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プライベートブランド商品のブランド価値を高める。モノタロウの品質保証グループ発足の裏側。

※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。

事業者向けEC企業であるモノタロウでは、2000万点以上の間接資材(※業務を進める上で必要な備品)を取り扱っており、その中で34万点以上のPB(プライベートブランド)商品を販売しています。PB商品とは、小売や流通などの自社で商品を生産しない業態の企業が、オリジナルで企画・設計した商品を指します。当社では、ナショナルブランド(※メーカーが展開している商品ブランド)の中から売れ筋の商品を中心にPB化を進めています。品質を維持しながらリーズナブルな価格で商品を提供することがミッションです。

PB(プライベートブランド)商品例:詳細は下記サイトでご確認ください。 https://www.monotaro.com/topic/monotarobrand/

モノタロウでは、「求める品質レベル」を「ユーザーに満足いただき、リピートして選んでいただける状態」と定義し、「現場の人に最も選ばれるPB商品」を目指して、商品開発を進めています。品質という観点では、機能性・安全性・耐久性が担保できていること、不具合が起きないことを目指して、販売前に作り込みを行います。

その中で、属人的な品質管理から組織として安定した品質管理を行うため、2022年に品質保証グループが発足しました。これまでは、開発担当が品質管理も担っており、長年の知識や経験に基づいた運用になっていました。しかし、事業の拡大に伴い人員増加が進み、同じ目線での品質チェックが難しいことが課題でした。ベテランと新人のギャップを埋め、組織的にモノタロウの品質を確立させることが品質保証グループの役割です。今回は、発足したばかりの品質保証グループで活躍する社員2名にインタビューを実施しました。

■庄司さん (写真左)
所属:商品開発部門 PB品質保証グループ グループ長
経歴:生活用品メーカーで、寝具用品/ヘルスケア用品/ペット用品などの品質管理を担当。その後、生活用品を扱う商社で照明製品の品質管理を経験。
■深田さん (写真右)
所属:商品開発部門 PB品質保証グループ
経歴:書道用品メーカーで海外営業/購買/品質管理を幅広く経験。その後、機械専門商社で海外営業、ペット用品メーカーで品質管理を担当。

■転職活動について

Q1.モノタロウとの出会いについて教えてください。

庄司
正直、転職は全く考えておらず、「今の会社でこのまま定年まで働き続けるのだろう。」と漠然と考えていました。しかし、転職した後輩から話を聞く中で、他の会社を知ってみたいという興味が湧き、転職活動を始めてみました。その後、知人の紹介でモノタロウと出会いました。

前職で多種多様なカテゴリーを経験してきたと自負していましたが、それを上回るカテゴリー数の品質保証を担当することができ、前年比120%の売上成長を続けている勢いのある会社なので魅力しかなかったです。これまで扱ってきた商品とは別物ですが、過去の製造や品質管理での経験を活かせると思い、転職を決意しました。

深田
メーカーでの品質保証を長年経験してきましたが、同じような商品で、同じような課題に対応している状況で、このままで良いのかと自問自答し始めたことが転職のきっかけです。他社について調べていくうちに、商材や経験の幅を広げられる可能性を感じ、転職への想いが強くなりました。

その中で、モノタロウの求人を紹介していただきました。当初は、商品に対してサイト上の細かな商品情報が豊富で面白い取り組みをしているなという印象で、お話を聞いてみたいという思いで応募しました。カテゴリー数は多いですが、各カテゴリーの開発担当/調達担当と伴走する形で品質基準を作っていくというお話を聞き、様々な商品を見ていきたいと考えていた私の転職理由とマッチした形となり入社を決めました。

当社では、PB商品の開発を「開発担当」と「調達担当」のペアで行っています。
詳細は下記のブログをご確認ください。
https://note.com/monotaro_note/n/nf0faa6900d0b

■モノタロウでの仕事について

Q2.品質保証の仕事について教えてください。

庄司
私が入社してから品質保証グループが発足したので、商品開発部門長と二人三脚で品質管理の仕組み作りをするところからスタートしました。商品開発のフローのどこから品質保証として関わっていくかといった運用体制を改めて一から構築しました。

品質保証では、販売までに課題を解決していき、モノタロウの規準に見合った商品の品質を担保することが主な仕事です。十分な品質を満たしていない商品を世に送り出し、問題が起きてからでは遅いので、開発担当/調達担当とチームを組んで、入念に品質管理を行なっています。

Q3.深田さんは入社してまだ9ヶ月ということですが、入社後のギャップはありましたか?

深田
入社後の所感としては、スピード感と想像以上の商品数の多さに驚きました。現在は、月に約30アイテムをチェックします。前職のメーカーでは考えられないことで、経験の幅が広がっていることを実感しています。

私が入社した直後は、庄司さんや開発担当/調達担当の方に教えてもらいながら、徐々に仕事を進めていきました。これまでの経験と共通する部分もあったので、調べることはたくさんありますが、問題なくキャッチアップできています。

Q4.具体的な業務フローについて教えてください。

庄司
開発担当/調達担当が採用したい商品のサンプルを確認するフェーズから伴走します。ユーザーが求めていることを想定し、現場の方に満足して使っていただけるよう、担当者と一緒に評価検討を行います。品質基準について何が必要なのかをすり合わせて決めていくイメージです。その後、商品を販売するために必要な内容をエビデンスとして揃え、抜け漏れがないよう慎重に確認します。商品価値を高めるために、問題が起きないよう、日々のちょっとした気づきを大切にしています。

モノタロウの良いところは、開発担当/調達担当とチームを組んで、商品企画から販売までを一貫して行うところです。一般的な企業では、商品開発と品質保証に垣根があり、違う部署として動くことが多く、情報共有がスムーズに行われず、意思疎通に問題が生じることもあります。

