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データ提供基盤の開発を担うテックリードのチャレンジ

※本記事の内容は取材時のものであり、組織名や役職等は取材時点のものを掲載しております。

モノタロウが持続的な成長をしていくためのデータマーケティングに欠かせないのがデータ提供基盤です。社内のあらゆるデータをリアルタイムに集め、そのデータを元にしたAPIを社内のデータ利用者に提供しています。今回は、モノタロウに中途入社して2年目にテックリードとなった藤本さんに、データ提供基盤開発への取り組みや大きな役割を任されるようになったことについてオンラインインタビューしました。

藤本さん
2019年4月にモノタロウ に入社
ECシステムエンジニアリング部門 EC基盤グループ マイクロサービス基盤チーム
主な役回りは、データ提供基盤の開発/運用

Q. 前職からの転職を考えたきっかけは?

「20代後半からのキャリアプランを考え、選択肢の幅を広げたかった」

広告効果測定プラットフォームを開発する会社に新卒入社し、1〜2年目は実装〜運用を中心に、3年目からは要件定義も経験しました。その頃から実装など自分で手を動かす時間があまりとれなくなってきて、技術力が充分に身についていないままPMになる方向に進んでいくより、もっと技術を深めてから選択したいと思うようになりました。また、将来のキャリアプランを考える中で1社しか知らないという漠然とした不安もありました。

モノタロウの入社面接で、入社当時にそのまま上司になったデータ基盤グループ長の香川さんCTOの久保さん → 最終面接は社長の鈴木さんとお話ししました。技術的な経験を積めそうということの他に、「モノタロウの社風と風通しの良さ」が入社の決め手になりました。上から流れてきたものをそのまま作るのではなく、エンジニア個人が深く考えながら開発するという香川さんや久保さんの姿勢に強く共感しました。

 Q. モノタロウ に転職して感じたことは?

「変化のスピードが早い、チャレンジの機会が多い」

モノタロウに入社して丸2年が経ちましたが、思い返すとあっという間でした。私が入社してからも売上規模が急激に伸びていて、それに比例してデータやトラフィックも増えています。大規模でしかも急速にトラフィックが増加するシステムを安定稼働させることと、お客様の利便性を向上するため新しい機能の開発も同時に進めるので、エンジニアとしてとにかくやることが多いです。変化のスピードやその大きさを実際に体感すると、入社時に想像していた以上にとても驚きました。

モノタロウには技術的に古いシステムが現時点でも残っていますが、システム改修は順次進んでいます。私自身もこれまで経験のなかった、KubernetesやGo言語などモダンな技術を使うことができており、エンジニアにとってやりがいや面白さがある会社だと感じています。

Q. 担当している業務について教えてください

「データを集める、データを届けるデータ提供基盤のテックリード」

入社以来、社内で「データ提供基盤」と呼ばれているシステムの開発/運用を担当しています。そのシステムは「①社内のあらゆるデータをリアルタイムに一箇所に集める」「②集めたデータを用いたAPIを提供する」という2つのことをやっています。

①は、別々のデータベースに保存されている商品や在庫など基幹システムのデータや、ユーザーのサイト内での行動履歴を、リアルタイムにBigQueryに集める取り組みです。集めたデータは様々な部署の分析業務やバッチに利用されています。

②は、分析結果を用いた施策を行うためのAPIを簡単に構築する取り組みです。例えば「サイトにおすすめ商品を表示するために、このSQLの結果をAPIから取得したい」という要望を受けたら、最短3営業日でAPIをリリースします。またBigQueryのレイテンシは数秒程度でAPIのデータソースとして使うには遅いため、Bigtableにデータをコピーしてデータソースとしています。モノタロウではエンジニアやデータサイエンティストだけでなく、マーケターや商品採用などあらゆる職種の社員がSQLを書き分析を行います。①で分析しやすく、②でその結果を使いやすい環境を提供しています。

APIのリリースも短期間でできたわけではなく、要件をヒアリングする方法やチーム内の業務フローを整理してリリースまでの期間を短縮しました。要件の中に現状の機能では対応できないものがあれば、機能拡張を検討し、実際に実装することもあります。日々増えていくデータやリクエストに対応するキャパシティプランニングや、障害が起こればその対応も行います。

モノタロウに入社して1年半が経った2020年秋頃に前任のテックリードが他部署に異動になり、彼が担当していた実装する機能や技術の選択、他メンバーのサポートやコードレビュー、障害対応の砦といった役割を私が引き受けることになりました。

Q. テックリードになっていかがでしたか?

「漠然とした不安と向き合い、未来を見据えた設計を目指している」

テックリードを引き継いだことで一番大きく感じたのは、何かを決める際に「本当にそれが適切なのかを判断してGOサインを出してくれる人が他にはいない」という重圧でした。開発する機能の仕様や選択する技術が妥当か、この選択によって将来的に困らないかといった漠然とした判断に対する不安がありましたが、不安を抱えながらもいくつか案件を進めるうちに、そのとき考え抜いたことなら仕方がない、失敗だったことは未来に活かせば良いと思うようになりました。今後、目指すことはテックリードとして「未来のことを見据えた設計」です。今はまだまだですが、できるように挑戦を続けていきます。

Q. 新たに技術を導入する時、どのように取り組んでいますか?

「まずは一旦やってみる」

ドキュメントや事例はもちろん読みますが、早めに実際に検証することを心がけています。例えば最近Bigtableの負荷軽減・コスト削減のため、BigtableのキャッシュとしてMemorystore(Redis)を導入しました。ドキュメントや事例を読んでいても、自分たちのデータではどう入れるべきか、どのくらいの性能が出るか、推測の域を出なかったため、少し考えてすぐに実際に検証を始めました。

仮説と検証を繰り返すこと自体は特別なことではないと思います。ただ、費用がかかる検証でも比較的ライトに試すことができる環境や、早めに試して改善点があれば直せばいいという文化はモノタロウの良いところだなと思います。

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Q. どんな人と一緒に働きたいですか?

「どうしていきたいか、何を作りたいか、自分で決めたい人がモノタロウには向いている」

モノタロウではチャレンジした結果として、うまくいかなくても誰も怒ることはありません。ダメだったことはダメだったこととして「次はどうしようか?」という建設的な話ができるポジティブな雰囲気と文化があります。半年に1回行われる評価においても失敗がマイナスに捉えられることはなく、うまくいかなかったケースもドキュメントに残して、勉強会などで共有されています。

一方で最近もどんどん社員が増えてきて入社年次が浅いエンジニアが多い状態で、現在は仕様をインプットしている段階です。今はまだ「決める」ことができる人の比率が少なく、これはこれからの課題ですが、逆に「決められたものを作っていくのではなくて、どうしていきたいか、何を作りたいか」を自分で決めたい人にとってはたくさんチャンスのある環境だと思います。

モノタロウでは共に働く仲間を募集しています!

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