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超短編小説「すれ違う人」

わたしはひとり。

ひとり、目的地に向かって歩いていた。

比較的、大きな街。

普段、気にも止めなかったこと。

すれ違う人。

人。人。人。

すれ違う人もまた、目的地に向かって歩いているのだろう。

関わることのない人。

目に見えても関わることのない人。

ふと、立ち止まり、携帯に目を移すと、言葉が足早に流れていく。

目に見えなくても関わっている人。

また、目的地に向かって歩き出す。

ひとり、歩いている。

ひとりではないのかもしれない。

もしかして、目の前を横切るこの人とは、繋がっているのかもしれない。

文:モノコト68
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