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二番目で高いところで、星が見えた。

彼のことを見ると、少しごめんと思う。158センチという身長、それにして気丈な体。早いステップ、素早い動き、今はアイスダンスへ転向をした高橋大輔を少し思う出させる彼は、なぜかいつも’ごめん’という気持ちを私に残してくれた。フィギャー界では最近コーチの問題で苦労をした選手らが何人もいて、最近ニュースでやっと気付かされただけれど、彼の演技にそういう悩み、揺れ、絶望のような様子は見えなかった。宇野昌磨、フィギャースケーター、今年デビューして10年。オリンピックや世界選手権、グランプリファイナルなどで、彼はなぜかいつも2位のところで泣いて、笑っていた。そう、彼のそばには羽生結弦がいる。検索してみたところ、彼が一位に登ったことがなかったわけでもなく、むしろその数は多くあるけれど、彼には順位ではなく、恋々と自分をスケーティングをする純粋な苦労、切ない時間、見えない美しさのようなものがある。正直なところ、羽生先週の華麗な演技より、ネーサンチャン選手の迫力あるスケーティングの方を好むだけれども、宇野昌磨の演技は、影で光るような、一段上のところではなく、道の先、次の自分を求めるような一所懸命があると思った。去年、全日本選手権での彼の演技が思い出す。忘れたくなく、頭の中で何回も繰り返して思い出してみる。カルムスコットのDancing on my Ownがフェードアウトされた時、そこにはきっと、自分の道で見つけた明日への自分が、生まれていた。


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