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副業を通して見えてきた自分らしい働き方。モノタロウの副業について。

※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。

政府の働き方改革で副業が推進されている昨今、副業を希望する雇用者の数は年々増加しています。また、実際に副業をされている方も増加傾向にあります。厚生労働省の調査によると、2017年の時点において、副業希望者数は約390万人、副業利用者数は約130万人であり、副業に対する意識が高まっていることを感じます。(※下図参照) 

出典:副業・兼業の現状①/就業構造基本調査 ( 厚生労働省 )

実際の採用活動でも候補者の方から「副業はできますか?」という質問をいただく機会が多いです。まずは結論を申し上げると、モノタロウでは副業可能となっています。具体的には、「本人の視野を広げ、多様な経験を通じて才能・技術の幅が広がる等、従業員の成長が期待できるもの」という基準で認められています。実際、正社員の約4%が副業を行っており、柔軟な働き方を実現されています。

今回は、副業を実際に行っている中尾さんと信川さんにインタビューを実施しました。副業の内容や魅力、本業との両立について詳しくお話いただいています。

■ 中尾さん ( 表紙写真左 )
IT部門 SCMグループ DevSecOpsチーム 所属
■ 信川さん ( 表紙写真右 )
IT部門 OMSグループ サプライチェーン改善チーム 所属

Q1. モノタロウでの業務内容を教えてください

中尾
商品管理や受発注管理を行う基幹システムの機能開発を主に担当しています。最近は、品質向上を目的とした自動テストの導入やシステムの安定稼働に向けた監視体制の構築など、高品質なシステムを安定的に提供するための仕組み作りにも取り組んでいます。

信川
在庫引当(※)・配送ルートを最適化するシステムの導入を進めてきました。現在は、物流部門をはじめとする他部署と連携しながら、システムを活用した運用改善を進めています。今後は各拠点への物量を最適化することで、お客様に対して商品をより迅速かつまとめて出荷できる環境を追究していきたいです。( ※在庫引当:どの倉庫から商品を出荷するか )

Q2. 副業内容について教えてください

中尾
プログラミングスクールのメンターを務めています。一般的な講師のようなカリキュラムに沿った指導をするというよりは、受講生が自主学習をした上で、不明点があればフォローするといった学習のサポートを担当しています。現在は、Python、AI、機械学習の3コースを担当しており、受講生とリモートでコミュニケーションを取っています。

信川
俳優として映画やPR動画、オーディオドラマに出演しています。興味を持ったオーディションに応募したり、知り合いの監督からのオファーを受けて活動しています。オーディオドラマでは、脚本の執筆にも挑戦中です。将来的に映画を作りたいと考えていますし、書く側の視点に立つことで脚本自体の理解も深まるので、演技にも活かせています。

Q3. 副業を始めようと思ったきっかけを教えてください

中尾
奨学金で大学に通っていたため、毎月の返済負担を少しでも減らしたかったことがきっかけです。最初は、異業種での仕事も面白そうだなと思いましたが、既に持っているプログラミングの知識や技術を活かしつつ、本業に持ち帰れるスキルが身につく仕事をしたいという考えになりました。プログラミングスキルを活かせる副業としてアプリ開発などの選択肢もありましたが、人に何かを教えることや会話することが好きという自身の性格を踏まえて、コミュニケーションが主体であるプログラミングスクールを選択しました。プログラミングスクールでは、つまづいているポイントを上手く説明できない受講生が多いため、メンター側で上手く聞きだすことが必要になります。このスキルは、システム開発の要件定義フェーズにおける相手のニーズを聞きだす能力に共通していると考えました。

信川
きっかけは、仕事とは関係なく、映画制作の楽しさと俳優という仕事に惹かれたことです。最初は、自主映画のスタッフとして撮影現場に参加しました。好きな作品の監督がTwitterでスタッフを募集しており、この機会を逃すと後悔すると思い応募しました。素人だったので足を引っ張らないかという不安もありましたが、温かく迎えていただき、脚本企画、衣装選定、美術など幅広く映画制作の経験を積むことができました。その中で、2時間の作品にいろいろな人が関わっていること、数秒のシーンを撮影するために多くの時間と技術が詰め込まれていることから映画製作の楽しさに魅了されていきました。また、自主映画の場合は、スケジュールや金銭面を考慮して、スタッフがエキストラとして出演することが多々あります。その際に、俳優の演技によって自分たちが用意した空間が動き出す瞬間を肌身で感じ、作り手として味わうものとは別の感動がありました。この経験から、俳優の仕事を通して、空間を動かす側に立ちたいという思いが湧きました。

Q4. 両立に対する不安はありませんでしたか?

