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AI画像生成の仕事の依頼でバイナンス(暗号資産取引所)を利用した詐欺グループのInstagramアカウントを3つ潰した話(その4)最終回

さて、少し間が空いてしまいました。

そろそろ詐欺(女性)も言い訳のネタがなくなってきたのか、同じような主張を続けますが、記憶力がないのか金額が違っていたりします。

We have encountered situations whereby we pay our artists and they complain the funds were not received. This was because some wallets are not capable enough to receive such cryptos. This make us loss alot of money because cryptos doesn't reverse it's transactions
(私たちがアーティストに報酬を支払っても、アーティストから資金が受け取られないという苦情が出ることがあります。これは、いくつかのウォレットがそのような暗号を受け取るのに十分な能力がないためです。これは、暗号通貨がそのトランザクションを逆行させないため、私たちは多くのお金を失うことになります。)

We lost over $22, 000 worth of Bitcoins in the past months. Hence why we adopted this medium.
(過去数ヶ月で22,000ドル以上のビットコインを失いました。それゆえ、このメディアを採用したのです。)

前は15,000ドルって言ってたのに!金額増えてる!

「Lost $15, 000 in the past months cause of same. sorry I can't bypass this policy」

とツッコミはじめると、詐欺(女性)も

I thought we are gonna work on more bigger projects but you screwed this up because of your trust issues
(もっと大きなプロジェクトに取り組むと思ってたんだが、お前の信用問題で台無しだ。

いかにも詐欺らしい返事をするようになりました。
そこで早く報酬を払ってくれ、あなたは詐欺か?報酬を払わないつもりか?と詰めてみますが、どうやら睡眠タイムに入ったようで反応がありません。

そこで相手のInstagramの写真や、調べておいた共犯者と思えるInstagramアカウントの写真をつかってWANTED!コラ画像を作ってみました。

※ぼかしてます

そして、その画像を共犯者と思われる自称アートコレクターの男性2名のアカウントにDMで送ってみます。

そうすると、いつもの詐欺(女性)外国人の活動時間開始時刻(8時間後)に

Fuck off scum bag

If you threaten me again. I will use that against you. Fool

What's your problem

Please fuck off

とあまり上品でない言葉が返ってきましたので、どうやら画像の内容が図星のようでビンゴ!でした。
この詐欺(女性)外国人は活動時間が毎日精確なので勤勉な詐欺師かもしれません。そして私が送りつけたWANTED!画像をDMで送ってきて

I will use this against you
(私はあなたに対してこれを使用します。)
I has screenshoted it and sent to the appropriate authority
(スクリーンショットを撮って、関係機関に送りました。)

という捨て台詞を残して、3つのアカウントが一挙に削除されました。

この3つのアカウントは多くのクリエイターさん(日本人含む)をフォローしたり、フォロワー(日本人含む)も数百人いましたので、もしかすると同じような詐欺被害者がすでに出ているのかもしれません。
※ちなみに残りの2名はARTCollectorを名乗っていました。

私がWANTED!画像を送ったのは、その2名のみです。
もしかするとフォローやフォロワーに詐欺グループの一員が含まれていたかもしれませんが、上記のように何百人もフォロー、フォロワーがいましたので全てを調べたわけではありません。

またそのInstagramに掲載していた画像が本人であるかもわかりませんので、ぼかしを入れました。もし気になる方がいましたら画像は提供しますので
私のInstagramにDMを頂ければと思います。

https://www.instagram.com/mononofu_sengoku/

被害はmidjourneyで作成し、DALL・Eでoutputし、Photoshopで加工したAI画像と、その作成した時間だけなので被害届けは出していません。

この2週間の間、AI画像生成を仕事として受けた事や暗号資産の取引など、すごく勉強になりました。また海外とのやりとりもDeepLで意外と簡単にできものだなと思いました。

実は一つ奇妙なことがありまして、最後に書きます。

詐欺(女性)のプロフ画像を使って、DALL-Eでoutputtingをやってみたところラテン系の男性が映し出されました。その男性の画像がいやにリアルなんです。

で、その画像を詐欺(女性)にDMで送りつけたところ、その詐欺(女性)は自分のInstagramにその画像を投稿して、

Wow 😲
How did you do that?

とメッセージを送ってきました。
※いま見直すと、その直後のメッセージは削除されていました。

そして私がWANTED!画像を送ったあとに私のInstagramをフォローした海外のアカウントがあり、そのフォローのタイミングが気になったので、そのアカウントを調べてみると、なんとアカウント主が、その画像の男性にすごく雰囲気が似ているのです!

なにが言いたいかというと、
DALL・E2で作ったAI画像がその詐欺の本人の画像を拾ってしまった可能性があるという事です。まさか!と思われるかも知れませんが、AIもネットに掲載されている大量の画像を学習していますので決してその可能性が無いとは言い切れません。いまとなっては確かめる術はありませんが、今後は犯罪捜査などに、もしかするとAI画像生成が使われるかもしれませんね。

4回に渡って詐欺の話を書きましたが、AI画像生成や暗号資産はもう日常になりつつあるようです。そして世界が広がっている感覚を受けました。いちいちAIと意識して使っているわけではありませんが、もうネットと同じくツールになりつつあります。

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※文中では詐欺(女性)外国人と記載していますが、もしかすると男性の日本人である可能性もあります。ただ会話の内容やノリからするとラテン系の男性っぽい気がしますね。フォローやフォロワーを丹念に追跡したら、招待が判明するかもしれませんが、そこまでするつもりはありません。(了)


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