大橋さんが情報系分野に違和感なく取り組めたとのことで、過去の経験が影響されているのでしょうか?

大橋:まず、幼い頃から計算が好きだったこと、仕組みを解明して自分でも使ってみるのが好きだったことが影響しているように思います。

幼稚園の頃、誰でも一度はお店屋さんごっこをしたことがあるのではないでしょうか。私もあるのですが、少し変わっていて、消費税を計算して商品の値段に加えて遊んでいたんです。なぜそこまで計算が好きだったのかルーツは自分でもわからないんですが、とにかく楽しかったんですよね。

好奇心が情報系にも向いたきっかけは、私が小学生の頃、父がプログラミングに興味を持って「Visual Basic 6.0(VB6)」を購入したきたことです。父は仕事が忙しくてほとんど手をつけられず、その代わりに私がハマっていきました。自力で参考書を読みつつ、プログラミングに取り組んでみるようになったんです。

小学校の頃はプログラミングで大したことはできませんでしたが、友達同士の悪ふざけに使ってみたり、飽きることなく使っていましたね。

中学校に入ってからは、プログラミンのスキルが初めて評価されることがありました。冬休み、数学の宿題で難問が出題されたんです。条件に一致するものが何通りあるかを求めるものだったのですが、自力で計算するには膨大なものでした。そこで私は、その計算をコンピュータにやらせてみようと思いつき、実行したんです。コンピュータに一度答えを出させることで法則が見えてきたので、それをレポートにまとめることができました。先生からすごく評価してもらえたことを今でも記憶しています。

先生には、「将来ハッカーになるんじゃないか」とも言われましたね。現在エンジニアとして働いているので、遠からずな道を歩んでいると思います。

高校でも、プログラミングを勉強に活かしていました。英単語などを入れて学習できるプログラムを作って、テスト勉強に利用していたんです。問題を出題してもらって、間違った問題は繰り返して出題させるものです。まさに、Monoxerの発想ですよね。

このように、身近なことに計算やプログラミングを使ってきた人生だったので、大学に入ってより論理の部分を学ぶ機会があったときも、抵抗感はなく、興味を持って取り組めたと思います。

――卒業後はどのような道に進まれたのでしょうか?

大橋:Indeed Japanに入社し、エンジニアとしてのキャリアを選択しました。大学院在学中に、リクルーターの方と食事をする機会があったんです。

当時Indeedはリクルートが買収し、事業を広げていこうというタイミングだったので、エンジニア人材囲い込みの流れがあり、私の所属していた研究室にもリクルーターの方が来ていました。

Indeedには約7年在籍していました。開発のみならず、社会人の基礎力から、英語まで、様々な学びを得ることができました。エンジニアとして関わった業務では、大規模な計算で求人の重複を取り除く、職種のタグをつけるなど、求人関係ならではの課題解決に取り組みました。

――その後、モノグサに入社するまでの経緯を教えてください。

大橋:実は、Indeed退職後すぐにモノグサに入ったわけではなくて、Indeedの元同僚と共同創業という形でスタートアップの立ち上げをしているんです。そもそも、なぜIndeedを辞めたのかというと、新しい仕事に挑戦して刺激を得たかったからでした。フィットネスに関するアプリを提供する会社を作ろうということになったんです。ただこれが、思うように進まず、アプリを作れてもそこにお客さんをつけるという部分でうまくいかなくなったんです。対策を考えていたとき、そもそもフィットネス分野が自分のやりたいことではないと思い、きっぱり辞めることを決意したんです。

そこから半年ほど、たまたま募集があったPreferred Networks(PFN)の機械学習関連のアルバイトに従事していました。機械学習のコアの技術、基盤になる技術を学べると思い、働きながら学習できる良い機会だなと思ったんです。

モノグサとの出会いがあったのはこの後になります。
競技プログラミングコンテストを開催しているAtCoderが放送番組を行っているのですが、そこにスポンサー企業としてモノグサのCTO畔柳さん・SWE深谷さんが出演されていました。そこで、モノグサのビジョンなどを聴いてビビッと来たんです。

学生時代から学習プログラムを組んで使っていたこともあって、実際にMonoxerを使う前からその効果を確信できました。

また、その時、モノグサが課題としていることとして、「Monoxerには学習履歴データがたくさんあるが、解析する人材がいない。そういったことに力を入れていきたい」という旨の話にも惹かれました。私の中に、「こういうアプローチをしたら解決できるのでは?」「この技術を使えば難易度や記憶度の分析に使えるのでは」という具体的なイメージが湧いてきました。思わず生放送のコメントに書き込んだほどです。そのくらい、一度の放送を聴いて明確に、自分なら絶対にできる、やりがいがありそうと感じられたんです。

その後、モノグサとコンタクトを取り、入社が決まりました。

モノグサはデータ活用でさらに進化する

――モノグサのエンジニアとして、大橋さんがどのような業務を担当されているのか教えてください。

大橋:職種としてはSWEなのですが、立場としてはデータエンジニアに近いです。

入社して、まず担当したのは学習履歴にまつわる課題を調査し、解決する業務です。もう少し具体的にお話ししますと、各学習コンテンツを完遂するのにそれぞれ何時間かかるのか、明確にしていったんです。

例えば、Monoxer上でも販売している有名英単語教材を学習しきるのに、58時間かかることがわかりました。こういったことをデータにして持っている人は、他に世の中にいないのではないかと思います。結構大変な取り組みだったのですが、価値あるデータを作成できました。

今は、こういったものを始め様々なデータを作りやすい仕組みを作ろうということで、データウェアハウス構築を目指す業務に携わっています。

――データウェアハウスの構築によってどのようなことが実現できるのか教えてください。

大橋:例えば、蓄積したこれまでのデータから、個人差のようなことも解析できると考えています。同じことを憶えるにも、1、2回で憶えられる人、5、6回やらないと憶えられない人がいたりしますよね。初期のMonoxerにはデータが蓄積されていないので、個々の記憶度を管理することが難しかったんです。今後、データウェアハウスを構築することで、データに基づいた記憶度を導くことが可能になると考えています。ユーザーの方に、「自分ならこのくらいの時間をかければ憶えきれる」といった指標を与えることもできます。個別の最適な学びの提供が可能になります。

これは、私が今一番取り組みたい課題でもあります。

――やりがいやモチベーションにつながっていることは何ですか?

