好きな曲の話① 古川本舗 girlfriend


   好きな曲の話を好きにしたくてnoteを始めたのに今まで一回も書いたことがなかった。このおとぼけさんめ。記念すべき初回は特に好きな曲で。

古川本舗/girlfriend

   2009年にニコニコ動画に投稿されたのを初めて聴いた。その頃はまだ中坊で歌詞の意味なんててんで理解してなかったんだけど、郷愁を感じさせるアナログなサウンドとイラストが印象的だった。10年経った今でもよく聴くし、その度に新しい良さが見つかる。私は特に歌詞が好き。

足はもつれた 旅のその途中で
転んだ姿を笑う君だ
夢は砕けた 夜の真ん中で 俯いた背中を包むのさ

振り返り君が 手を叩き笑う
定まらない気持ちに 名前をつけた

漕ぎ出してまた戻って「いい加減な人だ」と笑い君以外は 誰もいない道の上 二人転げ回って
振り出し、ね また戻って 続きは?
「もういいんじゃない?」だって
誰もいない道の上 二人 笑って

   めちゃくちゃいいやん。

   歌詞だけでご飯がいけてしまう。古川本舗はどの作品もそうだけど一文目の引力がすごい。登場人物の立場、関係性、人となりがしっかりと描かれている上にものすごく詩的で美しい。主人公の夢が砕けてしまったことをデフォルメして「足がもつれた」と表現し、側にそれを笑って見守るガールフレンドがいることから時間が経過して悲しみのど真ん中にはいないことが伺える。歌詞解釈を書くなんて野暮なことはあまりしたくないのだが、あまりにも素晴らしくて。

   なによりガールフレンドが魅力的。夢を持ち追いかける人は漕ぎ出すも、戻るも苦悩があると思うが、側にこんな人がいたらなんて救われるだろう。

話をしようか 遠い国の映画の
悲しいストーリー 懐かしい歌

鳴らして 揺らして 夕暮れに痛みを残して
今日は終わる 笑い飛ばしたら 置いていく
暗くなって 見えなくなって
指先に 残るものだけが
柔らかな朝を迎える そうあるように

      最後の2文がいい。じんとくる。見えないものを追いかけて、見えるものを大切にする。完成された愛が詰まっている曲なのに気取らず、成り立っているから頭が下がる。そして

I know you.my friend.
I know you.girlfriend.
I know it's only Rock'n Roll
you are my girlfriend.

   毎回ここで死んでしまう。映画でいうとエンドロールにあたる部分。めちゃくちゃカッコいい。柔らかな雰囲気の曲でこれはロックンロールだと。絶妙なバランス。

   夢を追いかけて取り憑かれて、ダメになった時に自分の理解者がいて、その人のために歌を歌えるようになった。自分もこの曲のストーリーに救われた。大切なものは1つじゃなくてもいいと言ってくれてるように聞こえる。古川本舗はこの曲をいつ作ったんだろう。私的には聴いてるといつもCLANNADの喜野さんがミュージシャン時代を回想するシーンがを思い出すのだけれど、なにか関係あったりするのだろうか。気になる。

   長々と書いてしまったけど、やっぱり好きな曲の話をするのは楽しい。聴いたことない人は是非この機会に。また書きます。

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