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技術力を強みに10年連続20%の成長。エンジニア・データサイエンティストがモノタロウを選ぶべき理由

※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。


ITとデータサイエンス、マーケティングなどの専門性を掛け合わせた戦略的意思決定を担うCTO/CMOの久保さんに、当社の成長を支えてきた試行錯誤の歴史や、仕事を通じて成長したい人材がモノタロウを選ぶべき理由などを伺いました。

人材もサービスも、希少価値の源泉は専門性の掛け合わせ

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――久保さんのモノタロウでの職務について教えてください。

CTO/CMOとして、会社の約三分の一を占めるテクノロジー系人材に対しビジョンを見据えた意思決定をするのが今の役割です。モノタロウの強みや競争力を培うべき分野はどこか、そのために取るべき具体的なアクションは何かを、当社の事業とコンピューターサイエンスやデータサイエンスをひもづけ、戦略立案しています。
データマーケティングの部門長も兼任し、プロダクトマネジメント、テクノロジー、マーケティング、UI/UXデザイン、データサイエンスを統括するジェネラルマネジャーとして組織運営を担っています。

――2014年にモノタロウに入社されるまでの経緯を教えてください。

1社目はSIer、その後自社サービス開発に携わりたく楽天に転職しました。約2年間、楽天市場のランキングサービスの基盤づくりなどIT+プロダクトの仕事をした後、再び転職。2年ほど、マーケティングプロダクトの開発にエンジニアとデータサイエンスの両面で関わっていました。また、お客さまのデータをいただいて分析レポーティングをする、データ分析×マーケティングの仕事も経験もしました。
当社に入社したきっかけは、当時、楽天にいたときの同期から「面白い会社があるよ」と誘われたことです。2013~2014年当時、当社は売上400億円ほどの知る人ぞ知る会社でしたが、調べてみると真っ当なビジネスで業績も伸びていました。面白い会社だなと思い、2014年に入社しました。

――これまでのキャリアで身につけられたエンジニア、データサイエンス、マーケティングという複数の専門性が、モノタロウでのお仕事につながっているんですね。

いえ、というよりは、自社でサービス開発をしている当社だからこそ、複数の専門性を掛け合わせて、お客さまにより良い価値を提供することができている、というのが正確だと思っています。
私は以前から、エンジニアが一つの分野で戦い続けていくのは非常に難しいことだと考えています。エンジニアは愚直なエンジニアリングに目が行きがちですが、専門性を掛け合わせたエンジニアの希少価値は高く、これから求められるのはそうした人材であると思います。当社でもこうしたキャリア形成を応援しています。

内製の強みはシステムを「突き詰められる」こと

ーーモノタロウは10年連続で20%という高成長を続けていますが、Tech領域においてはどのような取組みをされてこられたのでしょうか。

当社は創業当時から基本的には自前志向です。基幹システムからお客さま向けのサービスまでPythonで開発を始め、最初の10年間は事業の成長に合わせ、試行錯誤を繰り返しながらシステムをスケールさせてきました。
また、競争優位の状況を作り出すために、創業以来、データの規模を顧客体験へ活かすということに愚直に取り組んできました。
加えて、定量データからは「なぜそうなっているのか」の因果関係は読み取りづらいですから、仮説の精度を上げ、サイトの利便性を向上し続けるために、お客様の声・認知や感情といった定性的なデータが重要です。これを短期間で仮説検証し、確信を持って展開してきました。

――自前志向でシステムを内製化されてきたことは、やはり大きな強みになっていますか?

そうですね、データを基に仮説を立ててどんどんトライしていく風土があるので、自社でのシステム開発がマッチしています。外部の開発ベンダーに委託することも可能ですが、自社でシステム開発を行うことで得られるスピードや柔軟性は間違いなく強みになっています
現在は、レコメンドや検索などSaaSでもサービスがありますが、汎用的な機能ではお客様のニーズを高度に実現することはできません。自社で突き詰める部分は突き詰める。それが競争優位性を高めることに繋がると考えています。
一方で、自社開発に固執しているわけではありません。技術やイノベーションにオープンな風土もあるので、良いサービスがあれば外部のものでも積極的に取り入れています。外部サービスを検討する際も、自社で開発した経験がないと良い選択はできないものですが、その点でも、当社が自社開発をしてきたことは生かされています。

システムと組織の抜本的変更で高成長ゆえの課題に対応

――試行錯誤を繰り返して今があるのだと思いますが、失敗談はありますか?
提供した機能がお客さまに受け入れられなくても、そこから新しい知見が得られます。失敗の定義が再利用できない経験だとすると、再利用性が高い失敗をたくさんしているので、これは本当にダメだったという失敗は正直ありません
ただ失敗談ではないのですが、事業成長が早いがゆえの課題感は常に感じています。スケーラビリティを求めつつ、早い事業成長の中でITシステムを良いかたちで作り続けるのはやはり難しいことです。例えば、パーソナライズしたデータでお客さまごとに違う体験を提供したいとしても、ITシステム的にできないので待ってください、ということがこれまでも発生しています。今後の10年、そしてそれ以降を見越して、現在は抜本的な作り直しを急いで進めているところです。

