見出し画像

当分はここで書きます。

 2004年から「土田頁」というブログを続けていた。その前年、ロンドン留学の間に書いていた「ロンドン日記」がわりと評判が良かったので、帰国後もブログを続けようということで始めたものだった。そういえばこの時は当時の劇団メンバー全員で同時にブログを始めることに決まり、私の「土田頁」の他には、水沼君が「ぬるいスポーツ研究」、尾方君が京都の観光案内、金替君は「金替印刷 今日も増版」というタイトルで同時にスタートした。奥村君は「舞台美術のなんかをやります」と言ったきり何も始まらなかった。水沼君と尾方君は何度か更新したがやがてストップ、金替君もタイトルに反してすぐに増版されなくなった。そんな中「土田頁」だけは奮闘していたと思う。最近は更新されなくなっていたけれど(最後は昨年の8月!)、一時期などはほぼ毎日書いていた気がする。「舞台は観たことないけれどブログは読んでいます」と言われることも多く、その時々に感じたモヤモヤを言葉にすることで私の精神衛生も支えてくれていた。しかし日常の些事はTwitterで呟くようになってしまい、ブログという形式自体がさびれていくのに比例して「土田頁」も更新されなくなった。私の生活の中からもブログを書く習慣はすっかり消えた。

 私は、人と話すことで自分の考えを知るタイプだと思う。企画を出す時も、一人で机に向かっている時はどんなに頑張っても浮かばないくせに、打合せで人を前にして喋り出すと急にアイデアが出てくる。「そんなのいつから考えてたんですか?」と聞かれたりするが、実はその瞬間だったりする。相手がその案に驚いてくれている時は自分も驚いていたりするのだ。

 ブログの更新はそれに似た役割を担ってくれていたのだと気づいた。書きながら自分の考えを知り、アイデアを発見する。書くことは考えることだ。しかし、ただの日記では足りない。「他人が読むかもしれない」というかすかな緊張感が必要なのだ。自己確認を他者の存在に頼ってきた私にとっては、ぶつける対象がないと効果が薄いのだ。そもそも演劇をやっているのだって、存在不安を和らげる自己救済に近いと思っている。

 そんなこんなで「土田頁」を復活させようと思った。140字ではおさまらない文章を書くことは私にとって必要なのだ。けれど、サイトを覗いてみるとPC画面ではきれいに表示されなくなっていた。フォーマットが変わってしまっているようだ。シーサーブログを使っていたのだが、用意されているテンプレートではなく、デザイナーさんに作ってもらいカスタマイズされたものだったので自分では直せないのだ。いや、やればできるんだろうけど面倒だしね。

 ということで、これまでの『土田頁』はアリモノのテンプレートに戻して残すことにして、新しいものはここで書く。私の感覚だとnoteは意見などを書くの適していて愚痴を書き連ねるには不向きな感じがするけど……当分はここで書きます。

これまでの『土田頁』は以下にあります。

http://tsuchidapage.seesaa.net/



 
  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?