大橋:モノグサは、これまですべてをデータで判断するカルチャーではなかったと思うんです。

それこそ、Monoxer開発当初は学習データが存在しないので、データ以外のことから予測して考え動く必要があったと思います。今は様々なデータが蓄積されて、活用しがいのある環境になってきていると思うのですが、現在働いている皆さんがとてもクレバーであるがゆえに仮説立てでうまく進行させていく力もあって、データが活用されないという場面も多いと思うんです。

データで検証できることは多くあると思うので、活用されるように貢献していきたいと思って取り組んでいます。

好奇心は強い推進力 "勉強時間短い自慢"ができる世界を目指して

――これまで大事にしてきた軸、これからも守っていきたいことはどういったことなのでしょうか?

大橋:好奇心に従うということでしょうか。軸というより、振り返ってみるとそうだったという方が正しいかもしれません。興味を持って真剣に取り組んだことが、結果として成果につながったという経験が自分の中にあって、好奇心に従うと良いことが起こるというイメージになっています。

私は「これを大事にしよう」と決めて動いたことはあまりないですね。例えばキャリアにおいてはエンジニアという職種こそ一貫してはいますが、それ以外は比較的無軌道なタイプです。唯一大事にしてきたと言えるのが知的好奇心なんですよね。

好奇心が成果につながりやすい理由は、「なぜやりたいか」という理屈抜きに真剣に取り組むことができるからだと思うんです。

逆に言えば、好奇心無しに物事に取り組むのは結構難しいことだと思います。ただ、誰しも興味のあることに携わっていけるわけではないですし、対価をいただくことで成立することはありうると思います。私自身、過去の仕事においてイマイチ共感できない、興味を持って取り組めないこともありました。そういうことは、給与などの対価があるから続けるわけで、例えば1億円手に入れることができたら辞めてしまうだろうと思うんです。

対価なし、見返りなしにやりたいと思う好奇心は、仕事においてだけ言えるものではないと思います。

私はまだマイナーだった頃に競技プログラミングを始めていて、趣味でAtCoderの問題に難易度推定をつけていたことがあります。これは公開していて、現在10万人以上いる競プロerのほとんどに認知されています。何かしら対価を得たくてやっていたわけではなく、本当に好奇心で始めて、結果として多くのユーザーに貢献できたという一つの例だと思います。

今、モノグサのアプローチ、その中での私の担当領域は、まさに興味を持って取り組めるものだと思っています。仕事でも仕事以外でも、好奇心は大事にしていきたいですね。

――大橋さんの興味の中心に、数学やデータといったものがあると思いますが、どのようなところに魅力を感じているのでしょうか?

大橋:そうですね、まず、数学というのは必ずしも現実的でない数字も用いた論理を突き詰めていくものだと考えています。一方で、データ分析などは、現実世界のことを数学の力でシャープにするアプローチです。数学で論理を学び、データ分析で現実とのギャップを埋めていく、そういう過程が面白いなと思います。AtCoderが扱う問題などは、まさにそれですよね。

いろいろ学ぶ中で、私はどちらかというと数学といった論理を突き詰めるよりも、現実に即して用いていく方が向いていると思ったので数学者の道は目指しませんでした。いずれにしても、世界を面白く測るアプローチには魅力を感じます。

――Monoxerを通して、大橋さんが実現したい世界について教えてください。

大橋:学生の方に限らず、全ての人が長時間勉強したことではなく、「勉強時間が短い自慢」をするような世界にしたいです。

記憶は思考の道具です。何かを作ろうと作業机の前に立っても材料がないと作れないように、記憶は考える上で必要不可欠なものだと思います。記憶していないからインターネットなどで調べるということもできますが、時間がかかりますし、負担になります。作業机の前からいちいち動くのは面倒ですよね。効率的に考えるためにも、深く創造的な思考をするためにも、記憶は必要だと思います。

ただ、記憶することは大事ですが、その過程の勉強にかける時間自体は成果ではないと思っています。時間は人にとって一番貴重なリソースです。学習にかかる時間はコストでしかないと思います、短い時間で成果が出るに越したことはないですよね。

しかし現状は、学習時間しかプロセスを測る尺度がないので、学習時間の多さが価値になってしまっている側面がありますが、Monoxerのデータを応用して学習者にとって本質的な学習記録データを提供したいです。

本質は、「記憶は大事、かける時間は効率的に」ということだと思っています。
記憶が効率的に短い時間で行われると、また別のことを記憶できる、そしてさらに深い思考ができるという、良いサイクルが生まれるはずです。
Monoxerによって、そしてこのMonoxer自体がデータを駆使して進化することで、この世界観は実現できると確信しています。

モノグサ株式会社では一緒に働く仲間を募集しています。
少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話しましょう!

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