Look Back Radio Story コサキン編
最近執筆の作業中に耳が寂しくなり、ラジオを聴くことが増えました。
これまで仕事で外に出ているときは日々の忙しさに追われ、帰ってくれば楽しいことを妄想する余裕もなく疲れてぐっすりと眠っていたというのに……
今はリモートワークゆえにどうしても静かすぎるため、何かしら些細な音が欲しかったりします。
そんな経緯から約15年ぶりにラジオを聴くようになりました。
今やラジオの音質はradikoの出現によってハイクオリティですが、やはり昔ながらのコンポから聴こえてくる従来のほうが味わい深かったりします。
青春時代にドハマりしたあの番組
思春期にいろんなことがありすぎて、悩み多き高校生となった私がハマったのが深夜ラジオでした。
ちょうど今のように自由な時間ができたことで、普段考えもしなかった将来への果てしない不安を抱くようになり眠れない日々。
レンタルしてきたCDをコンポで聴くことで対応していたものの、レパートリーもランダム再生も繰り返すうちに耳が慣れてしまいます。
そんななか毎夜語りかけてくれたのが、個性あふれる深夜ラジオのパーソナリティたちでした。
伊集院光、爆笑問題、ナインティナイン、aiko、コブクロ等々。
まずそのほとんどが生放送であること。
なので今過ごしている自分と同じ時間に起きているという事実。
さらに放送時間は同じなれど日替わりでパーソナリティや内容が変わるので、その安心感に包まれて眠りにつけるのです。
しかし、ひとつの番組だけはどうしても私を寝かせてはくれませんでした。
とてもおもしろすぎたのです(笑)
ドハマりしたその番組こそ「コサキンDEワァオ!」。
ご存じ小堺一機さんと関根勤さんのユニットで、TBSラジオで28年も続いた超人気長寿番組です。
当時TBSラジオはJUNKでニッポン放送はLF+R(オールナイトニッポンSUPER!や.com)の時代、時間帯によってチューニングをハシゴしていろんなパーソナリティの番組を聴きました。
そのなかでずば抜けていたのがコサキン。
テレビで見かける静かで落ち着いた大人なおふたりのイメージを良い意味で覆す、まるで中2の放課後テイストを思わせる独特な世界観!
やりたい放題なのに決していやらしさがない。
しかし"わかる人にはわかる"、"聴く人を選ぶ"といった側面を持っているので初めて聴く人を戸惑わせてしまうのは毎度のこと。
私は運良く、ついていくことができました。
コサキン用語にコサキンソング、毎週たくさんのネタが出ては自然とインプットして私生活でアウトプットする日々。
おもなコサキン用語
・サニオク オニニニ
・スジですね
・ぽっちゃりマッチョ
・オギオギ
・マントヒヒ
おもなコサキンソング
・君はトロピカル(中井貴一)
・君にミステイク(石黒賢)
・ジゴロ(石田純一)
・iigusa(原田芳雄)
・君は人のために死ねるか(杉良太郎)
・ララバイ ロックンロール(風間杜夫)
・すずらん通り(喜美正二郎)
これらをひとりで呟いたり、歌ったりして大笑いしてました(笑)
何より番組内でネタにされた芸能人が後日ゲストとして出演される奇跡!
いつも温和な空気なのはコサキンおふたりの人柄なのでしょう。
そしてヘビーリスナーの方々が投稿する質問が毎回コアで凄すぎて、思わずそのゲストが驚くというおもしろさ。
余談ですが、コサキンに取り上げられたゲストの方がラジオ出演後になぜかCMで多く見かけることになる現象をいつも不思議に感じてました。
パーソナリティのおふたり、ベテラン構成作家のお三方、ヘビーリスナーたちの化学反応が毎週楽しく、終始笑いが止まらず、受験勉強の際に大笑いをこらえるのがどれだけ大変だったか(笑)
人生の8割強をこの番組で学び、今や私の9割強を形成していると言っても過言ではありません。
この思いは一生涯変わることのない事実です。
コサキンをモチーフにした受賞シナリオ
ふと、私はあることを思い出しました。
かつて通っていたシナリオスクールが発行している月刊シナリオ教室という雑誌に「父さんはムーンフェイス」という作品が掲載されていたことを。
第5回WOWOWシナリオ大賞の優秀賞で、中西隆裕氏が深夜ラジオのハガキ職人である父と息子をテーマにお書きになられた長編作品です。
なお、月刊シナリオ教室はシナリオ・センター様の窓口またはジュンク堂書店にて購入できます。
実はこの作品、コサキンととても深い縁があるのです。
なんと主人公である父親の名は有川勤、そして息子の名は一機。
この時点でコサキンリスナーにはニヤニヤが止まらないはず。
そう、登場人物の名が全員コサキンワールドにちなんでいるのです。
まず勤と一機の苗字は、放送作家・有川(周一)さんが由来です。
ほかにも構成作家の鶴間(政行)さんや館川(範雄)さん、楠野(一郎)さんのお名前も用いられているあたり、ヘビーリスナーであること間違いなし。
なお有川さんは絶叫マシンでのビビりが有名で、かつてタモリ俱楽部の怪談企画にゲストで呼ばれて絶叫しておりました。
タッグを組まされたのは当時タモリさんの付き人だった金子祐也さん。
ここまではまだほんの入口。
それだけではありません。
・宇津井(健)さん
・里見(浩太郎)さん
・水野(晴郎)さん
・高橋(英樹)さん
・加藤(剛)さん
・平(幹二朗)さん
コサキンワールドにどっぷりハマった人ならば目をキラキラさせてしまう伝説の俳優や著名人の苗字が出てくるではありませんか!
欲を言えば、イブテル(伊吹吾郎さんとあおい輝彦さん)や柳沢慎吾さんも入れてほしかったのはここだけの話ということで(笑)
さらに細かいところで主人公の職場が(ルー)大柴商事で、上司の苗字が(ラッキィ)池田さんで、後輩社員が(関根)麻里さんやカンコンキンシアターの西田(たか子)さんや佐藤(まい子)さんらに由来しているという贅沢さ。
当時キャラのネーミングから作品の世界観に気づいた時点で他の読者よりもリードを取れた優越感。それは今でも同じです。
シナリオ本編にどんな小ネタが隠されているかワクワクしながら読み進め、そのおもしろさと感動な内容に涙が止まらず、キャラクターからあふれ出す愛にオギオギせずにはいられませんでした。
数年ぶりに再度そのシナリオを読み終えた私は窓の外の月を見つめ、世間の事態の収束をただただ願いました。
おわりに
視聴者やリスナーとしてだけではなく、直接おふたりの掛け合いを拝見したいと思い、年明けの公演に行けたことを心から幸せに思っております。
画像出典元:Zen-A様
おふたりの軽妙なトークや何気ない一挙手一投足から深みや味わいがこれでもかと醸し出されておりました。
同じ空間にいられる幸せ、長時間の公演にも関わらずまったく衰えることのないおふたりのみなぎるパワーはこれからも日本の人たちをあの偉大なる宇津井さんのスジのように元気にしていくことでしょう。
実はその公演を観に行ったのには理由がありました。
「カンコンキンシアター」は一度拝見できたものの、「おすましでSHOW」は観に行けなかったことがずっと心残りだったからです。
テレビでもラジオでもない、生のご本人たちのお姿をしっかりと目に焼き付けてこれからの人生も頑張ろうと思いました。
世の中が落ち着いたら、その際は必ず舞台にお伺いします(#^.^#)
それではケレル、モレッ!
そしてパッホーン!
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