ピアノの即興演奏ってどうやってるの?

ものはっぱ

 タイトルの通りですが、ピアノにおける即興演奏はどのように行っているのかを解説してみたいと思います。

 色んな理解度の方がいると思うので、はじめはざっくりと、段々と掘り下げていくような構成で書いてみます。なので「あ、分からなくなったな」と思ったらそこで読むのを止めて大丈夫です。どのレベルまで理解できるかチェックしてみるのも面白いかもしれません。
 それでは早速行きます。

Level1

 まずは曲の雰囲気、メロディ、流れを把握します。そして自分が持っている引き出しの中から素材を持ち出してきて、リアルタイムで組み上げて演奏します。

 もちろんリアルタイムで行うのは中々に難しいことなので、持ち出される素材は必然的に、手に馴染んでいるものに限られます。

Level2

 まずは曲の雰囲気、メロディ、コード進行を把握します。そして自分が持っている引き出しの中からフレーズを持ち出してきて、リアルタイムにアレンジして演奏します。

 もちろんリアルタイムで行うのは中々に難しいことなので、持ち出されるフレーズは必然的に、習熟度の高いものに限られます。

Level3

 まずは曲のビート、メロディ、コード進行、キメなどを把握します。そして自分が持っている引き出しの中から、ヴォイシング、伴奏パターン、ベースパターン、フレーズなどを持ち出してきて、リアルタイムに構成、音域等を考えながらアレンジして演奏します。

 もちろんリアルタイムで行うのは中々に難しいことなので、持ち出されるフレーズは必然的に、習熟度の高いものに限られ、曲のビートにあったものから探すことになります。

Level4

 まずは曲のビート、メロディ、コード進行、キメなどを把握します。そして自分が持っている引き出しの中から、ヴォイシング、伴奏パターン、ベースパターン、フレーズなどを持ち出してきて、リアルタイムに構成、音域等を考えながらアレンジして演奏します。
 右手でメロディを弾きつつコードも弾く、左手でベースも弾きつつコードも弾く、コードは中音域部分で鳴らす必要があるのでどちらかが演奏しにくかったらお互い補い合うという形が多いです。また、必要に応じてコード進行のリハモナイズも行います。

 もちろんリアルタイムで行うのは中々に難しいことなので、持ち出されるフレーズやリハモナイズのパターンは必然的に、習熟度の高いものに限られ、曲のビートにあったものから探すことになります。

Level5

 まずは曲のビート、メロディ、コード進行、キメなどを把握します。そして自分が持っている引き出しの中から、ヴォイシング、伴奏パターン、ベースパターン、フレーズなどを持ち出してきて、リアルタイムに構成、音域等を考えながらアレンジして演奏します。
 右手でメロディを弾きつつコードも弾く、左手でベースも弾きつつコードも弾く、コードは中音域部分で鳴らす必要があるのでどちらかが演奏しにくかったらお互い補い合うという形が多いです。ヴォイシングについてはテンションを追加する場合は特にメロディとの兼ね合いを気にします。また、必要に応じてコード進行のリハモナイズも行います。

 もちろんリアルタイムで行うのは中々に難しいことなので、持ち出されるフレーズやリハモナイズのパターンは必然的に、習熟度の高いものに限られ、曲のビートにあったものから探すことになります。また、事前に曲の要素を把握する際に、自分の引き出しに無いフレーズなどを練習することもあります。

  

 まだまだ掘り下げることは出来るのですが、このぐらいに留めます。これらを全て考えながら弾いているというわけではなく、書かれているようなことの大半は自動的に手が動いてくれます。

 即興演奏の上達は、その場で考えることを少なくしていく、という流れの繰り返しです。
 最初は考えることが多すぎて頭も手も追い付きません。ですが、それらを頭の中の深いところまで落とし込んでいくと、いつの間にかある程度反射的に演奏が出来るようになります。
 すると、頭のリソースが増えて、より高度なことにそのリソースを割くことができます。今度はその"より高度なこと"を頭の中の深いところに落とし込み、反射的に演奏が出来るようになり、頭のリソースが増えてより高度なことにリソースを割く……の繰り返しです。

 今回はピアノの即興演奏ってどうやってるの?というテーマでしたが、即興演奏を習得するための具体的な流れについてはまた今度詳しく記事を書いてみたいと思います。ここまで読んで頂きありがとうございました。


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ものはっぱ
ピアノ演奏や作編曲を仕事にしています。音楽理論の解説などを軸に、役に立つ記事を書いていけたらと思います。