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――服がどんどん小さくなって着られなくなるように、成長しているからこそ変えなければいけないこともあるんですね。

成長しているからこそ前もって次の手を打っていかないと、人が増えたときに機能しなくなりますので、そういう危機感を持って、様々なアクションを実施しています。それは組織や意思決定の方法についても同様で、例えば今年のコロナ禍の中でも、当社はTech組織を大きく変えました。
組織が大きくなると、意思決定を一人で行うことは難しくなり、コミュニケーションに困難が生じますので、意思決定ができる権限と情報の両方を現場に渡すことが必要です。
そのため、1つのプロダクトチーム(当社では「プロデュースチーム」と呼んでいます)の中にエンジニア、データの専門家、ビジネスを考える人がいる垂直統合型の組織にして、そのチームで素早く意思決定ができるようにしました。加えて、未経験者でもマネジャーやチームリーダーなどに積極的に登用して、チャレンジしてもらっています。
また、当社はシステムの根本的な変更にも意欲的です。当社の最大の強みであり差別化ポイントの1つがテクノロジーであるということを、CEOを含めた経営層が明確に認識しているので、抜本的なシステムの変更に躊躇がなく、意思決定もスピーディーです。

世界を舞台に活躍できるフィールド

――今後の事業の展望を教えてください。
EC事業の成長の源泉には、世の中のオンライン化による市場自体の成長と、お客様の支持があります。当社はおかげ様で、ここ10年は約3~4年で売上が2倍になるスピードで成長していますので、これから10年程度で売上が5千億円規模になることを想定しています。5千億円以上の規模のデータやトラフィックをしっかりと扱えて、かつお客様ひとりひとりに最適化できるよう、サービスを洗練させていくことが必要です。
また、サプライチェーンなど物理的なモノが動く部分の課題を解決することがこれまで以上に重要で、そういう意味ではバックエンド側のテクノロジーもスケールアップをしていきたいです。

次に、新たなテクノロジーを随時導入していくことです。2010年代にモバイル、クラウド、AIといった分野が急速に発展したように、2020年代においても、テクノロジーの進化とともに顧客接点や顧客行動が変化していくことを見越した対応が必要です。できれば自分たちが新たな顧客体験を生み出せる存在になりたいとも考えています。

そして今後は、当社の間接資材ECのビジネスモデルを世界に広げていきます。間接資材購買のオンライン化は、実は世界的に見ても非常にユニークなビジネスモデル。10年間チャレンジを続け、韓国、インドネシア、中国にも進出を果たしてきました。中国は残念ながら撤退することとなりましたが、今後はインドという大市場に進出します。グローバルシステムの構築は、国内ECシステムの構築とは全くレベルが異なります。ただ、一度横展開できるスケーラビリティを持たせることができれば、今後グローバルなチャレンジをどんどんできるようになると考えています。

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――最後に、エンジニアやデータサイエンティストが、モノタロウに入社すべき理由を教えてください。

大きく三つの理由があります。一つ目は、当社の事業が社会に必要とされているから。モノタロウは、国内の製造業をはじめとした、事業を行う方すべてを支える仕事をしており、お客さまと社会からの支持をいただいてこれまで成長してきました。自らの仕事によって、社会で必要とされる価値を提供できているという実感を持てるということは、大きなやりがいに繋がると考えています。

二つ目は、良い成長に大きな規模でチャレンジできる環境とカルチャーが揃っているから。成長途上で500人に満たない会社なので、大きな裁量を持って、スケールがある根本的なチャレンジができます。

三つ目は、当社の行動規範の一つですが、「他者への敬意」を持って仕事ができるから。社歴に関わらず大きな仕事が任されますし、それはお互いに敬意を持って仕事をするという創業以来のカルチャーが徹底しており、誰もが協力的であるからこそ実現できることです。
また、全社員が毎週全経営陣にレポートを送っていて、通常は現場の人間しか知らないことが経営陣にも毎週きちんと伝わり、フィードバックもあります。それが透明性と改善速度につながっています。これらのベースに、「お互いに敬意を持って仕事をする」という行動規範があり、新しいことへのチャレンジにもつながっています。

以上の三つの相乗効果によって社員ひとりひとりが前向きに働くことができれば、お客さまへのより良い価値提供へと繋がります。当社で働く社員に良い環境を提供できるというよう、このサイクルを20年間続けてきましたし、今後も続けていきたいと思っています。

モノタロウでは共に働く仲間を募集しています!