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【モノグサPdMシリーズ vol.8】モノグサ的、新サービス企画の進め方

みなさん、こんにちは。モノグサでMarketplace領域のプロダクトマネージャーをしている岩楯と申します。このモノグサPdMブログ3回目の登場です。以前のブログは下記からご覧ください。

今回は新サービス(新機能)の開発を始める前に、どのように仮説を立てるのか、どうやって仮説検証するのか、についてモノグサPdMが何を考えてどのように動くのか、について私自身の経験をもとにお伝えしたいと思います。

なお、2024年5月時点で現在進行形で企画を進めている内容になるので、詳細を書けない部分も多くある点ご容赦ください。

ちょうど1年前くらいのことです。入社から半年弱が経ち、モノグサ生活に慣れてきた頃にCTOとの1on1で「岩楯さん、前職で新規事業立ち上げやられていましたよね?モノグサでも新サービスを考えてください。できるだけローリスクで高いリターンを狙えたら嬉しいです。内容はなんでもいいです。」と切り出されました。

「やらせてください。」

考えるより前に反射神経で返事をしていました。過去10年ほど、新規事業や新サービスの立ち上げに取り組んできたので、その過程で学んだうまくいった点やうまくいかなかった点を活かすチャンスだと思いました。


過去の反省

私が以前に立ち上げようとしてうまくいかなかった新規事業には、下記反省点がありました。

  • 自社の強みを活かすことを考えれていなかった

  • ユーザーのどんな課題を解決しようとしているのかが曖昧だった

  • 既に存在している解決策との差別化が曖昧だった

今考えると「そりゃうまくいくわけないよ」という反省点ばかりです。
逆にうまくいった新規事業では、上記は潰せていたものの、「リリース後の販売方法や販売管理に気を配れておらずロスが生じた」「プライシングを間違えて利幅が少なかった」といった反省点もありました。
今回モノグサでチャレンジする際には上記の反省点を踏まえて企画をしようと決意しました。

自社理解と顧客理解

まず最初にやったことは自社の強みと既存顧客の理解です。モノグサは現在、主に学習塾・予備校や学校に向けてB2B2Cモデルでサービス提供をしています。社内でも塾・予備校向けと学校向けにセールスとCSの部隊が分かれているので、各領域の担当者に「顧客はなぜMonoxer(サービス名はMonoxer、会社名はモノグサと表記分けています)を契約してくれるのか」、「なぜ契約更新してくれるのか」、「いまのMonoxerでは解決できていない課題は何か」を聞いてまわりました。

また、日々Slackに顧客からいただいたお褒めの言葉や叱咤激励が投稿されているので、それらも遡って読み込んでいきました。加えて、セールスの商談録画もGoogle Driveに保管されているものもあるので、Slackで気になった商談は録画も見るようにして、言葉のニュアンスなどを理解するように努めました。

次はアイデア出しです。社内有識者からインプットしてもらった自社の強みや顧客についての理解をふまえて思いついたアイデアについて、リーンキャンバスを埋めていきました。これは!と思ってもリーンキャンバスを埋めていくと埋められない箇所が出てくるものです。それらは没にして、アイデアを選別していきました。
その過程で同僚に壁打ちをしてもらい、新しいアイデアを出したり、既にあるアイデアを磨いたりしていきました。

(出所:https://notepm.jp/template/lean-canvas

アイデア出しの中で常に念頭においていたのが「アンゾフマトリクス(下図参照)」でした。新規x新規の飛地には行かないということを常に意識していました。派手さよりも手堅さ。

結果として、5つの案を出し、CTOや他の役員、VPにもプレゼンをし、継続検討する案を一つに絞り込みました。既存市場に向けた新規製品(新サービス)の開発検討をすることになりました。

仮説検証

ここまではあくまでもアイデア出しであり、その案の妥当性、つまり仮説の確らしさについては入念には確認をしていません。確認したいこととしては、大きく下記2点があります。

  • 今考えているアイデアはお金を払ってもらえるのか

  • お金を払う人はどれくらいいるのか

リソースを割いて開発してもお金を払ってもらえなかったらビジネスになりませんので、お金を払ってもらえるのか、の確認はとても重要だと考えます。

プロダクト開発の教科書的にはいわゆるMVPを用意してニーズの確認をする、というところです。古典的なMVPの手法としては新商品、新サービスのLPと事前登録フォームを用意して、事前登録者を募りニーズ検証をする、といったものが挙げられます。