中尾
不安は特にありませんでした。モノタロウでは在宅勤務の日も多く、副業もフルリモートなので時間や場所の制約が少なく、容易に両立することができました。本業では、忙しくなりやすい曜日が決まっているため、そこを避けて副業を入れることで、仕事量のバランスも取りやすくしています。受講生のスケジュールに合わせる関係で土日の業務もありますが、副業自体が本業とは違う内容であるため良い気分転換になりますし、1時間程度の対応であるため、休日をしっかり満喫することができています。

信川
休日に活動できる仕事を選んで応募しているため、両立に対する不安はありませんでした。有休も利用しつつ、スケジュールを上手く調整できています。俳優業自体が不定期であり、表に出て活動する時間は少ないですが、インプット(脚本理解、役作り、セリフ覚え)に時間を使っています。普段からの息抜きであった映画鑑賞や読書も俳優としてのインプットに役立てています。

Q5. 本業と副業の相互で活かせていることはありますか?

中尾
副業では、本業で得た知識や経験談を交えながら指導することを意識しています。そうすることで、実務レベルの知識を伝えることができますし、現場の雰囲気を分かってもらえるので、具体的なイメージに繋がるサポートを実現できています。また、副業で求められる相手のニーズを引き出す力や分かりやすく物事を伝える力は、システム開発、特に要件定義フェーズで必要とされる能力になるため、本業で活きる場面が多いと感じています。

信川
チームで仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション能力を伸ばすことができています。俳優も映画制作チームの一員であり、脚本をベースに監督やスタッフと協調しながら作品を創り上げていきます。その中で、曖昧かつ相手任せな表現でコミュニケーションを取ってしまうと、認識に齟齬が生まれるため、撮り直しに繋がり、余計な時間とお金がかかってしまいます。なので、具体的かつ相手がアクションを起こしやすい表現で、共通認識を作ることが求められます。このことを本業のシステム開発に置き換えると、「脚本」=「プログラムの設計書」、「俳優」=「エンジニア」で考えることができ、社内のコミュニケーションでも同じことが言えると思います。設計書をもとに何を作るのかを具体的に書いておくことで、手戻りなく良いシステムを作ることができます。コミュニケーションは常に課題にしているので、そこを伸ばす機会が副業にもあることはとてもありがたいです。

また、俳優としての活動が自己認識の機会にもなっています。演技のアプローチの1つとして、自身の過去経験をもとに役の気持ちや行動を作っていく方法があります。その方法を実践するためには、自身の感情の動き方や場面ごとの身体反応を客観的に認識することが大切です。まだまだ習慣化の途中ですが、本業や私生活の中で大事にしていきたいものや物事への感じ方を客観的に理解することで、自己管理や成長を促すきっかけになっています。

Q6. 副業の魅力について教えてください

中尾
やりがいという観点で、本業とのバランスが取れるようになりました。本業は、半年から1年といった中長期スパンで取り組むプロジェクトが多く、やっと成果が得られるものばかりでした。一方で、副業は、受講生を短期スパン(1ヶ月程度)で受け持っており、短い期間で達成感を得れるため、以前よりもやりがいを感じる頻度が増えました。副業を始めたことで、毎月何かしらのやりがいを感じつつ、半年に1回大きな達成感を得られるため、モチベーションを保ちやすい環境を構築できています。また、当初の期待にはなかったのですが、副業先のメンバーから自分の知らない流行の情報や最近の技術動向を仕入れることができ、個人としての情報源が増えた点も嬉しいです。

信川
副業を通して、自己実現できる場所を見つけることができ、本業に対してより真摯に向き合うことができるようになりました。これまでは、会社が求める自分と理想の自分の間に生じたギャップに悩んでいました。そのギャップを埋めるべく、考え方を変えたり、仕事で求められるスキルを伸ばしてきましたが、根本的な自分の思いからは離れているなと常々感じていました。その中で、自分のやりたいことができる場所を副業を通して確保できたことにより、本業では会社のためにできることをしつつ、自分のやりたいことは他の機会でしようと割り切ることができました。会社で働いている以上、理想の自分になるためには、会社に合わせて自分を変えるしかないと考えていました。しかし、副業を始めたことで、会社以外で理想の自分に向き合うという新たな選択肢に気づくことができ、本業へのモチベーションもこれまで以上に高くなっています。

-インタビューを通して、副業が収入を増やすだけではなく、スキルの成長や自分らしい働き方に繋がっていると思いました。「本人の視野を広げ、多様な経験を通じて才能・技術の幅が広がる等、従業員の成長が期待できるもの」という当社における副業の目的に繋がっていることを実感できるお話でした。中尾さん、信川さん、ありがとうございました!

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