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【お金】昔は"物々交換"だったは本当?

「昔の人たちは物々交換で生活していた」という話をよく聞きますが、実はこれは本当ではありません。歴史や文化を研究している学者たちによると、物々交換だけで成り立っていた社会は存在しなかったのです。それでは、昔の人たちはどうやって物やサービスを交換していたのでしょうか?

1. 物々交換の神話


物々交換が主な経済システムだったというのは実は嘘かもしれません。
多くの部族や社会では、物々交換は特定の状況でしか行われていなかったようです。

2. 実際の経済活動

多くの古代社会では、経済活動は信用や贈り物に基づいていました。
人々はお互いに信頼し合い、必要な物資やサービスを分かち合っていました。例えば、部族のメンバーが食料を必要とする場合、評議会がその必要を満たすために分配を行いました。

1. イヌイット

イヌイットの社会では、狩猟で得た獲物はコミュニティ全体で共有されていました。狩りの成果はすべてのメンバーに平等に分配され、特定の家族や個人が独占することはありませんでした。このようにして、厳しい北極圏での生活を全員で支え合っていました。

2. 南太平洋のトロブリアンド諸島

トロブリアンド諸島の人々は「クラ」と呼ばれる儀式的な贈り物交換システムを持っています。クラの参加者は定期的に貝殻のネックレスや腕輪を交換し、これにより社会的な絆や地位が強化されます。これらの贈り物は直接的な物々交換ではなく、長期的な信頼関係に基づくものです。

3. アフリカのムブティ族

中央アフリカのムブティ族は、狩猟採集民として知られています。ムブティ族では、狩りの成果は全員で共有され、村全体で食べ物を分かち合います。また、ムブティ族の経済は贈り物を通じて成り立っており、互いに助け合うことが基本です。

物々"交換"よりも、こうした信頼関係を基盤とした"分配"が経済の基盤となっていたと言われています。

3. 現代への影響

現代では、お金が非常に便利な取引手段ですが、幸せを追求するためにはお金だけが必要なわけではありません。地域通貨や贈り物の交換など、他の方法もあります。例えば、地域通貨を使うことで地元の経済を活性化させたり、贈り物を通じて人間関係を深めたりすることができます。

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この本は、経済や歴史に興味がある人にとって非常に面白い内容です。ぜひ、以下のリンクから詳細を確認してみてください。

ブルシットジョブなどで知られているデイビッド・グレーバーですね。



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