この記事では詳細を割愛しますが、結果として非常にミニマムにニーズ検証を行うことができ、「ニーズはあると言えそう」という判断をすることができました。

ユーザーインタビュー

ニーズはありそう。となってもそれですぐに開発に着手できるわけではありません。課題、ニーズがあることはわかっても、ソリューションを誰にどのように提供するかを決定するまでには至りません。

ユーザー理解が足りていないので、ペルソナもカスタマージャーニーマップも机上の空論になっている不安が強くありました。この時点での仮説でターゲットは高校生であったため、高校生の理解を深めようと思いました。また既にMonoxerを使っている高校生の場合、バイアスが働いてしまうとも思ったため、Monoxerを利用していない高校生にフラットにインタビューをしたいとも思いました。

問題は私が40歳のおじさんで子どももまだ幼稚園なので、身の回りに高校生の知り合いなんていないことです。そこで自分の身の回りで高校生の子どもがいる方にお願いをして話をきかせてもらいました。合計15名の高校生に話を聞いて理解を深めることができました。

高校生に向けたサービス企画をしていると、ついつい自身が高校生の時に経験したことを前提に思考してしまいがちなのですが、20年以上の時間が経っているので変化している点も多々あります。自分の経験をunlearnして現在の高校生の実態を理解することが大切です。特に、近年は総合型選抜(かつてのAO入試相当)での受験を検討する高校生も多いので、入試対策に関する考え方や普段の行動が自身の経験と大きく異なる点をインタビューから学ぶことができ非常に示唆が多かったです。

ペルソナ・CJM

インタビュー結果をデザイナーと整理して、ペルソナとカスタマージャーニーマップを見直していきました。ペルソナはより具体的になり、カスタマージャーニーマップも前後がながくなりました。ユーザー理解が深まり解像度が上がった成果だと思います。

そして、Figmaでプロトタイピングをして、今度は実際にMonoxerを使っている高校生に実際に触ってもらって、ユーザビリティ上の懸念がないかを確認しました。
ユーザビリティテストに参加してもらう高校生は既存顧客に依頼をして、快く引き受けていただくことができました。普段からBizメンバーが顧客と良い関係を築いてくれていることに大感謝です。

プロトタイピング段階で、「これは伝わらないのではないか」「これはわかりにくいのではないか」とエンジニア交えて議論が起きていました。ですので、それらをテストシナリオに盛り込んで、実際にエンジニアにもユーザビリティテストにテスターとして参加してもらい、ユーザーの生のリアクションを観察してもらうようにしました。
結果として、事前に懸念したことは杞憂であったことがわかりました。その日からチーム内では「わからないことはユーザーに聞こう」がグラウンドルールとして掲げられることになりました。

設計・実装

プロトタイピングを経て、初期スコープに含めるユーザーストーリーを絞り込んでいきます。あれもやりたい、これもやりたい、という気持ちを抑えて、一番やりたい仮説検証をできるだけの最低限に絞り込んでいきます。着眼大局、着手小局。

ユーザーストーリーの絞り込みとそれに関連するビジネス要求をドキュメントにまとめて、EMはじめSWEに設計と実装タスクのブレイクダウンをお願いします。

モノグサでは設計段階でDesign Docのフォーマットで検討し、関係者との認識合わせと合意形成を進めます。
設計が済むと実装タスクの粒度にJiraチケットを作成し、進捗を管理していきます。

実装以外のPdMタスク

設計・実装以降はSWE中心にタスクが進行していきます。その間、PdMは実装以外のリリース準備タスクを進めていきます。今回の新サービス企画では、法務面での規約の準備や経理処理のルール整備、ユーザーからの問い合わせ対応体制の整備などがあります。
また他社との協業も必要なので、そのための契約書タームシートを作成したり、といったことも担当しました。
そして一番大事だと思っているのが、どのように顧客開発をするかのGo To Market戦略の立案です。ここはBizメンバーと協働して練り上げていきます。

これから

この記事を執筆時点ではまだ新サービスのローンチはできていません。今後、実装と準備を進めてローンチまで漕ぎ着けたいと思っています。
具体的なサービス内容についてはローンチ後に紹介したいと思います。また、PMFを目指していく過程についても改めて記事にできればと思いますので、楽しみにしていただければと思います。

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