開発担当/調達担当の皆さんは、担当カテゴリーについての商品知識が豊富で、品質保証側としても安心ですし、新たな気づきも得られます。そこに品質保証としての目線を入れて評価検討を進めます。担当が違ってもフラットに情報や意見を交わせる点がとても良いと思います。

その後、工場監査を行います。当社は製造機能を有していないため、商品の生産は外部工場に委託しています。そのため、品質を保つためには、委託先工場との連携が重要で、チェックシートを用いて標準的に商品が作られてるか確認します。商品数が膨大であるため、取引がある工場数も多いです。そのため、実際に訪問することもありますが、開発担当/調達担当に代理で対応していただいた報告書の確認やzoomを繋いだオンライン監査を行うことで対応しています。

Q5.メーカーの品質保証は聞き馴染みがありますが、EC(小売)の品質保証はイメージが持ちにくいように思います。「メーカーの品質保証」と「EC(小売)の品質保証」の違いを教えてください。

庄司
品質保証としての枠組みから違います。メーカーは商品の設計段階から携わるため、ゼロベースからスタートします。ECは、工場を持っていないため、商品サンプルを仕入れる段階から携わります。完成している商品に対して、品質を担保するために必要な評価試験を実施していきます。

メーカーとECの両者ともお客様に満足いただける商品を提供することは同じです。ECに属する当社も商品を製造していませんが、あらゆる手段を使って品質の維持管理をすることが品証保証のミッションです。

深田
メーカーの品質保証では、ある特定のカテゴリーに特化し極めていきますが、ECの品質保証では、様々なカテゴリーに対して柔軟に対応しなければなりません。ただ、品質に対する考え方は共通しているので、問題なく品質保証の仕事ができています。メーカーと比べて業務が分業されていないため、品質保証の業務を幅広く経験できます。

また、ECはデータを細かく蓄積しており、結果をダイレクトに把握できることが強みです。販売実績・商品レビュー・カスタマーサポートでのお客様の声などからユーザーの思考行動を予測しています。メーカーの場合、お客様の特徴的な声を拾うことはできても、売れ行き動向などのデータまで見ることができないケースが多いです。「自分たちで売り場を持っている小売の強み」「お客様の動きをデータで把握できるECの強み」を兼ね備えていることがモノタロウの魅力だと思います。

Q6.モノタロウのブランド価値を高めるために意識されていることは何でしょうか?

庄司
モノタロウは、製造業や建築業などの現場で働くプロの方たちに使っていただく商品を扱っており、その方たちに選ばれるPB商品を作っていく必要があります。お客様視点での行動心理に寄り添い、改善すべき項目はきちんと改善しながら、品質管理を徹底することを意識しています。

深田
モノタロウで買って良かったと思っていただける商品を世の中に送り出したいと考えています。お客様からの商品レビューで、マイナスなコメントをいただくこともあります。それを真摯に受け止めて地道に改善し、ブランド価値を高めていきたいです。

Q7.モノタロウならではの品質保証のやりがいを教えてください。

深田
モノタロウはとにかく商品数が多いです。見たことも聞いたこともないような商品がほとんどで、品質を担保できる基準には、どのようなものがあるのかを調査した上で品質基準を決めていきます。前職ではペット業界に限ったチェックを行っていましたが、常に新しい基準や業界規格を調べたり、法令のチェックをする必要があります。難しい法令を一から調べることもありますが、自分自身の知識向上やスキルアップに繋がっていることを実感しています。

庄司
モノタロウでは、普通に生活していたら見る事も触る事もない商品を数多く取り扱っています。また、BtoB向けの商品は、BtoC向けより守るべき法令が多く存在します。「どうやって使うのだろう?」「どうやって作っているのだろう?」「これを販売するには何が必要だろう?」という観点を大切にしながら調査を行っています。商品を知ることから勉強するため知見が広がりますし、新しい領域にチャレンジする中で発見と気づきが養われます。マンネリ化せず常に刺激があるので、やりがいを感じています。

Q8.現在、品質保証のポジションで採用活動を行っています。どのような人と一緒に働きたいですか?

深田
品質保証という仕事は、どこかお堅い・厳格なイメージがあるかもしれませんが、チームで楽しく話をしながら仕事をしています。常に新しいことに取り組むので、分からないことも多くありますが、前向きに仕事に取り組める方が向いていると思います。

また、モノタロウは商品数が多いので、常に勉強が必要です。不安に思うかもしれませんが、開発担当/調達担当が商品についてよく理解しているので、連携を取る中で学ぶことができます。人と関わることが好きで、好奇心や探究心が強い方はマッチする環境だと思います。

庄司
モノタロウは「他者への敬意」と「傾聴」が浸透している会社です。そして、開発担当/調達担当と品質保証担当がチームで商品開発を進める体制は珍しいと思います。そのため、「自分が!自分が!」と強く主張する人よりチームワークを大事にしながら働くタイプの人が向いていると思います。みんなで商品を作り上げていきたいですね。

専門性の観点では、お客様の使い方を多角的に考慮した品質管理ができる方、不具合で返品されたものの調査や改善ができる方、品質基準の策定を迅速かつ柔軟にできる方を募集しています。

また、電気製品の品質保証を強化していきたいと考えています。電気製品は、感電や火災といった危険性を秘めています。安全性を高めるために設計段階で品質を作り込んでいく必要があるため、電気関係の商品知識やPSE法に詳しい方、設計段階で機構や回路のチェックができる方も歓迎します。

庄司さん、深田さん、ありがとうございました!

モノタロウでは共に働く仲間を募集しています!