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寂しさの、お隣さん。

なぜか少しは早起きができた朝。トースト二枚とコーヒーだけだったが、少しはホッとする時がある。洗い物をし、歯を磨き、外へ出て一ぷく。風はだいぶ収まり、暖かさが遅めの春を知らせてくれる。タバコを吸いながら携帯を見るのはあまり好きではないので、色々くだらないことを考え、そろそろ家へ戻るごろには頭が痛くなるだろう。病院から出て5年目、なぜか今年は頭痛が多い。痛くなりそうで、まだ痛くないようで、今の時代マジで困る。机に座り、先週から始めたエッセイの原稿を割と早めに1枠終えた。まだ未定なのだがタイトルは、’知恵ある家暮らし’。依頼を受けて最初はその安っぽい題名が気に入らず、迷ったものの、届いた企画書に僕の辛かったり、苦しかったりしてたことを少し加え送ったら、向こうが気に入ってくれた。私を知ってくれてる人がいたなんて、涙がでる。また、頭が痛くなった。

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9時ごろに朝ごはんを食べたのは、多分一週間ぶり。本当に適当な生活なはずなのにお腹が空き気づいたらほぼ12時になってた。今回はちゃんと母が雑穀で炊いてくれたご飯と、イカスープと卵焼きとチジミとキムチで昼食を済ました。頭痛は少し強くなり、どうしようがと思いながらコーヒーを入れ、映画を見ようかとただ思い、部屋へ戻ってベットに潜り込んでしまった。今回は携帯を見て、秦基博さんのライブが配信されていた。歌って何だろう。パンの勉強をやってた頃の思いが急に蘇り少し涙が出てしまった。また感情移入をしてしまったのか、知らないことでもないはずなのに、他人が歌ってくれるだけで悲しく、しかし素敵な思い出が完成される気がする。バカかも知らないけれど。

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最近、私の1日と言えば、ほぼ家での生活、頼まれた原稿を書いたり、自分で決めたやらなくても構わないことをなぜか懸命にやったり、しかしほとんどは寝たり、ぼんやりしたり、ネットショッピングをしたり。そういう怠け者の一日。でも、せめてこれでいいのかとは思ったりする。この前は、ツイッターで吉祥寺のミニシアターUPLINKの浅井隆さんが今の映画館の究極について嘆いてらっしゃていた。浅井さんとは昨年春、渋谷UPLINKの事務所でインタビューをさせて頂いたのだが、浅井さんがおしゃった’小さいサークルのこと’を思い出す。寂しくなったり、落ち込んだりしてた時、僕も思ったりしてたこと。また少し素敵な寂しさの形が、完成された日のことだった。

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SNSだと好きなことばかり見ちゃう。つながりだと言っても好きな同士ばかり。しかし、映画館では隣に韓国人が座ってるかも知らないし、向こうにはアメリカ人やら台湾人、もしかしたらアラブの王子様が座ってらっしゃるかも知らない。地位や年俸や関係なくみんな同じで、フラットな状態です。もちろん、映画もそれを好きな人だけが来たりするけど、その集まりはネット上の方よりミックスしてる。それが、面白おいと思うし、映画館自体がその社会の一部でいることが面白いと思う。

今は、好きな映画も見れず、会いたい人にも会えず、行きたい場所にも勿論行けないものだが、秦基博さんの、昨年のゴールデンウィーク、ちょうど今のところに開かれた横浜でのライブを見て、こんなにメランコリーになるのはなぜでろう。遠さっていたものをまた、ただ思い出してみる。今年の春はそういう季節であるような予感がなぜかしてきた。私が知っている小さなサークルのみなさま、お元気ですか。


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